日本からの輸出に関する制度

調味料の輸入規制、輸入手続き

サウジアラビアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2025年6月

サウジアラビア政府は、2017年11月に東京電力福島第一原子力発電所事故の発生に伴う日本産食品の輸入規制を撤廃しています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2025年6月

日本から調味料を輸入するための、輸出者側での施設登録/輸出事業者登録などは、現時点では必要ありません。

サウジアラビア向け輸出に際し、輸出者側で準備する書類は次のとおりです。

  • インボイス
  • 梱包明細書
  • 原産地証明書
  • 船荷証券(Bill of Landing : B/L)
  • その他インコタームズに応じた必要書類(CIFの場合は保険証明書)

詳細は、関連リンクのサウジアラビア食品医薬品庁(SFDA)「サウジアラビア王国への食品輸入に関する条件および要件」(英語)の7ページも参照してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2025年6月

日本から調味料を輸出する場合は、動植物検疫は必要ありません。

サウジアラビアの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2025年6月

調味料は、GSO(湾岸協力会議標準化機構)(法規則・基準名)において規格が定められています。

サウジアラビアは、湾岸協力会議(GCC)の標準化機構であるGSO(Gulf Cooperation Council Standardization Organization:湾岸協力会議標準化機構)が発行する規格(技術規則)を採用しています。GSO規格は、GSOスタンダードストアのウェブサイトから購入が可能です。

調味料のGSO規格
調味料のGSO規格(例) サウジアラビアの現行規格
しょうゆ GSO 2557:2021 Soy sauce
ケチャップ GSO 2199:2021 Preserved tomato products – Ketchup
ソース GSO 2198:2021
たれ GSO 2198:2021
みそ GSO 2212:2023 Fermented Soybean Paste
マヨネーズ GSO 1316:2021 Mayonnaise
ドレッシング GSO 2198:2021
みりん風調味料 GSO 2198:2021
だし(顆粒) GSO 270:2021
GSO 1974:2009 Vinegar

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2025年6月

サウジアラビアでは、コーデックス規格を採用し、サウジアラビア食品医薬品庁(SFDA)の発行規格「SFDA.FD / GSO 382:2021農産物および食品中の農薬の最大残留許容量(Maximum Limits of Pesticide Residues in Agricultural and Food Products)」で、食品の残留農薬の最大許容量について規定しています。規格は、湾岸協力会議標準化機構(GSO)スタンダードストアのウェブサイトから購入が可能(有料)です。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2025年6月

調味料は、重金属・汚染物質・微生物などの規制の対象となります。

サウジアラビアでは、重金属と汚染物質に関する基準としてGSO規則を採用し、「GSO FD 193:2021 食品中の汚染物質・毒素」に準拠しています。また、微生物に関する基準としてもGSO規則を採用し、「GSO1016:2015微生物の規制について」に準拠しています。規格は、GSOスタンダードストアのウェブサイトから購入が可能(有料)です。

4. 食品添加物

調査時点:2025年6月

調味料は食品添加物規制の対象であり、サウジアラビアでは使用が許可されている添加物についてポジティブリスト制が導入されています。このポジティブリストは湾岸協力会議(GCC)の技術規則であるGSO 2500:2022によって定められていますが、GSOの規格に記載されていない添加物については、国際的な基準であるFAO(国際連合食糧農業機関)によるCODEX STAN 193が補完的な基準として用いられています。これらの規則および最新情報は、サウジアラビア食品医薬品庁(SFDA)の公式ウェブサイトで確認が可能です。
GSOはGCC加盟国共通の標準や技術規則を策定する組織であり、サウジアラビアを含む加盟国はこれを基に国内規制を整備しています。一方で、SFDAはサウジアラビア国内においてGSO規格に基づく食品安全規制の施行と管理を管轄しています。国際基準であるCODEXもGSO規格の補完として重要な役割を担っているため、両者を意識した包括的な確認が求められます。
また、甘味料は、GSO840:1997「食品に使用が許可されている甘味料の測定法」の基準を参照してください。添加物としてアルコールの使用は認められていません。(「7.その他」を参照)

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2025年6月

サウジアラビアでは、食品用の容器・包装に関する規制は「GSO 839:2021食品包装‐パート1:一般的要件(Food packages-Part 1: General requirements)」と、サウジアラビア標準化公団(SASO:Saudi Standards, Metrology and Quality Organization)が発行している食品の包装・ラベルに関する基準に準じます。

