米国の貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 2025年の実質GDP成長率は2.1%。前年から減速も、個人消費とAI関連投資は堅調。
  • 関税引き上げを見越した在庫積み増しの動きも寄与し、財貿易赤字は過去最大。
  • IEEPA関税の違憲判決後も、トランプ政権は関税を中核とする通商政策を継続。
  • 日本からの輸入は、追加関税の対象となった自動車・同部品で大きく減少。

公開日:2026年7月23日

※対内・対外直接投資動向は、統計公開後に追加更新予定。

マクロ経済

AI関連投資と高所得者層の消費が成長を下支え

2025年の米国の実質GDP成長率は2.1%と、前年の2.8%から減速したものの、1.8%程度とされる潜在成長率をやや上回る成長を維持した(表1参照)。トランプ政権の高関税政策や厳格な移民政策などによる悪影響が懸念された中でも、高所得者層の消費や人工知能(AI)ブームに伴う投資が成長を下支えし、内需(政府支出、純輸出、在庫投資などを除いた民間国内最終需要)の伸びは、第1四半期が前期比(年率換算)1.9%、第2四半期と第3四半期が2.9%、第4四半期が1.8%と1年を通じて底堅く推移した。

需要項目別に見ると、個人消費支出は2.6%増と堅調だった。株高による資産増加の恩恵を受ける高所得者層が消費を牽引した。一方で、低・中所得者層はインフレによる購買力の低下に直面している。米国経済は「K字型」の二極化の状況にあるといわれ、この傾向は2025年に一層強まったとされる。設備投資(4.1%増)は、データセンターや電力、情報処理機器、ソフトウエアといったAI関連投資が押し上げに寄与した。一方、住宅投資は2.2%減と、住宅価格や住宅ローン金利の高止まりが重石となり低調だった。輸出入は、関税引き上げを見越した駆け込み輸入が第1四半期のマイナス成長の要因となるなど、関税措置の導入に伴い振れ幅の激しい1年となった。政府支出については、10~11月に史上最長となる43日間続いた政府閉鎖が第4四半期の成長を下押しした。

表1 米国の需要項目別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)〔注〕季節調整済み、四半期の伸び率は前期比年率。
項目 2023年 2024年 2025年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 2.9 2.8 2.1 △ 0.6 3.8 4.4 0.5
個人消費支出 2.6 2.9 2.6 0.6 2.5 3.5 1.9
1.7 2.8 3.2 0.2 2.2 3.0 0.3
耐久消費財 3.8 3.9 3.6 △ 3.4 2.3 1.6 0.1
非耐久消費財 0.6 2.3 3.0 2.2 2.2 3.9 0.4
サービス 3.0 3.0 2.3 0.8 2.6 3.6 2.7
民間投資 0.8 3.0 1.9 23.3 △ 13.8 0.0 2.3
設備投資 7.3 2.9 4.1 9.5 7.3 3.2 2.4
住宅投資 △ 7.8 3.2 △ 2.2 △ 1.0 △ 5.1 △ 7.1 △ 1.7
財・サービスの輸出 2.8 3.6 1.6 0.2 △ 1.8 9.6 △ 3.2
財・サービスの輸入 △ 0.9 5.8 2.7 38.0 △ 29.3 △ 4.4 △ 1.0
政府最終消費支出・粗投資 3.5 3.8 1.1 △ 1.0 △ 0.1 2.2 △ 5.6

〔注〕季節調整済み、四半期の伸び率は前期比年率。

〔出所〕米国商務省経済分析局

労働市場は需給両面で縮小均衡、FRBは追加利下げに慎重

2025年の労働市場は減速しつつも、極端な悪化はみられなかった。非農業部門の新規雇用者数(3カ月移動平均)は12月に前月比3万9,000人減と3カ月連続で減少した。ただし、これは政府閉鎖が主な要因で、民間部門に顕著な鈍化はみられなかった。失業率は1月の4.0%から11月の4.5%へと緩やかに上昇したが、12月は4.4%に低下した。労働需給を見ると、供給側ではトランプ政権による不法移民対策の強化が外国人労働者の減少を招いた。一方、需要側では通商政策などに起因する先行き不透明感から、企業は新規雇用に消極的になった。こうした需給の縮小均衡が、失業率の安定につながったとみられる。

インフレ率は年末に近づくにつれ、上昇基調に一服感がみられた。消費者物価指数(CPI)の上昇率(前年同月比)は2025年1月の3.0%から12月には2.7%に低下した。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も同様に3.3%から2.6%に伸びが縮まった。4月の相互関税の導入後、玩具や家電、衣類など輸入依存度の高い品目で上昇がみられたが、物価全体への関税引き上げの影響は緩やかだった。この要因としては、企業が関税引き上げ前に在庫を積み増して価格転嫁を先送りしたり、関税コストの一部を自社で吸収したりしたことが挙げられる。また、関税の適用除外制度によって実際の関税負担が低く抑えられた可能性もある。議会予算局(CBO)の分析によると、2025年11月時点で、2024年の輸入額ベースで4割程度が第2次トランプ政権下で発動された関税措置の対象外となっていた。

