米国側売上税の取り扱い:米国からの輸入

米国から商品を輸入します。輸出者は、取引が行われた州の売上税(Sales Tax)を輸入者に請求すると言っています。米国からの輸入にあたり、売上税の免税措置を受ける方法を教えてください。

輸出者が輸入者に売上税を請求したのは、輸出者が輸出についての州税の取り扱いを理解していないためと思われます。輸出者に以下の免税措置があることを伝えてください。


I. 売上税の概要
売上税を徴収する州では、再販売(Resale)を目的として購入された製品については、販売取引が行われた州の売上税が免除されます。米国外での販売を目的とする輸出は、再販売の範囲内です。従って、輸入者は輸出者に売上税を支払う必要はありません。ニューハンプシャー州など一部の州は、売上税自体を徴収していません。売上税がある州でも、すべての商品に課税されるわけではありません。例えば、ニューヨーク州では4%の売上税を課していますが、食品の多くと医薬品は非課税です。その他、製造に使用する機械装置、慈善団体・宗教団体・連邦・州・地方自治体等に対する売上、定期刊行物などは多くの州で課税が免除されます。


II. 輸出にかかわる売上税の免除手続き
輸出商品の州税免除を受けるには、その商品が海外に確実に輸出されたことの証拠書類が必要です。輸出者は、郵便、国際宅配便、航空輸送または海上輸送等の輸送方法にかかわらず、すべての輸出関係書類のコピーを保管する必要があります。免税措置を受けるには、輸入者は再販売証明書(Resale CertificateもしくはCertificate of Exemption)を輸出者に提出します。

以下、ニューヨーク州を例に再販売証明書の利用方法を説明します。

  1. 輸入者はフォームST-120に必要事項を記入し、輸出者に提出します。輸入者が日本企業の場合、フォームST-120のPart2部分のみ記載し、Part1部分は利用しません。
  2. 輸出者は製品の引き渡し(Delivery)から90日以内に、輸入者からフォーム ST-120を入手します。フォームST-120は3年間保管することが義務付けられています。なお、州税務局に提出する必要はありません。

フォームST-120は、同州の税務当局(New York State, Department of Taxation & Finance)のウェブサイトでダウンロードできます。各州の税務当局(Department of TaxationもしくはDepartment of Revenue)が、有効な再販売証明書の様式を提供しています。また、半数以上の州では、税務関連政府機関であるMultistate Tax Commission が発行する共通の再販売証明書を利用できます。各州の税法は異なるため、手続きや要件の詳細は各州の税務当局のウェブサイトを参照ください。

 
III. エコノミック・ネクサス(Economic Nexus)
売上税の課税要件は上記1.の免税要件以外に、エコノミック・ネクサスという概念で決定されます。
州による州税の課税権の有無は州内の物理的拠点の有無で決まります。従って、州内に何らかの物理的拠点を保有しない事業者はその州での課税義務は発生しません。しかし、近年の財政難に伴い、各州は課税範囲の拡大のため、物理的拠点を保有しない事業者に対しても課税権を適用するエコノミック・ネクサス(Economic Nexus)という規定を導入し始めています。エコノミック・ネクサスは、事業者が物理的拠点を保有しないが、その州内で一定の経済活動を行った場合、課税する規定です。カリフォルニア州が2011年1月に導入した「ブライトライン・エコノミック・ネクサス(Bright-Line Economic Nexus Standard)」の例では、以下のケースが課税対象となります。

  1. 事業者がカリフォルニア州で設立された、またはカリフォルニア州を事業拠点としている場合
  2. 州内の売上が50万ドルを超える、または事業者の総売上の25%を超える場合
  3. 州内に保有する不動産および有形資産が50万ドルを超える、または事業者の総資産の25%を超える場合
  4. 州内で事業者が支払った給与額が5万ドルを超える、または給与総支払額の25%を超える場合


詳細は文末の参考資料・情報を参照ください。

関係機関
Multistate Tax Commission
ニューヨーク州税務・歳入局


参考資料・情報
ニューヨーク州税務・歳入局:
フォームST−120
Federation of Tax Administrators
Tax Foundation:
各州売上税率
Multistate Tax Commission:
共通の再販売証明書
カリフォルニア州:
General Information on New Rules for Doing Business in California (State of California, Franchise Tax Board)


調査時点:2013/10

記事番号: A-010114

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