その他、プラスチックを使用する場合は「GSO1863:2021 食品の包装に使用されるプラスチックパッケージの要件と仕様」が適用されます。

規格は、GSOスタンダードストアのウェブサイトから購入が可能です(有料)。

6. ラベル表示

調査時点:2025年6月

日本から輸入する調味料は、GSO規格である「GSO9:2022 包装食品のラベル表示(Labeling of prepackaged food stuffs)」により次の項目を、英語またはアラビア語で表示することが求められます(消費者向け表示はアラビア語必須)。ただし、消費者への直接販売を意図していない、レストラン、病院、配給施設、原材料として食事の調理サービスに使用される(業務用の)場合は、GSO9:2022上の消費者向けラベル表示義務の一部が免除される場合があります。規格は、GSOスタンダードストアのウェブサイトから購入が可能(有料)です。

  • 製品名
    • 原材料一覧:(重量降順)複合成分が製品の5%未満を構成する場合、その構成成分の表示は省略可。(例外:アレルギーを引き起こす成分<アレルゲン>や、最終製品中で技術的機能を持つ食品添加物)
    • アレルゲン表示の対象
      • グルテンを含む穀物(小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、スペルト小麦、またはそのハイブリッド株、およびそれらの製品)、甲殻類およびその製品、卵および卵製品、魚および魚製品、ピーナツ、大豆および大豆製品、ナッツ類およびその製品、乳および乳製品(乳糖を含む)、二酸化硫黄および亜硫酸塩(消費準備完了製品中の濃度が10 ppmを超える場合)、セロリおよびセロリを使用した製品、マスタードおよびマスタードを使用した製品、ごま種子およびごま種子を使用した製品、タコやイカなど軟体動物および軟体動物を使用した製品、ルピナスおよびルピナスを使用した製品。
    • 食品またはその原材料のいずれかに動物性成分が含まれる場合は、その動物名を記載。
  • 栄養成分
    • 添加物:特定の技術的機能を果たすのに十分な量、または相当量が移行する食品添加物については、その旨を記載。(例外:技術的機能を達成するために必要な割合よりも低い割合でほかの食品に移行する食品添加物、および調理工程を補助する物質は除外)
    • エネルギー量:100グラム当たり、100ミリリットル当たり、または1パックに1食分(1パックに1個)が入っている場合は1パック当たりのキロカロリーで表示。情報は、ラベルに表示されている量に従って食品1食分ごとに、またはパック内の1個当たり(パック内の個数を表示)で表示。
    • タンパク質、炭水化物、および脂質の量:100グラム当たり、100ミリリットル当たり、または1パックに1食分(1パックに1個)が入っている場合は1パック当たり(グラム)で表示。情報は、ラベルに表示されている量に従って食品1食分ごとに、またはパック内の1個当たり(パック内の個数を表示)で表示。
    • ビタミンおよびミネラルの数値:100グラム当たり、100ミリリットル当たり、または1パックに1個が入っている場合は1パック当たり(メートル法)で表示。情報は、ラベルに表示されている量に従って食品の1食分ごとに、またはパック内の1個ごとに、(パックに含まれる個数を明記)で表示。
    • ラベル上のすべての情報について、1日の必要量に対する熱量や各成分の含有量をパーセンテージで表示しなければならない。
    • 炭水化物の種類を明確にする場合は、炭水化物の総成分を次のように表示。
      • 「炭水化物……G、糖類……G」
      • 上記の後に(x)……Gを付記することができる。(x)はその他の炭水化物成分の名称を示す。
    • 脂肪酸の量や種類、およびコレステロールの量は、総脂質含有量の表示に続いて、GSO 2233:2025 項目3.4.4に従って直接記載する必要があります。各栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)について、カロリーへの換算値をラベル下部に任意で追加可。
    • 一般的な成人が1日に必要なエネルギー量とされる2,000キロカロリーの食事に基づく1日あたりの各栄養素の摂取量の割合を計算し、「1日あたりの摂取量の割合は2,000キロカロリーの食事に基づいています」という文言を追加。栄養成分表示の下部には、1食分あたりの栄養素の1日あたりの必要量の割合を記載。
    • 栄養素の量が微量で無視できると考えられる場合、「0」と表示可。あるいは、「微量の栄養素……が含まれています」と表示可。
    • 栄養素は、表形式で数値を記載。(表に情報を記入するのに十分なスペースがない場合は、縦の線(リニア形式)で記載可)
    • 栄養素などの表示基準は、所轄官庁が定める順序で記載。
    • フォント:フォントの種類、パターン、最小サイズを考慮。(「エネルギー量」および「1食分量」のフォントサイズは、太字を用いてこれらの情報を強調・拡大)
    • コントラスト:栄養成分表示の文字と背景の間に明確なコントラストを維持。
    • 補足栄養情報は製品ラベルに追加可。
    • 遺伝子組み換え原料(GMO)が含まれており、複数の原料で構成される製品の場合は、原料リストの中で、GMOを含む個々の原料の直後に、同じフォントサイズで、「(genetically modified)」または「(produced from genetically modified, [原料名])」とカッコ書きで表示しなければならない。表示の際には、ほかの原料名とは異なる色を使わなければならない。 カテゴリー名で表示される原料がある場合は、「植物油」や「コーンシロップ」といったカテゴリー名で原料が表示されている場合も、GMOが含まれていれば、その旨をリストに記載しなければならない。この場合、同じフォントサイズと異なる色で、「(contains genetically modified, [生物名])」または「(contains, [原料名], produced from genetically modified, [生物名])」と表示する。 製品に原料リストがない場合は、ラベルの分かりやすい場所に、「(genetically modified)」または「(produced from genetically modified, [生物名])」と表示しなければならない。
  • 正味重量と固形量
  • 製造者名と所在地住所(製造者名だけはアラビア語または英語の表記が求められる)(包装業者が製造業者でない場合)
  • 原産国
  • 消費期限
  • 保存方法
  • 使用方法
  • ロット番号(製造日が年月日で記載されている場合は任意)
  • 放射線照射済み食品である場合は、製品名の近くにその旨を記載

