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パソコン輸出における手続き:日本

質問

パソコンを輸出する場合の手続きについて教えてください。

回答

「外国為替及び外国貿易法」は、国際的な平和および安全の維持を妨げるような特定の種類の貨物(以下、「特定貨物」)の輸出や特定の技術を提供する場合、輸出者はそれぞれ経済産業大臣の輸出許可(第48条)(以下、「輸出許可」)や役務取引の許可(第25条)を受けねばならないと規定しています。輸出するパソコンが許可を要する特定貨物に該当するかどうかは、輸出貿易管理令(以下「輸出令」)の別表第1に1の項から15の項で規制されている貨物「リスト規制」と、16の項の補完的輸出規制(以下、「キャッチオール規制」)を確認します。

I. リスト規制

  1. 特定貨物の該非検討
    1. パソコン自体は、輸出令別表第1の8の項の「電子計算機もしくはその附属装置またはこれらの部分品であって、経済産業省令で定める仕様のもの」の範疇に入ります(政省令ではコンピュータに電子計算機という用語を用いています)。 規制仕様については、貨物等省令の第7条に規定されています。市販パソコンと貨物等省令の規制仕様とを照合すると、普通は要輸出許可には該当しません。「加重最高性能(APP)が29実効テラ演算(WT)を超えるもの」は規制該当ですが、通常のパソコンが29WTを超えることはありません。
    2. パソコンに搭載されている、無線LAN暗号装置が問題になることがあります。暗号装置は、輸出令別表第1の9の項(通信関係)にある(7)「暗号装置またはその部分品」に該当し、貨物等省令の第8条第九号に規制仕様が詳細規定されています。そのうちの1つに「対称アルゴリズムの鍵の長さが56ビットを超えるもの」と規定されています。通常のパソコンに搭載されている暗号装置は通常56ビット超ですので、要輸出許可に該当します。ただし、市販パソコンに内蔵の暗号装置は、使用者によって暗号機能の変更が不可で、使用に際し供給者の技術支援は不要な設計になっていますので、貨物等省令第8条第九号タに該当し、輸出許可は不要となります。なお、従来の輸出令第4条1項第六号(暗号特例規定)は、2012年8月1日施行の輸出令等改正で削除され、当該省令第8条第九号タが追記されました。
  2. 特定技術の該非検討
    1. コンピュータ関連技術については、主に「外為令」別表の8の項で、規制仕様は貨物等省令の第20条に規定されています。市販パソコンでは、当該規制仕様には該当しません。
    2. 一般的に、外為令の技術関係規制は貨物令別表に掲げる該当貨物、または該当貨物とは関係のない貨物の「設計、製造または使用に係る技術」を規制しています。貨物等省令の第20条等でコンピュ―タやプログラムの設計、製造または使用にかかわる規制仕様が多岐にわたってあげられていますので、高性能のコンピュータ技術等に関係する輸出企業は一読されることをお勧めします。一例として、外為令別表4の項(ミサイル)の(3)には、「ロケットまたは無人航空機搭載用の電子計算機の使用に係る技術」が該当技術としてあがっています(政省令ではソフトウェアにプログラムという用語を用いています)。
  3. 該非判定作業と該非証明書
    1. 新品または中古品にかかわらず、輸出しようとしているパソコンの仕様と「貨物等省令」の規制仕様とを照合して、経済産業省へ輸出許可の申請を要する貨物に「該当」するか「非該当」か、を判定(以下、「該非判定」)します。この該非判定を証する書類(以下、「該非証明書」)は、パラメータ・シート(規制仕様の詳細チェックリスト)または簡易タイプである該非判定書となりますが、パソコン・メーカーのウェブサイトから申請すれば、約7営業日で発行してもらえます。申請書の一般的な記載事項は、製品名、型名、製造番号に加えて、仕向け国名、輸出先企業名、用途(使用目的)です。
    2. 該非証明書の用途としては、経済産業省へ輸出許可申請をする場合に通常添付するほかに、輸出通関時に税関から提示を求められることが最近は多くなっています。
    3. 一時出国者が本人使用で携帯するパソコン(暗号機能内蔵可)で、持ち帰るものについては、無償告示の2号に該当する特例での輸出許可不要となります。この特例の場合は、税関で該非証明書の提示を求められることは原則ありません。
    4. パソコン輸出では、該非証明書を輸出企業が作成せず、メーカーから入手したものを使用することが多いですが、輸出企業は輸出責任がありますので、輸出者等遵守基準により社内選定された「該非確認責任者」が確認を行うことが義務づけられています。仕様が同じパソコンを繰り返し輸出する場合には、過去に実施した該非判定を利用できますが、安全保障輸出管理関係の法令は改正頻度が多いので最新の法令適用に留意ください。

