木製梱包材の消毒処理:オーストラリア向け輸出

質問

オーストラリア向け貨物の木製梱包材の燻蒸処理について教えてください。

回答

オーストラリアでは、病害虫が輸入貨物の梱包材に付着して国内に侵入することを予防するため、海外から輸入される貨物の木製梱包材に燻蒸などの消毒処理を義務付けています。消毒処理は「植物検疫措置に関する国際基準No.15(ISPM No.15)」に沿った処理のほか、オーストラリアが独自に規定する消毒処理もあります。対象となる梱包材・木製コンテナの詳細はオーストラリア農業・水資源省(DAWR)のBiosecurity Import Conditions System(BICON)で検索できます。国際基準No.15については、貿易・投資相談Q&A「 木材梱包材の燻蒸処理外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照してください。

I. 認可梱包材(permitted package materials)

適切な処理を施して作られた再生木材、ベニヤ、木製・竹製ラミネートのみで構成される梱包材については消毒処理の必要はありません。適切な処理とは木・竹材を粉砕、煮沸またはスチーム、剥皮または上貼り、キルン乾燥を指します。

II. オーストラリア独自の消毒基準

オーストラリアは独自に熱処理や燻蒸処理などの基準を規定しています。船積前に行う場合は、輸出国内のオーストラリア政府公認処理施設に依頼します。オーストラリアで通関前に処理することも可能です。それぞれの処理方法詳細は BICON外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照ください。

  1. 臭化メチル燻蒸処理
  2. フッ化スルフリル燻蒸処理
  3. エチレンオキシド薫蒸処理
  4. 熱処理(木材の中心温度を摂氏56度とし30分以上保持)
  5. 熱処理(Kiln Drying/釜炉乾燥)
  6. ガンマ線照射
  7. 防腐剤処理

熱処理、臭化メチル燻蒸処理、フッ化スルフリル燻蒸処理、エチレンオキシド薫蒸処理が行なわれた場合は、処理後21日以内にコンテナに積み込みます。臭化メチル燻蒸処理、フッ化スルフリル燻蒸処理、エチレンオキシド薫蒸処理、防腐剤処理は梱包材に表面コーティングする前に実施します。通関時に上記の消毒処理が不充分であると判断された場合には、オーストラリア農業・水資源省(DAWR)が認可するオーストラリア国内の処理施設で再消毒、再輸出、あるいは破壊処理されます。

III. 消毒処理に関する書類について

上記IIの基準に沿って消毒処理されたことを証明するため、次の書類をDAWRへ提出します。
書式はDAWRのウェブサイトのAcceptable documentation templates(受け入れ可能な申請書式) をご参照下さい。

  1. 非商品関連書類(Non-commodity documentation)
    商品そのものではなく梱包材についての書類が必要です。梱包材の原材料(木材)、衛生処理の有無(cleanliness)などについて記載します。わら、ピート、干し草、もみ殻などは梱包用にも使用が禁止されており(unacceptable packing material statement)、これら禁止物質を使用していないことを表明することが求められます。
  2. 消毒処理証明書(Treatment Certificates)
    施した消毒処理の種類と内容詳細、対象数量、処理が行われた日付などとともに消毒処理を行った業者名を記載します。

IV. 航空貨物の場合

航空貨物の場合は通常、木材梱包材を使用しないため、上記のような手続きには該当しませんが、DAWRは航空貨物についても抜き打ち検査を行っています。航空貨物でも特別に木材梱包材を使用する場合は、国際基準No.15またはオーストラリアの独自の規定に従って処理します。

参考資料・情報

梱包材に対するオーストラリア政府の規制について
Non-commodity Information Requirements Policy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
申請書式(Acceptable documentation templates)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016/09
最終更新:2018/02

記事番号: A-000934

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