日本からの輸出に関する制度

青果物の輸入規制、輸入手続き

シンガポールの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年7月

1-1. シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目

青果物の輸入は、農食品・獣医庁(AVA)が所管する植物管理法および食品販売法により規制されています。植物管理法の付属法令である植物管理(生鮮果実・野菜の輸入・トランシップ)規則では、輸入される青果物が禁止された農薬を含まず、農薬または毒性化学物質の残留値が食品販売法の付属法令である食品規制(Food Regulations)第9付表で規定された最大残留基準値(MRL)またはコーデックス委員会(国際食品規格委員会)の勧告を超えない安全なものであることが求められています。また、植物管理法では、防疫上の理由で、中南米諸国からの青果物に対し、植物検疫証明書の取得を義務付けています。

1-2. 東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸出規制

シンガポール政府による輸入停止措置が取られている青果物は、次のとおりです。

  1. 福島県(全市町村)産の林産物(野生および栽培されたキノコ類、野生ベリーを含む)、
  2. 福島県南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の農産物

前述 2以外の福島県内の市町村の野菜・果物とその加工品については、政府作成の市町村ごとの産地証明書に加え、検査機関発行の放射性物質検査報告書を提出する必要があります。放射性物質検査報告書は、同一市町村・品目であれば、次回以降の輸出の際には、初回輸出時の写しを添付できます(写しは、3カ月間有効)。なお、輸入者は、出港日の前日までに、農食品・獣医庁に対し、「産地(市町村)」、「品目」、「到着地(港・空港)」、「到着予定日」、「輸入者名」を通知する必要があります。

茨城県、栃木県、群馬県の林産物(野生および栽培されたキノコ類、野生ベリーを含む)については、政府作成の放射性物質検査証明書が要求されています。また、野菜・果物とその加工品については、政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明)が要求されています。

上記以外の都道府県の野菜・果物とその加工品については、政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明)が要求されています。

シンガポール政府は、同国内でのサンプル検査で放射性物質が検出された場合は、当該商品の返送を求められます。

2. 動植物検疫の有無

調査時点:2017年1月

生鮮野菜・果実の輸入規制は、「植物管理法」で定められています。同法には、野菜・果実を含む植物全般の防疫について規定した「植物輸入規定」があります。

日本の野菜・果実をシンガポールに輸出する際には、日本の植物検疫証明書を取得する必要はありません。

3. 残留農薬規制

調査時点:2017年1月

シンガポールでは国内販売に供される食品全般の残留農薬をはじめ、残留抗生物質、残留エストロゲン、マイコトキシン、3-MCPD脂肪酸エステル、メラミン、細菌混入等偶発混入成分に関する基準は、食品規制(Food Regulations)に規定されています。

食品規制第9付表では、食品に残留する農薬の種類が列挙され、農薬ごとに対象となる食品と使用が認められている農薬の最大残留基準値 (MRL) が明記されています(ポジティブリスト方式)。この残留農薬基準を満たさない食品の輸入、販売、広告等は禁じられています。本規定で明示されていない農薬については、原則としてコーデックス委員会(国際食品規格委員会)の勧告に準じ、同委員会が設定した基準値を超えてはならないと規定されています。

また、2種類以上の農薬が残留している食品については、それぞれの農薬について、実際の残留量を当該農薬の最大残留基準値で割った数値の合計が1を超えてはならないとされています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
植物管理(生鮮果実・野菜の輸入・トランシップ)規則(Control of Plants (Import and Transhipment of Fresh Fruits and Vegetables) Rules)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第29項~35項(Incidental constituents in food)および第9付表(Food with maximum amounts of pesticides)、第11付表(Microbiological standard for food)に農薬、細菌等の最大残留基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 重金属および汚染物質(最大残留基準値/禁止)

調査時点:2017年1月

青果物は、重金属規制の対象となります。食品に含まれる重金属の残留基準は、食品規制(Food Regulations)において定められています。青果物における重金属の最大残留基準値は、以下のとおりです。

  • ヒ素 1 ppm
  • 鉛 1 ppm
  • 銅 30 ppm
  • 水銀 0.05 ppm
  • スズ 250 ppm
  • カドミウム 0.2 ppm(乾燥しいたけ:1 ppm)
  • アンチモン 1 ppm

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第31項(Heavy metals, arsenic, lead and copper)および第10付表(Maximum Amounts of Arsenic, Lead and Copper Permitted in Food)に重金属の最大残留基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5. 食品添加物規制

