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特例輸入申告制度のメリット:日本

質問

特例輸入申告制度のメリットについて教えてください。

回答

特例輸入申告制度は、あらかじめ税関長の承認を受けた輸入者(特例輸入者)、または税関長の認定を受けた認定通関業者に委託した輸入者(特例委託輸入者)が輸入申告と納税申告を分離し、納税申告の前に貨物を引き取ることができる制度です。

I. 特例輸入申告制度の背景

2001年に米国で発生した同時多発テロ以降安全管理が強化される中、国際物流における貨物のセキュリティ管理と手続き効率化の両立は、国際物流における重要課題となっています。2006年に世界税関機構(WCO)の総会で認定事業(Authorized Economic Operator: AEO)制度のガイドラインが採択され、日本でも導入されました。法令遵守(コンプライアンス)が徹底されている事業者に対しては、税関が手続きの簡素化等の優遇措置を与え、それ以外の企業と区別する制度で、AEO制度と呼ばれます。日本ではAEO制度の導入にあたり、既に2001年3月に導入されていた輸入の特例である「簡易申告制度」を改め、内容をより簡素化する一方、適用条件に法令遵守の項目を加えた「特例輸入申告制度」と名を変えて、2007年より導入されました。

II. 特例輸入者の承認申請(関税法第7条の2)

特例輸入者は、法令遵守の優れた者として税関長の承認を受けた輸入者です。特例輸入者の承認を希望するには、「特例輸入者等承認・認定申請書(C-9000号)」に所要の事項を記載した上で、関係書類とともに税関に提出し、税関長の承認を受けます。どの税関でも申請できますが、原則として、主たる輸入業務を行っている事業所の所在地を管轄する税関の特例輸入申告制度担当部門に申請書を提出します。なお、承認を受けた輸入者(特例輸入者)は、全国の税関官署において、特例輸入申告制度を利用することができます。

III. 特例輸入者としての承認の要件(関税法第7条の5)

  1. 法令を遵守していること(過去の一定期間内に関税と国税に関する法令とそれ以外の法令に違反していないこと)
  2. 貨物の輸入に関する業務を適正に遂行するために、法令遵守規則を制定していること
  3. 特例申告にNACCSを使用して行うこと
  4. 暴力団員でないこと

IV. 特例委託輸入者

輸入者本人が特例輸入者でなくても法令遵守が優れていると認定された通関業者(認定通関業者)に依頼をすることにより、特例輸入申告制度を利用することができます。この時の輸入者のことを特例委託輸入者といいます。この場合は、輸入申告価格が20万円を超えるものについて、担保(保全担保)が必要です。

V. 特例輸入申告制度のメリット

特例輸入申告制度のメリットは以下のとおりです。これらのメリットにより輸入貨物の一層の迅速かつ円滑な引き取りが可能になります(関税法第7条の2)。

  1. 貨物が本邦に到着する前に通関手続が完了する
  2. 輸入申告時の申告項目が削減される
  3. 輸入申告時に納税のための審査・検査が基本的に省略され、通関に要する時間を計算できることとなり、在庫管理が一層容易となる
  4. 保全のため必要と認められる場合を除き、担保の提供を行うことなく納税申告を後日に行うことができる
  5. 納税申告を後日まとめて行うことができる

VI. 特例輸入申告制度を利用する場合の担保の提供

特例輸入申告制度を利用して輸入申告を行う際には、関税等の保全のために必要と認められた場合、担保の提供が必要となります。この場合に提供する担保を「保全担保」といいます(関税法第7条の8、関税法施行令第4条の11、関税法基本通達7の8-1)。

下記の場合は原則として保全担保の提供が必要です。

  1. 過去1年間において、過少申告加算税又は無申告加算税を課された場合
  2. 過去1年間において、期限後特例申告を行った場合
  3. 直近の決算(四半期決算を含む。)時における流動比率が100%を下回り、かつ、自己資本比率が30%を下回っている場合

関係機関

関係法令

  • 関税法

参考資料・情報

税関:
AEO制度(概要、申請様式雛型等、事業者一覧、改正状況等)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
特例輸入申告制度の概要およびメリット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
特例輸入者等承認・認定申請書(C-9000)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(64KB)

調査時点:2014年9月
最終更新:2017年9月

記事番号: A-000A41

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