日本からの輸出に関する制度 ペットフードの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義するペットフードのHSコード

230910 : 犬用または猫用の飼料(小売用容器入りにしたものに限る。)
230990 : その他の飼料用の調製品(230910以外のペットフード、サプリメント、おやつなど。観賞魚用、鳥用などのフードが含まれる。)

食品関連はシンガポール食品庁(SFA:Singapore Food Agency)、非食品関連は国立公園局(NParks:National Parks Board)の管轄となっています。このうち非食品に該当する動物・家畜部門については、NParks内の組織である動物・獣医サービス(AVS:Animal and Veterinary Service)が所管しています。

AVSでは、関税分類用のHSコード(8桁)のみでは判別しきれない検疫上のリスク(肉の含有有無や原材料の種類など)を管理するため、HSコードをさらに細分化したAVS独自の「CA 商品コード〔CA Product Code(Competent Authority Product Code)〕」を設定しています。
例えば、HSコード上は同一の「230910(犬猫用飼料)」であっても、AVSのCA商品コードでは次のように区分されます。

VAF0DG:Dog/Cat Food (containing meat) - 肉または肉製品を含むもの
VAF0DO:Dog/Cat Food (not containing meat) - 肉または肉製品を含まないもの

輸入者は、事前にシンガポール税関の検索ツール「HS/CA 商品コードチェッカー(Product Code Checker)」を参照し、該当するコードを特定したうえで、貿易に関する電子データ交換システムであるトレードネット(TradeNet)を通じて、輸入申告時にHSコードと併せて申告する必要があります。

シンガポールの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2025年12月

シンガポールでは、牛由来成分を含むペットフードについて、牛海綿状脳症(BSE)の影響を受けていない国からの輸入のみが認められています。日本は、国際獣疫事務局(OIE)総会において「無視できるBSEリスク」の国として認定されており、2009年以降、BSE患畜の発生は確認されていません。

家きん由来の原材料を含むペットフードについては、動物疾病の発生状況に応じて、追加的な輸入制限や証明書などの提出が求められる場合があります。

大麻およびその派生物(ヘンププロテイン、粉末種子、オイル、飲料など)を含むペットフードについては、シンガポールでは輸入が禁止されています。

放射性物質規制については、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を理由として、ペットフードを対象とした特別な輸入規制は設けられていません。

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2025年12月

シンガポールにおけるペットフードの輸入は、国立公園局(NParks:National Parks Board)内の組織である動物・獣医サービス(AVS:Animal and Veterinary Service)が所管しています。製品の種類や使用されている原材料に応じて、次のとおり、日本側においての施設認定や証明書の取得手続きが必要となります。