連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利の誘導目標を2025年7月の連邦公開市場委員会(FOMC)まで5会合連続で4.25~4.50%で据え置いた後、9~12月に3会合連続で3.50~3.75%まで引き下げた。政策金利の引き下げは、物価上昇リスクよりも労働市場の下振れリスクを重視した決定だったが、FRBのジェローム・パウエル議長(当時)は12月の会合後、政策金利は中立金利の推計値の範囲内に収まっているとして、追加利下げには慎重な姿勢を示した。

製造業雇用は減少続くも、鉱工業生産はプラスに転じる

米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は、通商政策の目標の1つとして「GDPに占める製造業のシェア拡大」を掲げた。しかし、2025年の同シェアは9.4%と前年の9.8%から縮小し、製造業の雇用者数も2025年は1,263万2,000人と前年比1.2%減少した。一方、トランプ政権は製造業における賃金上昇や生産性の向上などを関税政策の成果として挙げている。例えば、製造業の労働生産性(時間当たりの生産量)は、2025年に前年比1.9%上昇し、前年の伸び(0.3%)を大きく上回った。また、FRBが発表している鉱工業生産指数をみても、製造業〔北米産業分類システム(NAICS)ベース〕は2025年に1.0%上昇と、2022年以来3年ぶりのプラスを記録し、生産活動の活発化が読み取れる。

ただ、これらの短期的な経済指標から関税政策の効果を明確に評価するのは難しい。GDPに占める製造業のシェアは、サービス産業の拡大に代表される経済構造の変化により、商務省のデータを遡れる1997年以降、ほぼ一貫して低下し続けており、高関税の導入によってすぐに巻き戻せるものではない。また、AI特需や2025年7月に成立した「大きく美しい1つの法案法(OBBBA)」に基づく税制優遇措置は幅広い産業にとって追い風になっており、生産活動の向上は関税による国内生産回帰だけが理由ではない。トランプ政権が貿易相手国・地域と合意した企業投資の実現にも時間がかかるため、政策の効果を見極めるためには中長期的に製造部門の関連指標を見ていく必要がある。

通商政策

関税を中核とする通商政策

2025年1月に発足した第2次トランプ政権は、「米国第一主義」の下、関税を通商政策の中核的手段として位置付け、世界各国・地域を対象とする相互関税をはじめ、関税措置を相次いで発動した。その目的は、貿易赤字削減に加え、国家安全保障、外交交渉手段、製造業の国内回帰や国内産業の保護、歳入の確保、さらには不法移民や違法薬物の流入対策に至るまで多岐に及ぶ。

米国シンクタンクのタックス・ファウンデーションによれば、2025年2月から2026年2月までの1年間で実施された関税措置の変更回数は50回を超え、米国の貿易量加重平均関税率は2.8%から21.0%の範囲で大きく変動し、2026年4月時点では11.7%となっている。GATTおよびWTO体制の下で、米国が長年にわたり関税の引き下げを通じて自由貿易体制を主導してきたことを踏まえると、第2次トランプ政権は関税を軸に米国の外交・通商政策を再構築したと言える。第1次トランプ政権下でも、中国に対する追加関税や、鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税などは発動されてきたが、全世界・全品目を対象とする広範な関税措置が実施された例はなかった。

もっとも、米国憲法上、関税賦課の権限は連邦議会に帰属する。ドナルド・トランプ大統領は、議会が特定の状況や条件の下で政権に関税賦課の権限を移譲した法律を根拠に、関税を発動してきた。主な法的根拠は、(1)国際緊急経済権限法(IEEPA)、(2)1974年通商法122条、(3)1974年通商法301条、(4)1962年通商拡大法232条の4つだ。

(1)国際緊急経済権限法(以下、IEEPA)
IEEPAは、2025年2月以降の中国、メキシコ、カナダに対する追加関税(「フェンタニル関税」、10~35%)や、同年4月の「解放の日(Liberation Day)」以降に日本を含む世界各国・地域を対象として発動された追加関税(「相互関税」、10~41%)の法的根拠として用いられた。また、同年8月以降のブラジル(40%)やインド(25%)に対する追加関税もIEEPAに基づく。ただし、連邦最高裁判所は2026年2月に、IEEPAが大統領に関税賦課権限を付与していないとしてIEEPA関税を違法と判断した。これを受けてIEEPA関税の適用は停止され、同年4月に還付申請の受付が開始され、還付が進んでいる。
(2)1974年通商法122条(以下、122条)
IEEPA関税の停止を受け、トランプ政権は代替措置として、122条を活用した。2026年2月から、日本を含む世界各国・地域に対して一律10%の課徴金(関税)が適用されている。122条関税の適用期間は同法上150日間が上限とされており、2026年7月末に期限を迎える。
(3)1974年通商法301条(以下、301条)
301条に基づく措置では、2025年10月以降に中国製船舶の米国港湾入港時のサービス料金徴収措置および中国製港湾荷役機械に対する100%の追加関税措置が導入された。ただし、同月に韓国・釜山で開催されたトランプ大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談での合意を受け、これらの措置は同年11月以降、2026年11月まで停止された。一方で、2026年3月には日本を含む世界60カ国・地域を対象として301条措置の要否を判断するための新たな調査が開始された。122条関税の期限後には、その代替措置として301条に基づく追加関税などの輸入制限措置が導入される可能性がある。
(4)1962年通商拡大法232条(以下、232条)
232条に基づく措置では、鉄鋼・アルミニウム(関税率15~50%)、銅(25~50%)、自動車・同部品(25%)、中・大型トラック・同部品(25%)、木材・製材(10~25%)、半導体(25%)、医薬品(100%)に対する追加関税などが発動された。また、航空機・同部品、ポリシリコン、無人航空機、風力タービン・同部品、個人用防護具(PPE)・医療消耗品・医療機器、ロボティクス・産業機械についても、232条措置の要否を判断するための調査が進められており、将来的に追加関税が導入される可能性がある。

