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貨物海上保険で填補できない免責事由と危険回避の対処:日本

質問

貨物海上保険で填補できない免責事由には、どういうものがありますか。

回答

貨物海上保険で填補されない(保険金が支払われない)免責事由としては、以下のものがあります。 免責事由は2009年ロンドン協会貨物約款(Institute Cargo Clauses (A) (B) (C) (Air))、その他適用される特別約款により規定されています。

I. 被保険者の故意の違法行為による損害

被保険者が故意に貨物を害することによって結果的に保険金を得るのは違法行為であり、貨物海上保険は填補されません。

II. 通常の漏損、重量・容積の減少または自然の消耗による損害

コーヒー豆のように袋詰めにしたり、ばら積みした貨物は、重量が船積時と到着時で異なることがあります。また液体貨物では気化などで量が減ることがあります。これらの自然減耗は海上貨物保険では填補されません。

III. 貨物の梱包の不十分・不適切による損害

貨物の輸出梱包の不十分・不適切さが原因で生じた減失、損傷等、荷扱い中または輸送中の貨物の損害は貨物海上保険では填補されません。コンテナへの積付けも梱包の範囲に含まれます。ただし、保険適用期間開始後に被保険者または被雇用者以外の第三者が行う梱包については保険の填補を受けることができます。

IV. 貨物固有の瑕疵、性質による損害

貨物そのものが持つ欠陥である瑕疵や、本来の性質によるもの、輸送中に顕在化して破損、劣化、変質などの損害が出たもの、例えば、金属の自然錆や農産物の成熟腐敗などは貨物海上保険では填補されません。

V. 遅延による損害

積載船の遅延により生じる損害は、貨物海上保険では填補されません。

VI. 放射能汚染、化学兵器、生化学兵器および電磁兵器による損害

核燃料・核廃棄物、原子力設備、核兵器、放射能物資のもつ有害物質、化学兵器、生物兵器、生化学および電磁兵器などに起因する損害は海上貨物保険では填補されません。

VII. 船会社等の倒産による損害

船舶の所有者・管理者・用船者・運航者の支払い不能、金銭債務不履行により生じる損害。ただし、保険の目的物を船舶に積み込む時に、被保険者がそのような支払い不能または金銭債務不履行が、その航海の通常の遂行を妨げることになり得ると知っているか、または通常の業務上当然知っているべきである場合に限り填補されません。

これらの免責事項について、一定の保険条件を設定し割増保険料を支払うことで危険をカバーする場合もありますが、基本的には上記危険を想定して具体的に規格、梱包、数量、品質、船積時期などについて、それら危険が発生した場合の責任・補償の条項を輸出者と輸入者との間で取り決め、合意のうえ、輸出入契約上で危険回避を図ることをお勧めします。また、上記の危険のうち、第II、 IIIおよび IV 項では、サーベイヤー(海事検査人)などによる積地での船積前検査も有効な方法で、填補されない危険により生じたものでないことを立証できる場合もあります。

参考資料・情報

「外航貨物海上保険」2009年 ロンドン協会貨物約款対訳((財)損害保険事業総合研究所発行)
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調査時点:2012年9月
最終更新:2020年1月

記事番号: A-000A46

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