日本からの輸出に関する制度 水産物の輸入規制、輸入手続き

ブラジルの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2024年1月

ブラジルの規定により、クロトガリザメ(水産・養殖省、環境省間訓令第8号・2014年11月6日付)、ハチワレ(水産・養殖省、環境省間訓令第5号・2011年4月15日付)、ヨゴレザメ(水産・養殖省、環境省間訓令第1号・2013年3月12日付)の捕獲、船内保持は禁止されているため、輸入できません。これはブラジルが水産資源の国際漁業管理機関の一つであり、主にマグロの管理をしている大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)に加盟していることによる措置です。その他のサメ、エイ、メロの場合は、ブラジル環境・再生可能天然資源院訓令第16号・2015年9月29日付などに記載されている管理手続きを行う必要があります。環境省省令第445号・2014年12月17日付には絶滅種など漁獲が禁止されている魚のリストが記載されています。

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、福島県産品に求められていた放射性物質検査証明書などは2018年8月21日で提出不要となりました(国家衛生監督庁理事会決議第245号・2018年8月17日付)。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2024年1月

ブラジルに水産食品を輸出するためにはブラジル農務省(MAPA)への施設登録、動物由来製品検査部(DIPOA - Departamento de Inspeção de Produtos de Origem Animal)の連邦検査部情報管理システム(PGA-SIGSIF)でのラベル・製品登録、衛生証明書の発行が必要です。PGA-SIGSIFへの登録、衛生証明書の発行に先立ち、施設の登録番号が必要になりますので、施設登録を最初に行うことになります(法律第1283号・1950年12月18日)。

1. 施設登録
ブラジル向け輸出水産食品を最終加工する施設については、ブラジル農務省(MAPA)への事前登録が求められます(法律第1283号・1950年12月18日)。水産食品の場合、この登録はDIPOAの技師の訪問審査は行われず、MAPAの認可のもと、日本の厚生労働省が行います(農務省訓令第35号・2018年9月25日)。
登録申請は、メーカー所在地を管轄する厚生労働省の地方厚生局を通じて行います。審査は、食品衛生法や地方条例による営業許可を受けている、食品衛生監視員による監視指導を受けている、HACCP に基づく衛生管理が行われている施設であることなどを条件に、書類審査で行われます。審査に合格後、厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課がブラジル農務省(MAPA)に認可の公開を要請します。その後、MAPAから認可施設番号が発行され、農林水産省のウェブサイト上で公開されます(農林水産省ブラジル向け輸出水産食品(食品衛生)の取扱要綱(2023年9月14日))。
同手続きは、従来は日本食品検査(JFIC)を通じても行われていましたが、2022年3月に同社はサービスを停止しました。
2. 製品の事前登録
水産食品あるいは水産食品が原料として含まれる製品は、動物由来の製品として事前にブラジル農務省(MAPA)動物由来製品検査部(DIPOA - Departamento de Inspeção de Produtos de Origem Animal)にラベル、製品についての詳しい情報を登録することが義務づけられています(政令第9013号・2017年3月29日付)。2017年1月18日から、登録はMAPAのシステム「PGA-SIGSIF」を通じてのオンライン登録のみになりました(農務省動物原産品検査課通達書・2017年第1号)。システムはすべてポルトガル語となっています。
この登録手続きはインポーターではなく、輸出側のメーカーによって行われますが、登録にあたりMAPAへの施設登録番号が要求されますので、それを最初に行う必要があります。
オンラインでの製品登録のプロセスの概要は次のようになっています(農務省通達第1号・2017年1月11日、農務省省令第558号・2022年3月30日)。
  • ユーザー登録
  • PGA-SIGSIF へアクセスするための登録(企業の定款、代表の個人情報が必要です)。
  • コンサルタントなど登録を代行する業者・個人の登録(委任状が必要です)

登録にあたり求められる主な書類、情報は次のとおりです。

  • 会社定款
  • 代表権のある役員の個人情報(パスポート)
  • コンサルタントなどへの委任状
  • MAPAによって発行された施設登録番号
  • ラベルに表示する商品名
  • カテゴリー(食肉、酪農製品、水産食品、卵・はちみつ)
  • 一般名(DIPOAで使われている製品名を選択)
  • 水産物の場合は学名
  • 原料の入手方法(漁獲、養殖)
  • 食用かどうか
  • 製品属性(選択式)
  • 使用されている成分(選択式)とその量その他
  • 使用されている添加物(選択式)とその量その他
  • 使用されている香料(選択式)とその量その他
  • 製造について(製造工程、品質管理、成分などについて詳しく記入)
  • ラベルの見本
  • パッケージについての情報
詳細は関連リンクの「ブラジル向け水産物輸出ガイドブック」および「ブラジル向け水産物輸出セミナー」を参照ください。
3. 衛生証明書発行
ブラジル向け水産食品は、衛生証明書が必要です(法律第1283号・1950年12月18日、農務省規則第34号・2018年9月25日。衛生証明書には、厚生労働省地方厚生局が発行する食品衛生証明(「ブラジル向け輸出水産食品(食品衛生)の取扱要綱・2023年9月1日」)と水産庁都道府県水産部局が発行する動物衛生証明(「農林水産省ブラジル向け輸出水産食品(動物衛生)の取扱要綱・2023年9月14日」)の2種類があり、それぞれの担当部署に発行を申請します。詳細については農林水産省のウェブサイト「中南米|証明書や施設認定の申請」を参照してください。
食品衛生証明は原材料の入手、製造工程など施設での衛生管理を、一方、動物衛生証明は原材料の入手元(漁獲か養殖か)や病気の感染がないことなどを証明するものです。
「農林水産省ブラジル向け輸出水産食品(動物衛生)」の衛生証明書が必要な品目として次のものがあげられています。
  • 天然由来の水産動物(エビおよび生きた動物を除く)およびその加工品
  • 天然または養殖由来の魚油
  • 養殖由来のマダラ属(GADUS)の粉末
  • 天然または養殖由来のパンダルス属(PANDALUS)のエビの粉末
  • 養殖由来のカキ殻の粉末
  • 養殖由来のキャビアおよび魚卵
  • 養殖由来の魚類(内臓を除去したものに限る。)およびその加工品

