国際ファクタリングの仕組み:日本

輸出代金の回収を行ってくれる国際ファクタリングというものがあると聞きました。その仕組みを教えてください。

I. 国際ファクタリングの概要
1. 国際ファクタリングは、輸出取引においてその代金の回収を確実にするために、採用される方法の一つです。輸出代金回収には、一流銀行の取消不能信用状(Irrevocable Letter of Credit)や保証状(Letter of Guarantee、Stand-by Letter of Credit)を入手するほか、輸出国における輸出貿易保険等を利用するのが一般的です。ただし、追加費用の発生や手続きの煩雑さに加え、輸入国の制度により信用状等の発行が難しい場合もありますので、輸入業者の信用リスクを回避したうえで商談を実現させる場合、ファクタリングという民間機関の機能を利用する方法があります。例えば、輸出代金を船積後30日後に送金するという決済条件の提示がある場合、その輸出代金債権についてファクタリング会社から100%の支払保証を取得し、輸出契約に結びつけることが可能です。
2. 国際ファクタリングでは、世界各国のファクタリング会社が連携して安全に代金回収、資金化を手助けする国際的な組織を作りあげています。有力な組織としてはFactors Chain InternationalやFactor International Groupがあり、日本の大手銀行系のファクタリング会社が参加しています。
3.  ファクタリングでは輸入者の不払いなど信用事故のみをカバーし、非常危険やマーケットクレームのような係争事由等は担保されないことに注意が必要です。ファクタリング手数料は輸出業者が負担するのが原則とされています。

II. 国際ファクタリングの仕組み
1. 日本での国際ファクタリングの一般的な仕組みと業務の流れは次のとおりです。

  1. 輸出業者は、日本のファクタリング会社に輸入業者の信用保証の引受け(与信枠の設定)を依頼し、信用限度額の設定、期間等を打ち合わせます(期間は一般に180日以内の短期が主体です)。
  2. 日本のファクタリング会社は外国の提携ファクタリング会社に保証引受けを打診します。
  3. 外国提携ファクタリング会社は輸入業者の信用を調査し、受諾通知を行います。
  4. 輸出業者は輸入業者に国際ファクタリングの利用を通知します。輸入業者の了解を得て売買契約を締結します。
  5. 輸出船積書類は原則として輸入業者に直送し、ファクタリング会社にはその写しを送付します。
  6. 輸入業者は支払期日に外国の提携ファクタリング会社に代金を支払います。
  7. 外国ファクタリング会社は代金を日本の指定銀行に送金、その後輸出業者に代金が支払われるのが一般的です。
    なお、輸出業者より資金繰り等の理由で期日前の支払い要請があれば、日本のファクタリング会社は支払期日前の手形の買取や立替払いなどを実施することがあります。また、万一、支払期日に代金が不払いとなった場合でも、日本のファクタリング会社および外国のファクターが連携して支払いが保証されます。

2. 国際ファクタリング利用に際しての一般的な費用概算

  1. 信用調査費:1万円程度。調査内容変更の場合は追加費用がかかります。
  2. 保証料:インボイス金額に対し1カ月あたり0.7%から2.0%、またはフラットレート(個別交渉となります)が適用され、月次ベースで支払うのが一般的です。
  3. その他:通信費など個別料金が請求される場合があります。

III. その他
日本では貿易保険制度(貿易一般保険、輸出手形保険)があります。また、類似のリスクヘッジ手段として決済期間の長い期限付手形や政治リスクもカバーするフォーフェイティング(Forfeiting)と呼ばれる国際金融取引もありますので、相手国、金額、保証期間、費用などを比較されるとよいでしょう。

参考資料・情報
Factors Chain International


調査時点:2011/08

記事番号: A-010713

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