司法判断後も維持される関税政策

2026年2月の最高裁判決は、トランプ政権の関税政策に対し一定の法的制約を課した。IEEPAは大統領に対して「輸入を規制する」権限を認めているものの、「関税を賦課する」権限は条文上明示されていない。加えて最高裁は、関税など経済的・政治的に影響力の大きい権限については、議会による明示的な権限委譲を必要とする「重大問題法理(Major Question Doctrine)」に基づき、同法を根拠とした関税賦課は認められないと結論付けた。 これを受けてトランプ大統領は判決当日にIEEPA関税の撤回を命じる大統領布告を発出し、適用を停止した。2026年4月からは、約1,660億ドルの関税の還付申請の受付も開始され、5月末時点で半分超の約850億ドルの還付が予定されている。

もっとも、法的な争点はIEEPAにとどまらない。122条関税についても、米国企業・団体や24州が政権を提訴しており、第1審の米国国際貿易裁判所(CIT)は2026年5月に一部原告に対して122条関税の停止および還付を認めた。政権は控訴しているが、今後の司法判断次第では122条関税についても、IEEPA関税と同様に全面的な停止や還付が認められる可能性もある。

トランプ政権の関税措置には経済面・政治面の双方からの逆風も強まっている。ニューヨーク連邦準備銀行(2026年2月公表)および欧州中央銀行(2026年3月公表)の分析によれば、米国の関税措置の経済的コストの約9割は米国の企業や国民が負担している。さらに、米国調査会社ピュー・リサーチ・センターの世論調査(2026年2月公表)では、6割超の回答者がトランプ政権の関税政策について否定的な評価を示した。議会においても、2026年2月に下院がカナダに対する35%のフェンタニル関税の無効を求める決議を可決した。2026年11月の中間選挙を控え、物価や生活コストへの影響が懸念されるトランプ政権の関税政策に対して、議会は従来よりも慎重な姿勢を強めつつある。

それでもなお、注目すべきはトランプ政権の関税政策そのものが後退していない点だ。IEEPA関税は撤回されたものの、政権は直ちに122条関税へ移行した。さらに301条調査も開始されており、122条措置の適用期限後を見据えた代替措置の準備が進められている。法的根拠は変化しても、関税を活用する通商政策の方針自体に変化はみられない。従って、今後も米国の関税水準は第2次トランプ政権発足以前と比較して、高い水準で維持される可能性が高い。

ディール型通商政策と2国間関係の変容

トランプ政権は関税を単なる輸入制限措置ではなく、相手から「ディール(取引)」を引き出すための外交交渉における圧力手段としても積極的に活用している。具体的には、トランプ政権はこれまでに、日本、EU、英国、韓国、台湾、東南アジア諸国、中南米諸国など19カ国・地域と「相互貿易協定(ART)」や枠組みの合意を発表している。合意の内容は、各国・地域によりさまざまだが、米国による関税率の引き下げや、相手国・地域による対米関税・非関税障壁の見直しにとどまらないものが多い(表2参照)。多くの合意では、重要鉱物など戦略分野におけるサプライチェーンの強靭(きょうじん)化、輸出管理や輸入規制などを含む経済安全保障政策における連携、労働・環境分野での取り組みなど、幅広い政策課題が盛り込まれている。すなわち、トランプ政権は関税をてこに、関税や市場アクセスのみならず、相手国・地域の産業政策や経済安全保障政策を含む広範な分野において、米国第一主義との適合を志向していると言える。

ただし、こうした合意が成立した後も、米国と各国・地域との摩擦が完全に解消されたわけではない。例えば、米国とEUは2025年7月、米国はEUに対する相互関税および自動車・同部品、医薬品、半導体、木材に対する232条関税について15%を上限とする一方、EUは米国産品に対する関税の撤廃や引き下げを進めることなどで合意した。しかし、トランプ大統領は2026年1月にグリーンランドの領有問題を巡ってデンマークを含む欧州8カ国に対して10~25%の追加関税発動を示唆したほか、EUによる関税の撤廃や引き下げ履行の遅滞を理由に、同年5月には自動車・同部品に対する232条関税を15%から25%引き上げる可能性に言及するなど、軋轢(あつれき)は継続している。また、IEEPA関税を巡る最高裁判決は、合意の法的有効性に対する懸念も生じさせた。例えば、マレーシアでは投資貿易産業相が合意について「無効」との見解を示しており(ただし、正式な破棄・終了の発表は2026年5月末時点で未確認)、米国の裁判結果が通商関係にも波及している。