調査時点:2017年1月

シンガポールでは食品に使用することが認められる食品添加物は、14 の機能に分類されており、食品規制(Food Regulations)で規定されている水準に従って使用されている場合、食品への使用が認められます。AVAでは、その使用が原則認められている物質をポジティブリスト形式をで規定していますが、風味増強剤など一部については、使用が認められていない物質をネガティブリストとして掲げています。食品規制で明示されていない食品添加物については、原則として、コーデックス委員会による国際食品規格に関する勧告に準じるものとされています。認可食品添加物および最大使用基準値は食品規制第3~8付表および13付表に掲載されています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第15項~第28項(Food additives)、第3~8付表および13付表に食品添加物の最大基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農食品・獣医庁(AVA) Food Additives Permitted Under The Singapore Food Regulations as of 2 February 2016(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(201KB)

6. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2017年1月

食品に触れる容器包装は食品規制(Food Regulations)に一般規格基準が定められており、その規格基準に適合していなければなりません。個別食品に対する包装容器の規定は特に定められていません。

食品規制では、食品容器包装において、塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppm以下を規格とし、塩化ビニルモノマーを0.01ppm以上食品中に溶出させるとみられる容器包装、あるいは発がん性、変異原性、催奇性または他の毒性または有害性のある物質であることが知られている化合物を食品中に溶出する可能性のある容器包装の使用を禁じています。塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppmは、2012年9月の食品規制改訂で新たに加えられ、かつ溶出限度は0.05ppmから0.01ppmに引き下げられていますので、注意が必要です。

また、食品規制では、食品の貯蔵、準備、調理の段階で、鉛、アンチモン、ヒ素、カドミウム、その他の毒性物質を食品に付与する可能性のある器具、容器、食器の使用を禁じています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第37項(Containers for food)に容器包装・食器の規格が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Good Food Safety Practices(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

7. その他

調査時点:2017年1月

g-1. 輸入時の梱包容器に対する表示規定

植物管理法の付属規定である植物管理(生鮮果実・野菜の輸入・トランシップ)規則では、輸入される青果物の梱包容器に以下項目の表示規定が定められています。

  1. 青果物の生産者名と住所
  2. 青果物の名称
  3. 輸出・梱包の日付

関連リンク

シンガポール内の流通・小売における注意事項

1. 販売手続き

調査時点:2017年1月

青果物を含む食品をシンガポール国内で販売する際は、農食品・獣医庁(AVA)が所管する食品販売法の食品販売(食品事業所)規制、ならびに国家環境庁(NEA)が所管する環境公衆保健法の環境公衆保健(食品衛生)規制の適用を受けます。食品販売(食品事業所)規制では、食品の卸売りを目的とする貯蔵倉庫、食品加工工場等の食品事業所に対するライセンス規定、施設登録等に関する基準を定めています。一方、環境公衆保健(食品衛生)規制ではレストラン、フードコート、スーパーマーケット等の食品小売事業所のライセンス規定、施設登録、衛生証明書、食品取扱者の登録および健康診断規定、食品の貯蔵・保存等に関する基準を定めています。

2. 販売時の表示義務

調査時点:2017年1月

シンガポールでの販売時の表示義務は食品規制(Food Regulations)に規定されています。食品規制では、食品全般の一般表示義務項目として、包装済み食品のラベルに以下の項目を英語で表示することが求められます。[1]~[4]については印字の高さが1.5mm以下であってはなりません。ただし、青果物等、包装されずに顧客の面前で計量販売されるもの、小売店で簡易包装されるものについては、個々の表示義務はありません。

  1. 商品名または一般分類名
  2. 成分(2種類以上の成分から成る食品の場合、重量の大きい順に表示)
  3. 合成着色料名(合成着色料タートラジン等を含有する食品の場合のみ)
  4. 内容量(正味容量または重量)
  5. 原産国および輸入者(代理人)名と住所
  6. アレルゲン表示(表示義務特定原材料8分類:グルテンを含む穀類、甲殻類、卵・卵製品、魚介類、ピーナッツ・大豆類、牛乳・乳製品、ナッツ類、亜硫酸塩濃度10mg/kg以上の食品)
  7. 人工甘味料アスパルテームを含有する食品の場合の記載

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品販売法(Sale of Foods Act)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第5項(General requirements for labelling)および第3付表(Date-marking of prepacked food)に食品全般の一般表示要件が掲載)
計量法(Weights and Measures Act)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Labelling Guidelines for Food Importers & Manufacturers(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農食品・獣医庁(AVA) A Guide to Food Labelling and Advertisements(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(619KB)

