輸出入者符号取得のメリット:日本

質問

通関業者から輸出入者符号の取得を勧められました。有料の「JASTPROコード」と税関が発行する無料の「税関発給コード」があると聞きましたが、両者の概要とメリットを教えてください。

回答

「JASTPROコード」および「税関発給コード」とは通関の迅速化を図るためのNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)で使用されるコードです。これらのコードをNACCSの輸出入申告書等の輸出入者符号の欄に入力して使用します。2017年10月のNACCS更改により、法人についてはこれらのコードに代えて社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)における「法人番号」を入力することになっています。

I. JASTPROコードについて

JASTPROコードとは、輸出入貨物の通関手続きをオンラインで処理するNACCSというシステムに使用される輸出入業務を行う当事者を特定するコードです。正式には「日本輸出入者標準コード」と言い、輸出入者コード、NACCSコードなどとも呼ばれています。発給は、一般財団法人 日本貿易関係手続簡素化協会(JASTPRO)が有料で行っています。詳細は、文末の参考情報の「標準コード登録の流れ」をご参照ください。2017年10月より法人についてはNACCSの輸出入者符号の欄にマイナンバー制度 の「法人番号」を入力することになっていますが、JASTPROで「紐付け登録」をすることで自動的に法人番号に変換されます。


II. 税関発給コードについて

税関発給コードは、上述のNACCSコードと基本的な役割は同じですが、輸出入者だけでなく、海外の仕向人、仕出人の登録もできることが特徴です。発給は、税関が無料で行っています。法人については2017年10月のNACCS更改でマイナンバー制度の「法人番号」を使用することになったことから2017年3月に新規発給申請が、同年5月に登録内容の変更申請の受付がそれぞれ停止されています。

III. コード番号取得のメリット

継続的な輸出入申告がある企業は、JASTPROコードまたは税関発給コードを取得することにより、以下のメリットが得られます。

  1. 取り扱い貨物の正確かつ迅速な処理手続き
  2. 口座振替による納税
  3. 輸入関税および消費税の納税について、銀行または保険会社からの担保提供を条件に、輸入時から3カ月まで納付期限の延長が可能
  4. 包括審査の適用
  5. 海上保険における包括保険の適用:海上保険料請求書(デビットノート)を省略し、契約の海上保険レートから換算した一定の数値にて通関が可能
  6. 輸入申告の簡易申告制度、輸出申告の特定輸出申告制度、包括評価申告制度などの利用

関係機関

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一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System, Inc.:NACCS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

JASTPRO:
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税関:
税関発給コード申請ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015/09
最終更新:2017/10

記事番号: A-000A51

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