肉または肉製品を含むペットフードの輸入制限

肉または肉製品(meat or meat products)を含むペットフードの輸入については、AVSにより原産国が指定国と非指定国に区分されています。

指定国からの輸入:
指定国はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国の5カ国です。これらの国からの輸入については、事前の個別承認は不要とされています。ただし、船積みごとに貨物通関許可(CCP:Cargo Clearance Permit)の取得が必要となるほか、獣医健康証明書(Veterinary Health Certificate)の提出が求められます。
非指定国からの輸入:
指定国5カ国以外の国は非指定国に分類され、日本をこれに含まれます。非指定国から肉または肉製品を含むペットフードを輸入する場合には、輸入前にAVSによる製造施設および当該製品についての個別承認を取得しなければなりません。そのためには、輸入者はペットフード評価(PFA:Pet Food Assessment)の申請を行う必要があります。PFA申請には、製造施設が作成した技術文書(Technical Dossier)を添付する必要があり、次の情報が含まれていなければなりません。
輸入者が提出する書類(カバーレター):
  • 輸入者の名称および所在地
  • 会社登録番号
  • リコール時の連絡担当者の詳細
  • 製造者および製造工場の名称と所在地
  • 輸出者またはブランド所有者の名称と所在地
  • ブランド名
  • 輸入予定製品のリスト
製造工場が提出する書類:
  1. 飼料の組成および成分。各成分の割合を明記し、合計が100%になること。肉成分の原産国は本書類に記載可能
  2. 分析証明書(COA:Certificate of Analysis)。動物飼料の一般成分分析結果(粗タンパク質含有量、粗脂肪含有量、粗繊維含有量、水分含有量)を示すもの
  3. 製品ラベル(次の情報を含む)
    • 製造者の名称および所在地
    • 輸入者の名称および所在地
    • 製造日および有効期限
    • 対象動物種の使用方法
    • 完全でバランスの取れた食事(国際的に推奨される栄養基準、例えば米国飼料検査官協会(AAFCO)または米国学術研究会議の基準を満たす)の保証成分分析
      ※こちらは輸入時に必要なラベルであり、販売時には別のラベルを貼付することが可能。その場合、シンガポール国内での流通に責任を有する販売事業体の記載が必要となります。
  4. 製造工程の詳細を示すプロセスフローチャート(滅菌処理のパラメータを含む)
  5. 製造工場の衛生管理、品質管理、管理体制に関する取得証明書(例:HACCP、ISO 9002などの認証)
  6. 製造工場に対して発行されたライセンスまたは登録証(日本の場合は地方農政局などへ提出する、ペットフード安全法に基づく製造業者届出の確認書類)

輸出国当局から発行された獣医衛生証明書(Veterinary Health Certificate)の見本の提出が求められます。日本の場合、農林水産省 動物検疫所が発行する輸出用衛生証明書が該当します。

その後、貿易に関する電子データ交換システムのトレードネット(TradeNet)において、船積みごとの貨物通関許可(CCP)取得が求められます。この際、実際に輸出国当局から発行された獣医衛生証明書(Veterinary Health Certificate)の写しをAVSに提出し、評価を受ける必要があります。

肉または肉製品を含まないペットフードの輸入

魚介類や植物性原材料のみで構成されるペットフードなど、肉または肉製品を含まないペットフードについては、製造施設の事前承認は不要です。ただし、輸入にあたっては、肉または肉製品を含むペットフードと同様に、船積みごとに貨物通関許可(CCP)の取得が必要となります。CCPの申請時には、当該製品が肉および肉製品を含まないことを示すため、製造者による宣誓書(manufacturer's declaration)や成分表などの提出を求められるのが一般的です。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2025年12月

シンガポールにおいて、肉または肉製品(meat or meat products)を含むペットフードを輸入する場合、電子データ交換システムであるトレードネット(TradeNet)を通じて輸入許可(CCP)を取得する際に、輸出国の政府当局が発行する獣医衛生証明書(Veterinary Health Certificate)の提出が求められます。当該証明書は船積みごとに必要とされます。

このため、肉または肉製品を含むペットフードについては、獣医衛生証明書の提出を通じて、疾病リスク管理が行われているものと位置付けられます。一方、肉または肉製品を含まないペットフードについては、獣医衛生証明書の提出は求められていません。

シンガポールでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2025年12月

ペットフードの輸入にあたっては、ヒト用食品(肉・魚介類など)の輸入で必要とされるシンガポール食品庁(SFA:Singapore Food Agency)の輸入ライセンスは不要です。

輸入事業者登録

他の輸入品と同様に、輸入者はシンガポール税関へ次の手続きが必要です。

  1. 会計・法人規制庁(ACRA)に会社を登記し、シンガポール税関に登録された個別企業登録番号(UEN: Unique Entity Number)を取得
  2. 輸入許可手数料や諸税の自動引き落としのための銀行口座(GIRO)を開設

輸入許可

ペットフードの輸入において、船積みごとに貨物通関許可(CCP:Cargo Clearance Permit)の取得が義務付けられています。輸入者は、貨物がシンガポールに到着する前に、貿易に関する電子データ交換システム「トレードネット(TradeNet)」を通じて輸入申告を行い、CCPを取得しなければなりません。輸入申告には船荷証券(B/L:海上輸送の場合)または航空貨物運送状〔エアウェイビル(AWB:航空輸送の場合)〕、インボイス、パッキングリストが必要となります。