表2 米国と各国・地域との主な合意項目(〇:合意あり、-:合意文書等に言及なし)〔注〕2026年3月時点
国・地域 相互関税率 232条関税の変更 非関税障壁 デジタル貿易 経済安保 国営企業関連 米国産品購入 対米投資 労働 環境
日本 15%
韓国 15%
台湾 15%
インドネシア 19%
ベトナム 20%
カンボジア 19%
マレーシア 19%
タイ 19%
インド 25%
バングラデシュ 19%
英国 10%
EU 15%
スイス 15%
リヒテンシュタイン 15%
北マケドニア 15%
アルゼンチン 10%
エクアドル 15%
エルサルバドル 10%
グアテマラ 10%

〔注〕2026年3月時点

〔出所〕米国政府発表資料、外交問題評議会(CFR)分析を基にジェトロ作成

米国とARTに合意したこれらの国・地域とは対照的に、中国は対抗措置を講じた。米国が2025年2月以降にフェンタニル関税、同年4月以降に相互関税を発動したのに対し、中国も報復関税で対抗した。これに米国がさらに報復関税を発動する応酬が繰り返され、一時は米国のフェンタニル関税と相互関税の合計が145%に達した。その後、同年5月以降に実施された2国間協議を通じて緊張は徐々に緩和され、同年10月の米中首脳会談では貿易戦争の事実上の「停戦」に合意した。フェンタニル関税と相互関税の合計は20%に引き下げられたほか、前述の301条に基づく入港料金措置や、輸出管理規則(EAR)適用対象をエンティティー・リスト(EL)などへの掲載事業体が50%以上所有する事業体に拡大する措置(「関連事業体ルール」)についても、2026年11月まで一時停止されている。もっとも、一時停止は米中対立の終結を意味するものではない。むしろ、急速なエスカレーションを回避するための管理措置と位置付ける方が適切であり、両国間の戦略的競争は継続している。

さらに、トランプ政権は新たな2国間協定の締結だけでなく、既存の自由貿易協定の見直しも進めている。その最大の焦点が、2026年7月に実施される米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の2032年以降の延長を協議する「共同見直し」のプロセスだ。米国は、貿易赤字の削減や製造業の国内回帰を重視する立場から、隣国のカナダやメキシコに対しても例外的な扱いを認めない姿勢を示している。このため、単純な協定延長で合意する可能性は低い。今後の交渉では、自動車をはじめとする原産地規則の厳格化が主要な論点になるとみられている。

日米関係は関税交渉から戦略分野での投資協力へ

日本に関しては、日米両国は2025年7月に米国の関税措置などに関する合意に達した。関税分野では、日本に対する相互関税および自動車・同部品に対する232条関税について、15%を基準に「ノー・スタッキング・ルール」が導入された。具体的には、一般関税率が15%未満の場合には一般関税率と相互関税率の合計を15%とし、一般関税率が15%以上の場合には相互関税や232条関税を追加的に課さないことが定められた。また、半導体や医薬品に対する232条関税についても、日本に対する関税率は「他国に劣後しない」待遇とすることが定められた。

また、米国の関税措置の低減と同時に、日米両国は5,500億ドルの対米投資イニシアチブの創設に合意した。半導体、医薬品、金属、重要鉱物、造船、エネルギー、人工知能(AI)・量子コンピューティングなどの戦略分野において、日本は政府系金融機関を通じて投資・融資・融資保証を提供し、米国は連邦政府所有地のリースや電気・水道などインフラ整備支援を提供することとなった。投資案件の選定は、日米両国による「協議委員会(Consultation Committee)」での協議を踏まえ、米商務長官を委員長とする「投資委員会(Investment Committee)」が推薦し、最終的に大統領が決定する仕組みとなっている。2026年5月までに6件のプロジェクトが発表されており、天然ガス火力発電施設、小型モジュール炉(SMR)、米国産原油輸出インフラ、人工ダイヤモンド製造施設などが選定されている。

また、日米両国では重要鉱物など分野別の協力も進展している。2025年10月の日米首脳会談で、先端技術協力、重要鉱物供給確保、造船協力に関する複数の覚書が発表された。さらに2026年3月の首脳会談では、重要鉱物供給確保に関する行動計画や、南鳥島周辺海域のレアアース泥を含む海洋鉱物資源開発に関する協力文書が公表されている。

2026年2月のIEEPA関税に対する最高裁判決後も、日米両政府は2025年7月の合意を引き続き履行する方針を確認している。従って、今後も、対日関税措置や対米投資協力の枠組みは維持される可能性が高い。日米関係においては、米国の関税措置に関する交渉の段階を終えて、投資イニシアチブや重要鉱物など経済安全保障分野における長期的な政策協力が主要な軸となりつつある。