また、食品ラベルには、ハラール、製品の品質、またはオーガニック製品に関連する主張、シンボル、ロゴ、またはマークを正当な証拠なしに含めてはならないという規則があります。

【栄養表示に関する注意事項】

  • 特定の栄養または健康強調表示を適用する場合、国内法または国内食品要求事項に基づき「良好な栄養状態の維持に関連するその他の栄養素の量の宣言」が必須となります。
  • 飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、コレステロールおよびトランス脂肪酸の量や種類は、GSO 2233:2025項目1.2.4と7.4.4内の要求事項に従って申告をするものとします。これらは総脂質量(Total Fat)の直後に内訳として個別の含有量を示すことが求められ、併せてコレステロール量(mg単位)を明示する。表示例は“Total Fat 8g, of which Saturated 3g, Monounsaturated 2g, Polyunsaturated 1g, Trans 0g, Cholesterol 10mg” のように記載し、単位当たり(100gまたは100ml、もしくは1食分当たり)で示す。
  • 特定の国または地域の健康上または栄養上のニーズに基づいて、SFDAが追加を推奨したビタミンおよびミネラル、または製品の仕様で要件として記載されているビタミンおよびミネラルは表示する必要があります。

備考:栄養素等表示に関するガイドライン:GSO 2233:2025(有料、関連リンクから購入可能)の4.4.11を参照

7. その他

調査時点:2025年6月

食品中の残留アルコール

サウジアラビアでは、イスラーム教の戒律に従い、アルコール飲料や意図的にアルコールを添加した食品の輸入・流通は厳格に禁止されています。ただし、しょうゆや酢など、発酵過程で自然に発生するアルコールについては、GCC統一規格であるGSO 2538:2021「食品中のエチルアルコール(エタノール)残留物の最大許容量」により、食品の種類ごとに最大許容量が定められています。この基準値を超えるアルコールが検出された場合、製品は不適合とみなされます。 日本のしょうゆはソース類に分類され、0.3%以下(体積対重量比)であることが求められます。

調味料に微量の酵母などが混入し、輸送中の高温環境により発酵が進んで製品中のアルコール濃度が上昇するリスクがあります。特に夏季の輸送時には注意が必要です。

食品別アルコール残存許容濃度
No. 食品の種類 残留アルコール最大許容量
1 ぶどう酢 1% (容積比)
2 ぶどう酢を除くすべての種類の酢 0.5% (容積比)
3 すべての種類の漬物(ピクルス) 0.5% (容積比または重量比)
4 ネクターやカクテルを含む、すべての種類のジュース 0.2% (容積比)
5 すべての種類のフルーツドリンク 0.1% (容積比)
6 炭酸飲料およびエナジードリンク 0.05% (容積比)
7 すべての種類のソースとケチャップ、レディミール、野菜および果物から調理された食品 0.3% (重量比)
8 フレーバー付き飲料水 0.1% (容積比)
9 すべての種類の乳製品 0.2% (容積比または重量比)
10 肉、穀物、豆類、油脂、卵製品、魚介類、香辛料から作られた加工食品 0.05% (容積比または重量比)
11 タンパク質濃縮物、糖類、酵母、香料オイル、カカオ豆などの原材料 0.5% (重量比)
12 菓子、キャンディー、チョコレート 0.05% (重量比)
13 表中に記載されていないその他の食品 0.2% (容積比または重量比)