また、TradeNetを通じた輸入許可申請の際に、次の情報を申告する必要があります。

  • HSコード
  • CA/SC製品コード〔例:VAF0DGは犬・猫用フード(肉入り)を示す〕
  • CA/SC製品コード数量
  • CA/SC製品コード数量の単位〔例:ペットフードの場合はTNE(トン)〕

加えて、肉または肉製品を含むペットフードを日本から輸入する場合、貨物通関許可(CCP)を申請する前に、TradeNetを通じて獣医衛生証明書(Veterinary Health Certificate)の写しを提出し、AVSによる評価を受ける必要があります。日本の場合は、農林水産省の動物検疫所が発行する輸出用衛生証明書が該当します。

輸入の際には、TradeNet許可申請手数料として約3.19シンガポール・ドル(以降、Sドル)が必要です。また、商品にかかる財・サービス税(GST)は、輸入者(または代理人)があらかじめシンガポール税関に対して開設している専用口座から自動的に引き落とされます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2025年12月

ペットフードの輸入通関にあたり、船荷証券(B/L:海上輸送の場合)または航空貨物運送状(エアウェイビル、AWB:航空輸送の場合)、インボイス、パッキングリスト(P/L)が必要になります。
さらに、肉または肉製品を含むペットフードを輸入する場合、貨物通関許可(CCP)を申請する前に、TradeNetを通じて輸出国の政府機関が発行する獣医衛生証明書(Veterinary Health Certificate)の写しを提出する必要があります。日本の場合は、農林水産省の動物検疫所が発行する輸出用衛生証明書が該当します。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2025年12月

シンガポールにおいては、ペットフードの輸入に際し、一律に検査を受ける義務が課せられてはいません。
ただし、ほかの輸入品と同様に、輸入時には動物・獣医サービス(AVS:Animal and Veterinary Service)による確認や検査が行われる場合があります。検査が必要である判断された場合には、貨物通関許可(CCP)に条件が付与され、輸入者は当局の指示に従い、貨物の留置、開封確認、サンプリングなどに対応する必要があります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2025年12月

小売販売

ペットフードについて、小売販売のみ(店舗での販売やオンライン販売)を行う事業者は、現行制度上、動物・獣医サービス(AVS)による販売用ライセンスの取得は求められていません。ペットフードは、ヒト用食品とは区別され、AVSが所管する「ペットフードおよび非食用動物向け飼料」の規制枠組みの下で管理されています。
このため、ペットフードの小売販売のみを行う場合には、SFAが所管する一般的な小売事業として、次の基本的な手続きを行うことで営業が可能です。

  1. 会計・法人規制庁(ACRA)への事業登録
    個人事業主または法人として事業を登録し、個別企業登録番号(UEN)を取得
  2. 店舗の賃貸・使用許可の取得
  3. 基本的な衛生管理
    ペットフードは食品衛生法の対象外ですが、一般的な商業施設として、店舗の清潔さや害虫管理などの基本的な衛生管理は求められます。

なお、ペット(愛玩動物)の販売を併せて行う場合には、次の項の「5.その他」に記載のペットショップ・ライセンス(Pet Shop License)が必要となります。

ペットフード保管業務

ペットフードの保管・倉庫業務のみを行う場合、AVSからのライセンスは不要です。SFAが所管する一般的な倉庫業または卸売業として事業を運営できます。ただし、適切な商業スペース〔ジュロンタウン公社(JTC)管轄の工業用スペースや都市再開発庁(URA)管轄の倉庫用途スペースなど〕を確保し、ACRAへの事業登録を行う必要があります。

ペットフード製造・加工・再包装

シンガポール国内でペットフードの製造、加工、または再包装を行う場合は、AVSから「非食用動物用飼料の製造・加工ライセンス(License to Manufacture and Process Feed for Non-food Producing Animals)」を取得しなければなりません。このライセンスは、ペットフード、ペット用おやつ、ペット用サプリメントなどの製造・加工・再包装を行う施設に対して発行されます。