重要鉱物と先端半導体を巡る競争の激化

米中対立の激化に伴い、関税以外の通商措置も重要性を増している。その代表例が重要鉱物を巡る競争だ。中国は報復措置の一環として重要鉱物・レアアースの輸出管理を強化した。これにより、米国では自動車メーカーのフォードが永久磁石の供給不足を理由としてシカゴの工場の操業を一時停止するなど、サプライチェーンへの影響が顕在化した。こうした状況を受け、米国は中国への依存度を低減するため、重要鉱物の採掘、加工、精製、回収・再利用に至るサプライチェーン全体の再構築を進めている。その特徴は、米国が単独ではなく、同盟国・同志国との連携を通じて供給網を構築しようとしている点にある。トランプ政権はこれまでに、日本のほか、EU、メキシコ、アルゼンチン、クック諸島、エクアドル、ギニア、モロッコ、パラグアイ、ペルー、フィリピン、アラブ首長国連邦(UAE)、英国、ウズベキスタン、マレーシア、タイ、オーストラリア、インド、アルメニアなどと個別に重要鉱物供給確保に向けて連携する覚書や合意を発表している。

さらに、2国間協力に加え、多国間枠組みの形成も進められている。2025年6月のG7サミットでは、「G7重要鉱物行動計画」が採択されたほか、同年7月にはクアッド(日本、米国、オーストラリア、インド)4カ国で「重要鉱物イニシアチブ」の立ち上げを発表した。また、同年12月には、半導体製造に使用されるシリカなどの供給網構築を目的とする「パックス・シリカ」が発足し、これまでに米国や日本を含めた16カ国・地域が参加している。さらに、2026年2月には、55カ国・地域が参加する重要鉱物閣僚会議を主催し、重要鉱物供給確保に関する新たな多国間協力枠組みである「資源の戦略地政学的関与に関するフォーラム(FORGE)」が創設された。

対照的に、中国に対する技術的優位性を維持する観点から、米国は先端半導体分野における輸出管理を一段と強化している。2025年には、半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices)の半導体や、半導体設計ソフト大手のケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)、シノプシス(Synopsys)、シーメンス(Siemens)のソフトに対して、輸出許可(ライセンス)の取得要件が新たに設けられるなど、特定の企業や製品を対象に輸出管理を厳格化してきた。また、同年9月にELなどへの掲載事業体が50%以上所有する事業体にEARの適用を拡大する「関連事業体ルール」が導入された(2026年11月まで一時停止中)。さらに、議会でも2026年4月、米国と同盟国との半導体製造装置の輸出管理を連携させることを目的とした超党派法案(MATCH法案)が上下両院で提出された。

このように、重要鉱物分野では供給網の再構築を通じた「デリスキング」が進められる一方、先端半導体分野では輸出管理や投資規制を通じた「デカップリング」が進められている。手段や強度に違いがあるものの、中国への戦略的依存を低減するという政策目標は一貫している。

米国通商政策の新常態

関税措置については、依然として訴訟や追加措置の可能性が存在し、不確実性は高い。しかし、IEEPA関税が122条関税へ置き換えられた事例が示すように、トランプ政権は法的根拠を変更しながらも高関税政策を維持する姿勢を崩していない。また、第1次トランプ政権下で導入された301条対中関税や232条鉄鋼・アルミニウム関税が、バイデン政権下においても全面的には撤廃されなかったことを踏まえれば、高関税政策はポスト・トランプの政権でも一定程度継続する可能性が高い。総じてみれば2025年は、米国の通商政策が自由貿易体制の下で形成された関税低減や市場開放を前提とする時代から、高関税措置と重要産業分野に対する経済安全保障措置を前提とする新たな通商環境への移行が本格化した年となった。

貿易

輸出入ともに増加、貿易赤字はやや増加

米国商務省が2026年3月に発表した、2025年の貿易統計(国際収支ベース)によると、米国の財貿易は輸出入ともに増加した。輸出は前年比5.7%増の2兆1,975億ドル、輸入は4.3%増の3兆4,384億ドル、貿易赤字額は2.1%増の1兆2,409億ドルとなった。

通関ベースで2025年の財輸出を見ると、前年比5.7%増の2兆1,785億ドルとなった。財別では宝石・貴金属(構成比6.9%)が倍増し、未加工の金(HSコード7108項)が前年の2.7倍、金属製のその他の製品(7115項)が18.7倍に増加した。その他、一般機械(13.0%)が11.5%と高い伸びを示し、コンピュータおよびアクセサリー(8471項)、機械部品・附属品(8473項)がともに約5割増加した。航空機・同部品(7.5%)も21.8%増と好調だった。一方、自動車・同部品(6.0%)は10.3%減少し、中でも乗用車(8703項、11.5%減)や貨物自動車(8704項、20.3%減)の減少が目立った。

