調味料の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する調味料のHSコード
- 0904 とうがらし属またはピメンタ属の果実(乾燥し、破砕しまたは粉砕したものに限る)およびこしょう属のペッパー
- 0904.11
- ペッパーのうち破砕および粉砕のいずれもしていないもの
- 0904.12
- ペッパーのうち破砕しまたは粉砕したもの
- 0904.21
- とうがらし属またはピメンタ属の果実のうち乾燥したもの(破砕および粉砕のいずれもしていないものに限る。)
- 0904.22
- とうがらし属またはピメンタ属の果実のうち破砕しまたは粉砕したもの
- 0905 バニラビーンズ
- 0905.10
- 破砕および粉砕のいずれもしていないもの
- 0905.20
- 破砕しまたは粉砕したもの
- 0906 けい皮およびシンナモンツリーの花
- 0906.11
- けい皮(キナモムム・ゼラニカム・ブルーメ)のうち破砕および粉砕のいずれもしていないもの
- 0906.19
- その他の破砕および粉砕のいずれもしていないもの
- 0906.20
- 破砕しまたは粉砕したもの
- 2103 ソース、ソース用の調製品、混合調味料、マスタードの粉およびミュールならびに調製したマスタード
- 2103.10
- 醤油
- 2103.20
- トマトケチャップ、その他のトマトソース
- 2103.30
- マスタードの粉およびミュールならびに調製したマスタード
- 2103.90
- その他
- 2209
- 2209.00
- 食酢および酢酸から得た食酢代用物
関連リンク
- 根拠法等
-
商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)
- その他参考情報
-
財務省 輸出統計品目表(2018年4月版)
*実行関税率表より抜粋
ミャンマーの輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2018年7月
調味料に関して輸入禁止(停止)、制限されている品目はありません。
2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)
調査時点:2018年7月
輸出者側の手続き
輸出者は輸入者がミャンマー保健スポーツ省食品医薬品局に輸入品目の推薦状取得に必要な書類を準備する必要があります。
- 必要書類
- 食品仕様書
- 成分に関する書類
- GMP認証証明書または製品登録書または自由販売
輸入者側の手続き
ミャンマー側の輸入者が日本から調味料を輸入するために必要な手続きと書類は次のとおりです。
※手続きの各段階で必要な書類には日本からの輸出者側が用意すべきものもあるため、確認してください。
- ミャンマー商工会議所(Union of Myanmar Federation of Chambers of Commerce and Industry :UMFCCI)へ会員登録。
- 必要書類
- UMFCCI加入申請書
- 会社登記事項証明(原本およびコピー)
- 株式会社の場合はフォーム6および26の写し
- 申請者のパスポートの写し
- パスポート用サイズの写真3枚
- 輸入品を卸売または小売する場合、卸売または小売の場所がヤンゴンであればヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee :YCDC)、その他の地域であれば管轄の開発委員会より推薦状を取得(YCDCはオンラインでの申請になります)。
- 商業省貿易局(Department of Trade, Ministry of Commerce)より輸入登録証明書(Importer register certificate)を取得。
- 必要書類
- 基本定款と付属定款
- 会社のレターヘッドによる申請書(形式は規定されていません)
- 輸入者登録申請書
- 会社登記事項証明書2部
- フォーム26の原本および写し
- 輸入者のパスポートと写真2枚
- 取締役会の決議
- UMFCCIの会員証
- 調味料のうち、「食酢および酢酸から得た食酢代用物」、加工調味料の輸入に関しては、保健スポーツ省食品医薬品局(Department of Food and Drug Administration(FDA), Ministry of Health and Sports)より輸入推薦状(Import Recommendation)を取得する必要があります。輸入者の手続きは次のとおりですので、輸出者側も輸入者からの要請があった場合には該当書類を準備してください。
- 必要書類
- 申請書
- 食品の品質について記載した書類
- 成分に関する書類(原材料の書類)
- GMP認証証明書または製品登録書または自由販売証明書
- 食品サンプル(大きくて送ることができない場合はサンプルのカラー写真で代用可能)
- 手順
-
- 申請書を必要書類とともに提出する。必要書類には食品仕様書、原材料の書類、GMP認証証明書もしくは製品登録書または自由販売証明書、ならびに包装された食品が含まれている必要があります(包装が大きくて提出できない場合は写真またはブランド名の提供でも可)。
- 輸入者はFDAに検査用食品サンプルを提出する必要があります。
- FDAは提出された食品サンプルを検査します。サンプルが検査に合格しなかった場合、FDAは輸入者に対し理由を付して申請拒否通知を行います。サンプルが検査に合格すると、FDAは輸入推薦状(Import Recommendation :IR)を発行します。
- 商業省貿易局より輸入ライセンスを取得。
- 必要書類
- 輸入ライセンス申請書(600チャットの収入印紙を貼付)
- インボイス原本
- 売買契約書原本
- インボイスおよび売買契約書が真正なものであることについての誓約書