II. キャッチオール規制

従来からの「大量破壊兵器キャッチオール規制」と、新たに2008年11月1日施行で追加導入された「通常兵器キャッチオール規制」のいずれでも、パソコンは規制対象品目です。ホワイト国(輸出令別表第3の米、英、仏、独、韓などの輸出管理徹底国27カ国)以外の国・地域向けにパソコンを輸出する場合、経済産業大臣への輸出許可申請が必要となるケースは、以下のとおりです。

  1. 経済産業大臣から許可申請すべき旨の通知(インフォーム)を受けた場合(インフォーム要件)
  2. パソコンの輸出に関する契約書もしくは輸出者が入手した文書または輸出先からの連絡で、次の事実が明らかになっているとき(大量破壊兵器CA、客観要件)
    1. 輸出するパソコンが次のいずれかの目的に用いられる(用途要件)
      1. 核兵器等(核兵器、軍用の化学製剤、細菌製剤またはこれらの散布のための装置、これらを運搬することのできるロケット・無人航空機、以下同じ)の開発等(開発、製造、使用または貯蔵、以下同じ)。
      2. 核燃料物質・核原料物質の開発等、核融合の研究、原子炉またはその部分品・附属装置の開発など、重水の製造、核燃料物質・核原料物質の加工・再処理。
      3. 軍・国防機関(その委託先を含む)が行う化学物質の開発・製造、微生物・毒素の開発など、ロケット・無人航空機の開発など、宇宙の研究(天文学関係を除く)。
    2. 輸出先が核兵器などの開発などを行う、または行ったことがある(需要者要件)
    3. 経済産業省発行懸念需要者リストに該当する(需要者要件、「外国 ユーザーリスト」による判断)
  3. 「国連武器禁輸国・地域」(輸出令別表第3の2に掲げるイラク、北朝鮮、アフガニスタンなどの11カ国・地域)向けで、通常兵器の開発、製造または使用のために用いられる。(通常兵器CA、用途要件)

III. 米国の再輸出規制

パソコンは、米国製のソフトウェアや組込み部品が使われ、大半のものが米国法に基づく再輸出規制対象品に該当します。対象パソコンを、米国政府の定める輸出規制国(キューバ、北朝鮮、イラン、スーダン、シリア)へ輸出する場合には、輸出者が米国政府の許可を取得する必要があります。詳細は、下部米国輸出管理規則(EAR)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認するか、または、米国大使館商務部へご相談ください。

IV. 特定技術の国外持出し規制

2009年11月1日に施行された外国為替及び外国貿易法の第25条の改正に伴い、外為法で規制されている特定技術を国外へ持ち出すこと自体が新たに規制の対象となっています。特定技術をパソコンやUSBメモリに格納して国外へ持ち出す際は、経済産業大臣の役務取引許可を必要とする場合がありますので留意して下さい。

V. 輸出先国の規制

パソコンを輸出する場合は、輸入国側の規制にも留意することが肝要です。EU諸国では、消費者の健康と安全そして環境保護のEU指令に適合したCEマーキングを貼付していないと販売できません。パソコンに関係するEU指令は、電磁波環境両立性指令(EMC指令)、低電圧指令(LV指令)、特定有害物質使用制限指令(RoHS指令)、廃電気・電子機器指令(WEEE指令) 、エネルギー使用製品の環境配慮設計要求統合指令(EuP指令)です。

関係機関

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理課外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
CISTEC 該非判定支援サービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国大使館商務部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

外国為替及び外国貿易法(外為法)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出貿易管理令(輸出令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
外国為替令(外為令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出貿易管理令別表第1および外国為替令別表の規定に基づき貨物または技術を定める省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
貿易関係貿易外取引等に関する省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出貿易管理令の運用について(PDF)PDFファイル(408KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(PDF)PDFファイル(289KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

「安全保障貿易管理関連貨物・技術リスト及び関係法令集 改訂第22版」(日本機械輸出組合発行)
米国産業安全保障局:
米国輸出管理規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点: 2012年11月
最終更新: 2019年12月

記事番号: A-000941

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