表3 米国の主要品目別輸出入〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値、-は該当なし)〔注〕季節調整済み、伸び率は前年比。
品目 HSコード 輸出(FAS:船側渡し価格) 輸入(Customs Value:課税価格)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
食肉 02 22,640 21,308 1.0 △ 5.9 15,008 17,790 0.5 18.5
穀物 10 24,089 27,806 1.3 15.4 3,118 2,984 0.1 △ 4.3
鉱物性燃料 27 319,476 308,911 14.2 △ 3.3 241,038 206,337 6.0 △ 14.4
原油 2709 118,923 100,346 4.6 △ 15.6 167,705 140,265 4.1 △ 16.4
燃料油 2710 117,007 108,104 5.0 △ 7.6 56,997 47,188 1.4 △ 17.2
天然ガス 2711 62,262 80,943 3.7 30.0 8,874 11,748 0.3 32.4
プラスチック製品 39 80,366 77,665 3.6 △ 3.4 73,522 69,326 2.0 △ 5.7
医薬用品 30 94,468 97,825 4.5 3.6 211,798 213,075 6.2 0.6
一般機械 84 254,296 283,610 13.0 11.5 521,219 653,965 19.2 25.5
民間航空機エンジン 8407 8,013 9,217 0.4 15.0 11,760 12,108 0.4 3.0
コンピュータおよびアクセサリー 8471 40,201 61,178 2.8 52.2 140,257 251,026 7.3 79.0
機械部品・附属品 8473 24,022 35,756 1.6 48.9 54,387 88,910 2.6 63.5
機械類及び電気機器 85 215,111 226,089 10.4 5.1 477,238 504,962 14.8 5.8
スマートフォン 8517 39,113 47,148 2.2 20.5 113,657 142,141 4.2 25.1
通信機器 8525~8527 7,117 6,978 0.3 △ 2.0 19,669 18,199 0.5 △ 7.5
半導体 8541 6,914 6,935 0.3 0.3 22,581 14,710 0.4 △ 34.9
電気機器 8543 5,972 6,427 0.3 7.6 16,698 17,492 0.5 4.8
自動車・同部品等 87 146,601 131,445 6.0 △ 10.3 385,647 332,024 9.7 △ 13.9
乗用車 8703 60,450 53,495 2.5 △ 11.5 217,047 181,111 5.5 △ 16.6
貨物自動車 8704 21,906 17,465 0.8 △ 20.3 47,503 41,501 1.3 △ 12.6
航空機・同部品 88 134,973 164,326 7.5 21.8 35,127 33,401 1.0 △ 4.9
光学機器・医療機器 90 106,656 106,326 4.9 △ 0.3 122,784 124,048 3.6 1.0
医療機器 9018 36,924 36,969 1.7 0.1 40,851 44,006 1.3 7.7
繊維衣料品・日用品 61~64 10,120 9,607 0.4 △ 5.1 124,524 119,909 3.5 △ 3.7
宝石・貴金属 71 74,062 149,334 6.9 101.6 89,070 153,805 4.5 72.7
未加工の金 7108 29,661 80,583 3.7 171.7 15,944 30,182 0.9 89.3
金属製のその他の製品 7115 1,153 21,501 1.0 1,765.1 21,225 77,629 2.3 265.8
家具・家庭用品等 94 9,871 9,406 0.4 △ 4.7 66,978 61,164 1.8 △ 8.7
玩具・ゲーム・スポーツ用品 95 7,103 6,710 0.3 △ 5.5 40,979 35,083 1.0 △ 14.4
その他 561,859 558,121 25.6 △ 0.7 858,360 887,874 26.0 3.4
合計 2,061,691 2,178,489 100.0 5.7 3,266,410 3,415,747 100.0 4.6

〔注〕季節調整済み、伸び率は前年比。

〔出所〕米国商務省統計から作成

中国向け輸出が大幅に減少

財輸出を国・地域別で見ると、1位のメキシコ(構成比15.5%、3,380億ドル)は前年比1.2%増と微増だった。2位のカナダ(15.1%、3,298億ドル)は5.8%減、3位の中国(4.9%、1,063億ドル)が25.8%減と大きく落ち込み、全体を押し下げた。1位のメキシコはコンピュータおよびアクセサリー(2.8倍)、機械部品・附属品(56.2%増)が増加した一方、乗用車(14.0%減)、貨物自動車(29.4%減)は不振だった。2位のカナダは乗用車(24.5%減)、貨物自動車(23.1%減)の減少が下押しした。3位の中国は、航空機・エンジン・部品(37.3%増)は伸びたが、乗用車(53.9%減)、銅くず(7404項、76.8%減)がともに大幅減となった。4位の英国(4.5%、970億ドル)は22.0%増加した。未加工の金が倍近く、金属製その他の製品が70倍以上に伸び、全体を押し上げた。5位のオランダ(4.4%、956億ドル)は8.4%増だった。国・地域別でもっとも伸長したのは8位のスイス(3.3%、717億ドル)で前年の2.9倍だった。未加工の金が前年の5倍近く伸びたことが要因だ。日本(3.8%、821億ドル)は7位で3.9%増だった。

EU(構成比19.0%、4,144億ドル)は前年比12.1%増で、イタリア(35.0%増)、オランダ(8.4%増)、ドイツ(9.7%増)が全体を押し上げた。品目別では、航空機・エンジン・部品(27.4%増)、ホルモンおよびその誘導体(2937項、96.8%増)、血液・ワクチン(3002項、15.7%増)、包装済み医薬品(3004項、30.7%増)が好調だった。