- FDAの輸入推薦状(食酢および酢酸から得た食酢代用物の輸入および加工調味料の場合)
- 手順
-
- 輸入者は、輸入ライセンス申請書をTrade Netウェブサイトまたは輸入許可課に必要書類を付して提出します。
- 申請を受領した当局はただちに申請書類を審査し、不完全な場合は訂正のために書類を申請者に返送します。
- 書類審査で問題がなければ輸入者は商業省のミャンマー市民銀行財務部(Myanmar Citizen Bank Finance Division)に手数料を支払います。市民銀行は支払いを受領し、領収書を発行し、輸入許可課に通知を行います。
- 輸入許可課は印刷した輸入ライセンス申請書を輸入者に対し交付します。輸入者は、交付された輸入許可申請書を首都ネピドーの輸入部門に持ち込み、輸出入商業委員会または担当当局の審査を受けます。
- 審査後に輸入ライセンスが交付されます。
- FDAより衛生証明書(Import Health Certificate)を取得。
- 衛生証明書申請書
- 原産国が発行した衛生証明書(商工会議所のサイン証明可)
- インボイス原本
- 荷積リスト
- 商品のカラー写真
- サンプル2つ
関連リンク
- 関係省庁
-
ミャンマー商工会議所(UMFCCI)(英語)
-
商業省貿易局(Department of trade, Ministry of Commerce)(英語)
-
保健スポーツ省食品医薬品局(Department of Food and Drug Administration(FDA), Ministry of Health and Sports)(英語)
- 根拠法等
-
輸出入法2012(Export Import Law)(英語)
(50KB)
-
商業省2016年通達第74号(Notification no-74 of Ministry of commerce, 2016)(英語)
(71KB)
-
商業省2017年通達第61号(Notification no-61 of Ministry of commerce, 2017)(英語)
- その他参考情報
-
National Trade Portal(英語)
-
平成28年 農林水産省 フードバリューチェーン構築推進事業(うちアジア)第6章
(1.5MB)
-
Myanmar TradeNet(英語)
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2018年7月
調味料のうち、乾燥または加工済みのものは動物検疫および植物検疫の検査の対象ではありません。
ミャンマーの食品関連の規制
1. 残留農薬
調査時点:2018年7月
調味料は残留農薬規制の対象となります。
ミャンマーでは、「国家食品法」によって、関連する当局により定められた農薬が上限を超えて含まれる食品の輸入・販売などは禁止されています。農薬の最大残留基準値(MRL)値については、ミャンマーの法律上根拠はありませんが、国際食品規格(CODEX)の許容限度に準拠しています。
関連リンク
- 関係省庁
-
農業畜産灌漑省農業局(Myanmar Agricultural Service of Ministry of Agriculture and Irrigation)(英語)
- 根拠法等
-
国家食品法1997(National Food Law)(英語)
(258KB)
-
農薬法1990(Pesticide Law)(英語)
-
農林省1991年通達第4号(Ministry of Agriculture and Forests Notification No. 4/1991)(英語)
- その他参考情報
-
Codex Maximum Residue Levels (MRL) Standard(英語)
*リンク先Codex一覧よりMRLで検索
2. 重金属および汚染物質
調査時点:2018年7月
調味料に関し、重金属規制はありません。
法律上の根拠はありませんが、調味料は汚染物質規制があります。ミャンマーの法律上根拠はありませんが、国際食品規格(CODEX)の基準が適用されます。
物質 | 基準値 | |
---|---|---|
放射性同位体(注1) | 238Pu, 239Pu, 240Pu, 241Am, | 10 Bq/kg |
90Sr,106Ru, 129I, 131I, 235U, | 100 Bq/kg | |
35S, 60Co,89Sr, 103Ru,134Cs, 137 Cs,144Ce,192Ir | 1,000 Bq/kg | |
3H, 14C,99Tc | 10,000 Bq/kg | |
アクリロニトリル | 0.02 mg/kg |
注1:調味料のように通常少量を使用するものに関しては前述の表の基準の値の10倍まで許容されます。
関連リンク
- 関係省庁
-
保健スポーツ省食品医薬品局(Department of Food and Drug Administration(FDA), Ministry of Health and Sports)(英語)
- 根拠法等
-
CODEX STAN 193-1995(英語)
*リンク先Codex一覧よりcontaminantsで検索
3. 食品添加物
調査時点:2018年7月
調味料は、「国家食品法」により食品添加物規制の対象となります。
「国家食品法」は添加物を「専門家委員会が定めた、食品の製造および調理に用いる成分、または着色および着香のための成分を指す」と定義しています。
しかし、食品添加物に関する具体的な規制はミャンマーに存在しないため、食品添加物に対する機能用途分類は、CODEX委員会の食品添加物に関する一般規格GSFA「Codex STAN 192-1995」に従います。
添加物名 | 最大限度量(mg/kg) |
---|---|
1. アセスルファムカリウム | 200 |
