HSコード

質問

関税率表にあるHSコードについて教えてください。

回答

「HSコード」は、「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号です。

2022年7月現在、世界税関機構(WCO)が管理している同条約には、日本をはじめ159の国及びEUが加盟しています。また、非加盟国であってもHSコードを使用している国と地域があり、それらを含めると200以上の国と地域がHSコードを使用しています。

Ⅰ. HSコードの概要

HSコードは、日本語で「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれることもあります。
HSコードは、あらゆる貿易対象品目を21の「部」(Section)に大分類し、6桁の数字で表します。6桁のうち、上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)、項を含む上6桁を号(Sub-heading)といいます。HSの分類改訂は、時代の流れに沿ってほぼ5年ごとに見直しをすることが、当初から加盟国により合意されており、最新では2022年1月1日に改正されました。これにより、同日付けでわが国の関税率表なども分類が改正されました。
2022年改正の主な点は、食糧関連(昆虫食の新設、ヨーグルトの範囲拡大)、加熱式・電子たばこ、3Dプリンター、スマートフォン、ドローンの新設、技術革新を反映した分類の明確化(ガラス繊維、発光ダイオード(LED)、半導体デバイス等)などです。

Ⅱ. 7桁目以降の番号(統計細分・NACCS用番号)

HSコード6桁目より後の番号については、各国が国内法に基づいて統計細分等の番号を設定することができます。日本では第7~9桁目を輸出入統計細分、10桁目をNACCS(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が運営する、税関その他の関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務をオンラインで処理するシステム)用として使用しています。例えば、現行の実行関税率表の「米(10.06項)」は、以下のように細分化されます(輸入品用の実行関税率表とは別に、輸出品用の「輸出統計品目表」では、米(10.06)の統計品目番号の7から9桁目は、すべて000となっています)。

  • 10.06.10.090.† もみ
  • 10.06.20.090.† 玄米
  • 10.06.30.090.† 精米(研磨又はつや出ししてあるかないかを問わない)
  • 10.06.40.090.† 砕米

(注)上記4番号とも、政府の輸入等にかかわるものを除く。また上記各番号の10桁目「†」(オベリスク対象品目)は、条件によって異なる税率を適用する必要がある等、NACCSシステムにおいて単一の品目コードでは設定、管理ができない場合、実行関税率表上はこのように表示される。この場合にはNACCS独自の品目コードを使用することにより適用する税率を設定、管理する。

Ⅲ. 正確な関税額を算出するための正確なHSコード分類

輸入申告時に輸入申告書に記載する関税額は、従価税品となっている多くの品目においてはHSコード(輸入統計品目番号)ごとに定められた関税率に基づいて計算されます(これに対し一部の品目では重量に対して関税がかかりこれを従量税品といいます)。このためHSコードを正しく特定しないと正しい関税額を計算することができません。
6桁のHSコードはHS加盟国・地域及びHSコード使用国・地域で同じルールに基づき分類されます。ただし、それぞれの輸入国・地域で都度HSコードの判定が行われるため、同じ商品であっても輸入国・地域によって異なる分類がなされることがあります。その上、HSコードの分類の判断には高い専門知識を要します。輸出者が通知してきたコードを安易に使って輸入手続を進めると、後に税関から更正の処分を受けたり、修正申告が必要になることがあります。初めての品目を輸入する際は、税関の「関税分類の事前教示制度」を利用するなどして、事前にHSコードや関税率について確認しておくと良いでしょう。
経済連携協定税率を適用する場合も、原産地規則や関税率はHSコードにより規定されているので、HSコードに関する正しい理解が必要です。なお、経済連携協定の原産地規則や関税率は、協定締約時または交渉時のHSコードにより規定されます。

  • 2002年版:シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ(ただし2022年1月より品目別原産地規則について2017年版に変更)、インドネシア、ブルネイ、ASEAN(2023年3月より、品目別原産地規則について2017年版に変更)、フィリピン
  • 2007年版:スイス、ベトナム、インド、ペルー
  • 2012年版:オーストラリア、モンゴル、TPP11、RCEP(2023年1月1日より品目別原産地規則について2022年版に変更)
  • 2017年版:EU、英国、日米貿易協定

関係機関

関係法令

参考資料・情報

日本関税協会:
「実行関税率表」(各年度版)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関:
「輸出統計品目表」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ:
世界各国の関税率

調査時点:2016年12月
最終更新:2022年9月

記事番号: A-010701

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