中国からのIT関連品の輸入減をメキシコ、ベトナムなどが代替

2025年の財輸入(通関ベース)は、前年比4.6%増の3兆4,157億ドルとなった。財別では、一般機械(構成比19.2%)が25.5%増と全体を押し上げ、中でもコンピュータおよびアクセサリーが79.0%増だった。宝石・貴金属(4.5%、72.7%増)も増加要因となり、未加工の金が89.3%増、金属製のその他の製品が3.7倍に伸びた。他方で、鉱物性燃料(6.0%、14.4%減)と自動車・同部品(9.7%、13.9%減)はともに落ち込み、原油(2709項)が16.4%、乗用車が16.6%、それぞれ減少した。

財輸入を国・地域別で見ると、1位のメキシコ(構成比15.7%、5,349億ドル)は前年比5.8%増、2位のカナダ(11.2%、3,830億ドル)は7.0%減だった。3位の中国(9.0%、3,084億ドル)が29.7%減と大きく落ち込んだ。1位のメキシコはコンピュータおよびアクセサリー(2.1倍)が伸びたが、乗用車(10.7%減)、貨物自動車(8.1%減)が減少した。2位のカナダも乗用車(11.1%減)、貨物自動車(21.5%減)の減少が響いた。3位の中国はコンピュータおよびアクセサリーが前年比で7割減、スマートフォン(8517項)が4割減と大きく落ち込んだ。4位の台湾(5.9%、2,014億ドル)は73.3%増で輸入全体の最大の押し上げ要因となった。5位のベトナム(5.7%、1,938億ドル)も42.0%増と大きく伸び、全体を押し上げた。台湾は、コンピュータおよびアクセサリーが3倍以上、ベトナムは、コンピュータおよびアクセサリー、機械部品・附属品、スマートフォンが全て倍以上伸びた。対中関税の影響で減少した中国からのコンピュータおよびアクセサリーの輸入を主にメキシコや台湾からの輸入で代替し、スマートフォンの輸入の減少をベトナムやインドが代替したとみられる。インドからのスマートフォンの輸入は2.8倍となった。

8位のアイルランド(構成比3.9%、1,335億ドル)は前年比29.3%増で、ホルモンおよびその誘導体が3.7倍と全体を押し上げた。10位のスイス(3.1%、1,060億ドル)も67.4%増と高い伸びを示した。未加工の金、金属製のその他の製品がともに4倍以上伸びた。日本(4.3%、1,460億ドル)は7位で1.6%減だった。

EU(18.5%、6,332億ドル)は、アイルランドの伸びが貢献し4.5%増だった。品目別では、ホルモンおよびその誘導体が3.6倍で、最大の押し上げ要因となった。

表4 米国の国・地域別輸出入〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 輸出(FAS:船側渡し価格) 輸入(Customs Value:課税価格)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
北米
USMCA 683,988 667,770 30.7 △ 2.4 917,446 917,864 26.9 0.1
カナダ 349,908 329,801 15.1 △ 5.8 411,887 382,960 11.2 △ 7.0
メキシコ 334,032 337,960 15.5 1.2 505,523 534,874 15.7 5.8
欧州
EU 369,789 414,428 19.0 12.1 605,663 633,179 18.5 4.5
オランダ 88,223 95,643 4.4 8.4 34,055 34,945 1.0 2.6
ドイツ 75,724 83,062 3.8 9.7 160,380 156,108 4.6 △ 2.7
フランス 43,548 50,028 2.3 14.9 59,783 68,149 2.0 14.0
イタリア 32,357 43,668 2.0 35.0 76,344 74,421 2.2 △ 2.5
ベルギー 34,201 36,405 1.7 6.5 27,787 27,257 0.8 △ 1.9
アイルランド 16,760 19,336 0.9 15.4 103,281 133,537 3.9 29.3
英国 79,532 97,009 4.5 22.0 68,168 64,789 1.9 △ 5.0
スイス 25,043 71,694 3.3 186.3 63,326 105,998 3.1 67.4
アジア
中国 143,227 106,308 4.9 △ 25.8 438,742 308,380 9.0 △ 29.7
日本 78,978 82,067 3.8 3.9 148,371 145,950 4.3 △ 1.6
韓国 65,586 68,806 3.2 4.9 131,553 125,222 3.7 △ 4.8
台湾 42,537 54,666 2.5 28.5 116,255 201,423 5.9 73.3
インド 41,537 45,608 2.1 9.8 87,338 103,824 3.0 18.9
シンガポール 45,039 41,655 1.9 △ 7.5 43,184 38,102 1.1 △ 11.8
香港 27,884 33,673 1.6 20.8 5,948 5,131 0.2 △ 13.7
マレーシア 27,635 28,867 1.3 4.5 52,488 59,657 1.7 13.7
タイ 17,858 19,484 0.9 9.1 63,350 91,340 2.7 44.2
ベトナム 13,044 15,657 0.7 20.0 136,501 193,840 5.7 42.0
インドネシア 10,159 11,026 0.5 8.5 28,052 34,742 1.0 23.9
フィリピン 9,245 9,147 0.4 △ 1.1 14,162 17,766 0.5 25.5
オーストラリア 34,583 33,697 1.6 △ 2.6 16,669 29,117 0.9 74.7
中南米
ブラジル 49,136 54,384 2.5 10.7 42,348 39,938 1.2 △ 5.7
コロンビア 18,695 19,394 0.9 3.7 17,865 17,814 0.5 △ 0.3
チリ 18,232 19,121 0.9 4.9 16,423 18,957 0.6 15.4
中東
トルコ 15,376 20,399 0.9 32.7 16,750 16,412 0.5 △ 2.0
アラブ首長国連邦(UAE) 27,028 31,415 1.4 16.2 7,411 7,606 0.2 2.6
アフリカ 32,375 40,419 1.9 24.9 39,582 43,017 1.3 8.7
合計(その他含む) 2,061,691 2,178,489 100.0 5.7 3,266,410 3,415,747 100.0 4.6