製造・加工ライセンスの申請方法

製造・加工ライセンスの申請は、ゴービジネスダッシュボード(GoBusiness Dashboard)を通じて行います。申請には、CorpPass(法人向けオンラインアカウント)による認証が必要です。
申請の処理には21営業日を要します。年間ライセンス料は240 シンガポールドルです。
ライセンス申請に必要な書類および情報は、次のとおりです。

  1. ライセンス取得者および連絡担当者の詳細情報
  2. 会社のACRA登録情報(事業所の所在地を含む)
  3. 対象動物種、製品成分、対象市場などの製品の詳細
  4. 生産能力
  5. 生産エリアのレイアウト図面
  6. 生産フローチャート
  7. 製品ラベル表示
    • 製品名および製品説明
    • 組成(成分リスト)
    • 分析成分(栄養素レベルに関する情報)
    • 添加物に関する情報
    • 賞味期限、バッチコード
    • 製造者および販売者の名称、住所、連絡先
    • 製品の使用方法(給餌指示)
    • 重量および/または数量表示
  8. 標準作業手順書(SOP)
    • スタッフ研修
    • 清掃
    • 記録管理
    • 業務フロー
    • 害虫管理
  9. 関連当局からの承認
    • URA、住宅開発庁(HDB)、JTCからの書面による用途許可または承認
    • 国家環境庁(NEA)による施設使用目的(Proposed Use of Premises)の確認
    • 法人としての社会保険・雇用関連要件(CPF制度)への適合確認

施設登録・認定

ペットフードはヒト用食品には該当しないため、食品販売法に基づく食品店舗ライセンスや、シンガポール食品庁(SFA)が所管する食品事業所ライセンスの取得は求められていません。また、店舗設計や設備に関して、SFAにレイアウト図面を提出して事前承認を受ける制度についても、ペットフードのみを取り扱う事業所には適用されません。
ペットフードの小売店舗を開設する際には、商業用不動産の用途規制に従う必要があります。政府所有の商業用不動産については、公営住宅を管理するHDB、工業用不動産を管理するJTCなどが所管しており、民間所有の商業用不動産については、URAが所管しています。

衛生管理者などの配置

ペットフード事業所においては、ヒト用食品事業所とは異なり、食品衛生管理者(Food Hygiene Officer)の配置や、シンガポール労働力技能資格(WSQ)食品安全コースの受講義務は課されません。また、食品取扱者登録制度や、ケータリング事業者向けの高度な食品安全管理コースも、ペットフード事業には適用されません。

5. その他

調査時点:2025年12月

ペットショップの営業ライセンス

ペットフードの小売販売以外に、ペット(愛玩動物:犬、猫、鳥類、爬虫類、魚類など)の販売も兼ねたペットショップ運営を行う場合には、動物・獣医サービス(AVS)からペットショップ・ライセンス(Pet Shop License)を取得しなければなりません。 ペットショップ・ライセンスの申請は、シンガポール政府の統合ライセンス申請サイトである GoBusiness Licensing を通じて行います。申請にあたっては、店舗の用途や構造、動物の飼養環境がAVSの基準を満たしていることを示す各種書類の提出が求められます。

トレーニングの修了

ライセンス申請者または責任者は、動物福祉および動物管理に関する必須トレーニングを修了していなければなりません。トレーニング修了証を取得するためには、AVSが認定するトレーニング提供機関が実施するコースを受講し、合格しなければなりません。2025年12月時点では、AVSが認定するトレーニング提供機関として、テマセク・ポリテクニックが運営するトレーニングコースが案内されています。コース内容、受講料、実施スケジュールなどの詳細については同機関のウェブサイトで確認できます。