3. 販売許可のための要件

調査時点:2017年1月

c-1. 食品小売販売許可のための要件

レストラン、カフェ、バー等外食店、ケータリング事業者、スーパーマーケットを含む食品小売事業所)は、環境公共衛生法のもと、、国家環境庁(NEA)より食品店舗ライセンスを取得しなければなりません。ライセンスは1年間有効で年間ライセンス料が195 Sドル(レストラン、カフェ、バー、ケータリング事業者等)または250 Sドル(売り場面積が200平方メートル以下のスーパーマーケット)または500 Sドル(売り場面積が200平方メートル超のスーパーマーケット)掛かります。ライセンス取得までに1週間から数カ月を要します(「環境衛生上の行動規範(Code of Practice on Environmental Health)」に基づく実地検査、コンプライアンス対応等で所要時間が変わります)。ライセンスはシンガポール政府ライセンス申請サイトLicenceOneから申請できます。申請に必要な書類は次のとおりです。

  1. 建物や土地を管理する政府機関からの使用許可
  2. 賃貸仮契約書
  3. 申請者の会社登記簿謄本
  4. 食品取扱者の保有する食品衛生証明書
  5. 食品衛生責任者の保有する食品衛生責任者証明書
  6. 清掃プログラム
  7. 物件のレイアウト図面
  8. 委任状(申請者に代わって第三者が申請する場合)
  9. ライセンス期間中にゴキブリ、ハエ等害虫駆除を外部委託する場合の契約書
  10. 営業時間、店舗名、販売品目などに関する補足情報
  11. 食品安全管理計画または相当する研修コースへの参加申込(ケータリング事業者)
  12. 食品運搬車の登記証明書と清掃プログラム(ケータリング事業者)

c-2. 食品加工工場や食品貯蔵・保管施設等の運営許可のための要件

青果物を含む食品の卸売りを目的とする食品貯蔵・保管倉庫、食品加工工場(セントラル・キッチン、容器包装の詰め替えを含む)等食品事業所は、食品販売法(Sale of Foods Act)のもと、AVAより食品事業所ライセンスを取得しなければなりません。なお、食品貯蔵倉庫は施設登録のみが必要となります。許可申請に当たり、次の書類が必要となります。

  1. 施設のレイアウト図面
  2. 食品加工フローチャート
  3. 製品の明細
  4. 施設メンテナンス・プログラム
  5. 清掃・衛生プログラム
  6. ごみ処理プログラム
  7. 害虫管理プログラム
  8. 最終製品の搬送車
  9. 食品衛生責任者の氏名・経歴等明細
  10. 食品取扱者の氏名等明細
  11. 施設の賃貸仮契約書

ライセンス取得までに2週間から数カ月を要します(加工・貯蔵する品目により施設要件、実地検査、コンプライアンス対応等ライセンス要件が異なります。)ライセンスはAVAライセンス申請サイトLicenceOne (AVA e-Licensing)から申請できます。許可申請には申請手数料(初回のみ)が157.50 Sドル、年間ライセンス料が以下のとおりです。

  1. 食品加工工場の運営ライセンス
    • 食品加工工場で敷地面積が200平方メートル未満:180 Sドル
    • 食品加工工場で敷地面積が200~750平方メートル未満:360 Sドル
    • 食品加工工場で敷地面積が750平方メートル以上:600 Sドル
  2. 食肉・水産物保管用冷凍・冷蔵倉庫を除く食品貯蔵・保管倉庫の登録:無料

その他

調査時点:2017年1月

a. 有機認証制度

シンガポールには有機農産物、有機加工食品等の法律に基づく有機認証制度または自国の有機認証機関がありません。食品規制(Food Regulations)では、コーデックス委員会の「有機的に生産される食品の生産、加工、表示 および販売にかかるガイドライン」(GL 32-1999)の第6条3項「公的に認められた検査・認証制度」に準拠した認証制度のもとで「有機」と認証された食品には「有機」という語句をラベル表示できるとされています。よって、日本の有機JAS制度による認証を受けた有機農産物および有機農産物加工食品のパッケージ等に有機JASマークを貼付してシンガポールに輸出し、店頭でそのまま有機農産物、有機加工食品として販売することは可能です。

関連リンク

関係省庁
農林水産省(日本語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第9B項(Limitations on making particular statements or claims on labels)に「有機」ラベル表示の制限が掲載)
その他参考情報
農林水産省 アジア各国等の有機食品に係る表示制度等調査結果(日本語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農食品・獣医庁(AVA) New Food (Amendment) Regulations 2016(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017年1月

b. 遺伝子組み換え作物(GMO)の輸入

シンガポールでは食品または食材として遺伝子組み換え作物を輸入する法規制が現時点で確立されていませんが、シンガポール遺伝子組み換え助言委員会(GMAC)のガイドラインに基づき、開発者が安全性評価のためにGMACに申請しなければなりません。遺伝子組み換え作物の安全性審査を経た大豆やとうもろこしなど5種類21品種の食品・食材の流通が認められています。

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

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