衛生証明書の取得にあたりメーカーは「品質確認者」(食品衛生責任者の資格を有する等、食品衛生の知識を有する者)を選任し、官能検査を行う必要があります。検査方法、報告書形式は農林水産省「ブラジル向け輸出水産食品(動物衛生)の取扱要綱・2023年9月14日」の別添2を参照してください。

食品衛生の証明書は、地方厚生局が検査の手順、結果を審査したうえで、製品に貼付してある品質表示ラベルの記載内容がブラジル政府向け品質表示ラベル登録申請と一致していることを確認して発行します。

同衛生証明書の発行にあたっては、次の書類が必要です。

  • インボイスの写し。
  • パッキングリストの写し。
  • 船荷証券(BL)または航空貨物運送状(AWB)の写し。
  • 製品に貼付する品質表示ラベルのブラジル政府への登録手続きが完了している旨を示す書類(登録されたラベルの写しを含む。)およびブラジル向け輸出水産食品に貼付された品質表示ラベル。

関連リンク

関係省庁
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ブラジル財務省(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ブラジル農務省(MAPA)(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
法律第1283号・1950年12月18日付(LEI Nº 1.283, DE 18 DE DEZEMBRO DE 1950)(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農務省規則第35号・2018年9月25日付(INSTRUÇÃO NORMATIVA MAPA Nº 35, DE 25 DE SETEMBRO DE 2018)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(154KB)
農務省規則第34号・2018年9月25日付(INSTRUÇÃO NORMATIVA MAPA Nº 34, DE 25 DE SETEMBRO DE 2018)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(349KB)
政令第9013号・2017年3月29日付)(DECRETO Nº 9.013, DE 29 DE MARÇO DE 2017)(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農牧食料供給省動物原産品検査課通達(2017年第1号)(Ofício-Circular nº 1-2017-DIPOA-SDA-SDA-MAPA)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(63KB)
農務省省令第558号・2022年3月30日付(PORTARIA SDA Nº 558, DE 30 DE MARÇO DE 2022)(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
農林水産省中南米 証明書や施設認定の申請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省ブラジル向け輸出水産食品(食品衛生)の取扱要綱PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(184KB)
MAPA動物由来製品輸入総合解説ページ(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
MAPA動物由来製品登録ガイドページ(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DIPOA動物由来製品登録システム(PGA-SIGSIF)(ポルトガル語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
MAPA漁獲魚および魚製品の輸入に関する公衆衛生の要件(REQUISITOS SANITÁRIOS DE SAÚDE PÚBLICA PARA IMPORTAÇÃO DE PESCADO E DERIVADOS ORIUNDOS DA PESCA EXTRATIVA(2018年2月)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(24KB)
PGA – SIGSIFへのユーザー登録マニュアル(管理者登録)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(987KB)
PGA – SIGSIFへのユーザー登録マニュアル(委託者登録など)(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.6MB)
PGA – SIGSIFへの製品登録マニュアル(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.7MB)
PGA – SIGSIFへの製品登録マニュアル(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.8MB)
ジェトロ ブラジル向け水産物輸出ガイドブック ―動物由来製品検査部(DIPOA)登録の手順―(2024年3月)
ジェトロ「ブラジル向け水産物輸出セミナー」(2024年8月)

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2024年1月

日本からブラジルに水産食品を輸出する場合は、ブラジル政府が自国と同等の基準を持つと認めている、衛生証明書が必要とされています。(農務省訓令第51号・2011年11月4日付、農務省規則第34号・2018年9月25日)。
輸入された水産食品について疑義が生じた場合は再検査となります。再検査は国際農畜産サーベイランス部(Vigiagro - Vigilância Agropecuária Internacional)が担当します。再検査で不適正が確認された製品、メーカーは輸入警告プログラム(RAI - Regime de Alerta de Importação)に登録され、原産国の保健当局に通知され、是正措置が求められます。
ブラジルでの水産食品の衛生関係の情報はMAPAの「食用動物由来製品の輸入要件」のページで国別、主な製品別に整理されています。