〔出所〕米国商務省統計から作成

対日関係

輸入がわずかに減少し、貿易赤字が縮小

2025年の対日貿易は、輸出が前年比3.9 %増の821億ドル、輸入が1.6%減の1,460億ドルだった。この結果、対日貿易赤字は7.9%減の639億ドルと縮小した。

輸出では、医薬品(構成比8.7%、71億ドル)が血液・ワクチン(HSコード3002項)を中心に減少したが、航空機・同部品(7.9%、65億ドル)や電気機器(6.0%、49億ドル)、穀物(5.3%、44億ドル)が好調で、全体の押し上げ要因となった。電気機器ではテレビなどの部品(8529項)やスマートフォン(8517項)、穀物はとうもろこし(1005項)が増加した。

輸入は、電気機器(構成比15.3%、224億ドル)の増加が全体を押し上げたが、自動車・同部品(30.9%、451億ドル)や一般機械(22.4%、326億ドル)は減少した。電気機器では、コンデンサー(8532項)、変圧器(8504項)が増加し、自動車・同部品では乗用車(8703項)、一般機械では建設機械(8429項)が不振だった。

表5 米国の対日主要品目別輸出入〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 HSコード 輸出(FAS:船側渡し価格) 輸入(Custom value:課税価格)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
食肉 02 3,128 2,877 3.5 △ 8.0 75 100 0.1 32.4
穀物 10 3,614 4,366 5.3 20.8 16 20 0.0 27.0
鉱物性燃料 27 11,914 12,524 15.3 5.1 498 480 0.3 △ 3.7
有機化学品 29 2,825 2,394 2.9 △ 15.3 1,464 1,386 0.9 △ 5.3
医薬品 30 8,409 7,117 8.7 △ 15.4 7,476 7,201 4.9 △ 3.7
各種の化学工業製品 38 2,067 2,384 2.9 15.3 3,205 3,133 2.1 △ 2.3
プラスチック製品 39 1,857 1,869 2.3 0.7 2,565 2,671 1.8 4.1
ゴム・その製品 40 200 258 0.3 29.1 2,364 2,459 1.7 4.0
宝石・貴金属 71 1,653 1,777 2.2 7.5 293 1,758 1.2 501.0
鉄鋼製品 73 441 456 0.6 3.4 1,724 1,471 1.0 △ 14.7
一般機械 84 7,946 8,212 10.0 3.4 35,219 32,646 22.4 △ 7.3
電気機器 85 4,488 4,897 6.0 9.1 18,832 22,370 15.3 18.8
自動車・同部品等 87 1,394 1,626 2.0 16.7 50,340 45,088 30.9 △ 10.4
航空機・同部品 88 6,097 6,478 7.9 6.2 1,602 1,928 1.3 20.3
光学機器・医療機器 90 7,064 7,155 8.7 1.3 7,068 6,979 4.8 △ 1.2
合計(その他含む) 78,978 82,067 100.0 3.9 148,371 145,950 100.0 △ 1.6

〔出所〕米国商務省統計から作成

基礎的経済指標

(△はマイナス値) 〔注〕 貿易収支:国際収支ベース(財のみ) 2025年の1人当たりGDP、貿易収支、経常収支、外貨準備高、対外債務残高は推定値。 失業率:連邦政府閉鎖に伴い、2025年10月のデータは欠損。
項目 単位 2023年 2024年 2025年
実質GDP成長率 (%) 2.9 2.8 2.1
1人当たりGDP (米ドル) 82,536 86,173 89,991
消費者物価上昇率 (%) 3.4 2.9 2.7
失業率 (%) 3.6 4.0 4.3
貿易収支 (100万米ドル) △ 1,057,495 △ 1,215,403 △ 1,240,816
経常収支 (100万米ドル) △ 928,002 △ 1,185,301 △ 1,116,010
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 234,111 227,760 243,272
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 54,438,934 62,258,823 70,494,244
為替レート (1米ドルにつき、円、期中平均) 140.49 151.37 149.66

〔注〕
貿易収支:国際収支ベース(財のみ)
2025年の1人当たりGDP、貿易収支、経常収支、外貨準備高、対外債務残高は推定値。
失業率:連邦政府閉鎖に伴い、2025年10月のデータは欠損。

〔出所〕
実質GDP成長率、貿易収支、経常収支、対外債務残高(グロス):米国商務省
1人当たりGDP、外貨準備高(グロス)、為替レート:IMF
消費者物価上昇率、失業率:米国労働省