申請料金

ペットショップ・ライセンスの申請には、次の費用がかかります。

  • 申請手数料:94.50 シンガポールドル
  • ライセンス料:126.00 シンガポールドル

申請手続き

申請にあたっては、次の書類を準備する必要があります。

  • 都市再開発庁(URA)による物件用途に関する承認書(用途変更が必要な場合)
  • 住宅開発庁(HDB)物件の場合、HDBからの承認書または異議なし通知書
  • 会計・法人規制庁(ACRA)が発行する登録情報(Business Profile)
  • 申請者のメディセーブ(Medisave)明細書
  • 店舗のレイアウト図面
    (動物の展示エリア、隔離エリア、運動エリア、給餌エリア、洗浄エリア、換気設備、廃棄物処理設備の配置を示したもの)
  • 動物用囲いまたはケージの設計図面
  • AVSが認定する必須トレーニングの修了証明書

申請後、AVSによる店舗の実地検査が行われます。すべての必要書類が提出され、ライセンス料支払いが完了し、実地検査に合格した後、3営業日以内にライセンスが承認されます。
ペットショップ・ライセンスの有効期間は1年間であり、毎年更新する必要があります。なお、更新料は前述の申請料金と同額です。

シンガポールの輸入関税等

1. 関税

調査時点:2025年12月

ペットフードは関税の課税対象品目ではありません。

2. その他の税

調査時点:2025年12月

物品税

ペットフードは物品税の課税対象品目ではありません。

財・サービス税(GST)

すべての商品の輸入者は輸入申告の際に、CIF価額(FOB価額+保険料+運賃)に関税、物品税、手数料を加えた合計額に対し、税率9%の財・サービス税(GST)をシンガポール税関へ納付しなければなりません。

ペットフードには関税と物品税が課されないため、輸入時に必要となる税負担は財・サービス税(GST)のみになります。

輸入者が、シンガポール内国歳入庁(IRAS)にGST登録を行っている場合、売上時に課される売上税額(販売先から回収するGST)と、輸入時または仕入時に支払った仕入税額(GST)とを相殺(仕入税額控除)し、その差額をIRASに納付します。 なお、年間売上高が100万シンガポールドルを超える事業者はGST登録が義務付けられています。

3. その他

調査時点:2025年12月

なし

その他

調査時点:2025年12月

ハラール認証

シンガポールにおいて、ペットフードに対するハラール認証は法的義務ではなく、明確な規制や宗教的勧告も確認されていません。シンガポール・イスラーム評議会(Islamic Religious Council of Singapore、MUIS)が発行するハラール認証は、ヒトの消費を目的とした食品および飲食施設を対象としており、ペットフードはハラール制度の直接的な適用対象とは位置付けられていません。このため、シンガポール国内で流通するペットフードにMUISのハラールマークが表示されることは一般的ではありません。

一方、一部の輸入ペットフードには、海外のハラール認証マーク(例:マレーシアのJAKIM、インドネシアのMUIなど)が表示されている場合があります。これらはあくまで製造国における認証に基づくものであり、シンガポールにおける輸入や販売にあたって法的に求められるものではありません。

ペットフードのハラール性については、ペットがヒトと同一の基準でハラール食品を摂取しなければならないとする宗教上の義務は想定されていません。もっとも、ムスリム家庭がペットを飼育する場合、家庭内での宗教的配慮の観点から、豚肉由来成分を含まないペットフードを選択するケースも見られます。そのため、ペットフードの販路を拡大するために、豚由来成分を使用していないことを原材料表示や製品説明において明示することが、一つの対応策となります。

なお、シンガポールのムスリムコミュニティにおいては、イスラーム法の解釈上、必要性や緊急性がない限り、犬を飼育することは推奨されていません。MUISの宗教見解によれば、狩猟、家畜の管理、農作物の保護、住居の安全確保など正当な理由がある場合を除き、趣味や娯楽を目的とした犬の飼育は避けるべきとされているためです。ただし、盲導犬など、日常生活を支援する補助犬については許容されています。

有機認証制度

シンガポールには、ペットフードが対象となる法律に基づく有機認証制度や、自国の有機認証機関は存在していません。

そのため、日本の有機JAS制度など、国際的に認知された第三者認証制度により有機認証を受けた原材料や製品について、有機JASマークなどを表示したままシンガポールに輸出し、ペットフードとして販売することが可能です。シンガポール側で必須とされる追加の有機認証はありません。