日本からの輸出に関する制度

茶の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する茶のHSコード

0902.10:緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る)
0902.20:その他の緑茶(発酵していないものに限る)

スイスの関税番号は、6桁の国際HSコードと、その下に2桁の下部分類番号の合計8桁で構成されます。さらにこの下に3桁の統計コードが続く場合があります。関税番号は、連邦財務省関税・国境警備局(英語:FOCBS)の関税番号目録または関税データベースTaresで確認することができます。

関連リンク

スイス内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2025年1月

スイスは、輸入品に対する関税を、関税法(独語:ZG、仏語:LD)(SR 631.0)および関税率法(英語:CTA)(SR 632.10)によって規定しています。輸入関税を特定するには、関税番号を把握する必要があります。スイスの関税番号は、6桁のHSコード分類に加え、下2桁の下部分類を合わせた8桁で構成されます。その下に3桁の統計コードが続く場合があります。関税データベースTaresで関税番号と関税率の検索が可能です。

2009年9月から日本・スイス経済連携協定(JSFTEPA)が適用されていますが、緑茶に対する関税率は、通常でも非課税となります。なお、日本・スイス経済連携協定(JSFTEPA)の特恵関税の適用を受けるには、原産地証明書を提出する必要があります。原産地証明書の取得に関する詳細は、税関のウェブサイトで確認することができます。

緑茶が該当する関税番号と関税率
関税番号/品目 関税率(従量税)
通常 EPA適用
0902.1000 緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る) 非課税(0.00) 非課税(0.00)
0902.2000 その他の緑茶(発酵していないものに限る) 非課税(0.00) 非課税(0.00)

なお、輸入品は原則、総重量(商品の正味重量+包装、緩衝材などの風袋重量)100kg当たりを基準に課税されますが、包装や緩衝材によって十分な輸送保護が施されていない場合は、正味重量に風袋重量分を加算したうえで課税されます。茶の場合、風袋重量分の加算は、10%に設定されています。これについての詳細は、風袋重量政令(SR 632.13)で規定されています。

2. その他の税

調査時点:2025年1月

スイスへの輸入には、輸入関税に加え、付加価値税(VAT)が課されます。付加価値税法(英語:VAT Act)(SR 641.20)の改正により、付加価値税は2025年1月1日から税率が引き上げられました。標準税率は8.1%ですが、茶を含む食料品および飲料(アルコール飲料を除く)には、2.6%の軽減税率が適用されます。

3. その他

調査時点:2025年1月

なし

その他

調査時点:2025年1月

有機食品の認証と表示

有機食品を第三国からスイスに輸入し、販売するための規制は、有機政令(Organic Farming Ordinance)(SR 910.18)、有機農業に関する連邦経済・教育・研究省令(SR 910.181)、有機農業に関する連邦経済省農業局による省令(SR 910.184)により規定されています。日本から有機茶を有機表示してスイスに輸出する場合には、これらの定める要件を満たすと同時に、事前に認証の取得が必要です。

スイスは、有機食品の輸入時に、EUの電子認証システムであるTRACES(Trade Control and Expert System)システムを利用しており、第三国からの輸入には検査証明書(COI:Certificate of Inspection)の電子的な発行が必要となります。TRACESの利用は、2020年1月1日以降義務付けられました。検査証明書(COI)は、貨物を発送する前に、輸出国の登録認定機関または当局によって発行される必要があります。検査証明書は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語のいずれかで作成します。TRACESには、スイス側の企業が登録する必要があり、スイスの輸入者または最初の荷受人は、委託した認定機関から、詳細情報を取得することになります。

有機JASの同等性を利用して、スイスで有機食品として販売する場合

日本とスイスは有機食品の同等性を相互承認しており、有機JAS認証制度の同等性がスイスでも認められています。これにより、日本で生産加工され、JAS法に基づいて認証された有機農産物、有機畜産物と有機加工品は、登録認定機関による検査証明書を取得すれば、例えばドイツ語の場合「biologisch(オーガニック)」などと表示してスイスに輸入し販売することが可能となっています。有機加工食品の場合、食品の原材料は、日本産および日本が同等であると認めた国が原産のものに限られます。

スイスで有機同等性を認められた国と登録認定機関は、有機農業に関する連邦経済省農業局による省令(SR 910.184)の付属書1の国リストに挙げられており、このリストで日本を参照すると、スイスに登録された登録認定機関を確認することができます。また、これらの機関は、農林水産省の「有機農産物等の輸出に係る証明書を発行できる登録認証機関一覧」でも確認が可能です。なお、これらの認定機関の有効期限は2026年末に設定されているため、その後の変更にも注意が必要です。

有機JASの同等性を利用せずに、スイスで有機食品として販売する場合

2021年1月以降は、EUの欧州委員会規則(EC)2021/2325の付属書(Annex)IIに含まれるEUが認める第三国の登録認定機関で認証を受けたうえで、有機食品のスイスへの輸出が可能となっています。ここには、有機政令の付属書Iと同じ日本の認定機関も掲載されており、これらの機関からスイスの認証を得て、輸出を行うことも可能です。ただ、その有効期限も2026年末となっていますのであわせて注意が必要です。

ラベル表示について

スイスには国レベルで統一された有機認証マークはありません。民間の認証マークなどを表示する場合は、有機政令の定める要件を満たす必要があります。有機表示は、すべての公用語で次のように表示できるほか、慣習的な「Bio」や「Öko」といった表示も可能です(有機政令第2条)。

  • ドイツ語:biologisch, ökolgisch
  • フランス語:biologique
  • イタリア語:biologico
  • ロマンシュ語:biologic

また、ラベル表示には、認証を受けた認定機関のコード番号を記載する必要があります。認証コードの表示方法はEUと同様、日本の認定機関の場合は、「JP-BIO-数字3桁」のコードとなります。