2. アルラレッドAC | 300 |
3. パルミチン酸アスコルビル | 500 |
4. アスパルテーム | 2000 |
5. 安息香酸ナトリウム | 1000 |
6. ブリリアントブルーFCF | 100 |
7. ブチルヒドロキシアニソール | 200 |
8. ジブチルヒドロキシトルエン | 200 |
9. カンタキサンチン | 20 |
10. カラメル色素III(E150c) | 50000 |
11. カラメル色素IV(E150d) | 10000 |
12. コチニール色素 | 500(マスタードのみ300) |
13. β-カロテン | 500(マスタードは1000、ケチャップは2000) |
14. カロテノイド | 500(マスタードは300) |
15. クロロフィル・クロロフィリン(銅化合物) | 500(醤油は100) |
16. エチレンジアミン四酢酸 | 70(マスタードとケチャップは75) |
17. ファストグリーンFCF | 100 |
18. フェロシアン化物 | 20 |
19. インジゴカルミン | 300 |
20. 酸化鉄 | 1000(醤油は75) |
21. L-アルギニンエチルエステル | 200 |
22. ネオテーム | 32(マスタードとお酢は12、ケチャップは70) |
23. リン酸塩 | 2200(醤油は1200) |
24. ポリソルベート | 5000 |
25. ニューコクシン | 500(マスタードは300) |
26. 没食子酸プロピル | 200 |
27. リボフラビン | 350(マスタードは300) |
28. サッカリン | 1500(お酢は300、マスタードは320) |
29. アルミノケイ酸塩 | 1000 |
30. ソルビン酸塩 | 1000 |
31. ステビオールグリコシド | 30(マスタードは130) |
32. スクラロース | 700(お酢は400、マスタードは140) |
33. 亜硫酸塩 | 200(お酢は100、マスタードは250) |
34. サンセットイエローFCF | 300 |
35. tert-ブチルヒドロキノン | 200 |
4. 食品包装(食品容器の品質または基準)
調査時点:2018年7月
調味料の容器包装に関する国内規制はありません。また、調味料について、容器包装のリサイクル規定もありません。
5. ラベル表示
調査時点:2018年7月
輸入する調味料には、「国家食品法」のアナウンスメントに基づき次の事項についてミャンマー語(もしくは加えてほかの言語)で表示する必要があります。ただし、こちらのアナウンスメントの猶予期間延長にともない、2018年7月現在、英語表示でも可というのが一般的です。
- 商品名
- 食品の種類
- 原材料
- 栄養成分
成分は1回の使用量または100mlまたは100gあたりの成分量について表示する。エネルギーはkcalまたはKJ単位で表示する。表示はアラビア数字で表記する。 - 保存方法
- 梱包サイズ、製造年月日、製品ロット番号、保管条件および消費期限
- ブランド名、製造者の名称および住所、原産国、販売者の名称および住所
関連リンク
6. その他
調査時点:2018年7月
なし
ミャンマーでの輸入手続き
1. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2018年7月
日本から調味料を輸入する際の通関手続きにあたっては、次の書類が必要になります。
- 輸入宣誓書
- 税関評価書
- 輸入ライセンス
- 送り状(インボイス)
- 梱包明細書
- 信用状(L/C)
- 保険証券
- 確定注文・買い注文
- 売買契約書
- 価格一覧
- 広告・チケット・パンフレット(ない場合は不要)
- 領収書
- 船荷証券・航空運送状・輸送状
- FDAの衛生証明書
- その他の関連書類(原産国・SPS・FDA証明に関する書類があれば)
2. 輸入時の検査
調査時点:2018年7月
- 検査内容
日本から輸入される調味料は税関での検査の対象となります。税関はすべての輸入に関する書類および輸入品をリスク評価に基づいて審査・検査します。輸入品のリスク評価は、緑、黄、赤の3つのカテゴリーに分類され、緑は最もリスクが低く、黄は中程度のリスクを示し、赤はリスクが高いことを示します。緑の場合は特段の検査もなく税関検査を通過できます。黄の場合は、書類検査およびサンプルを採取し検査が行われます。赤の場合は書類検査および商品そのものの物理的検査が行われます。 - 検査機関に関する情報
2018年7月16日、汚職防止委員会はティラワ警察署で第一次情報報告書を開き、輸入に際して金銭を受けとったとして腐敗防止法に基づき税関局の職員12人を訴追することを発表しました。
3. 販売許可手続き
調査時点:2018年7月
調味料の卸売りまたは小売りを行う場合、商業省より卸売ライセンスまたは小売ライセンスを受ける必要があります。
4. その他
調査時点:2018年7月
なし
ミャンマー内の輸入関税等
1. 関税
調査時点:2018年7月
日本から輸入される調味料のうち、ペッパー、バニラビーンズ、シナモンには3%の関税が、醤油、ケチャップ、マスタード、食酢には15%の関税がCIF価格に課されます。Myanmar's Customs Tariff (MCT) 2017などで最新の税率を確認してください。
ただし、日本ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定がミャンマーとの間で2008年12月1日に発効されています。そのため、日本からミャンマーに日本原産品を輸出する際、AJCEP協定特定原産地証明書をミャンマーの税関に提出することによって特恵関税率が適用されます。特定原産地証明書の発給手続きについては、日本商工会議所にお問い合わせください。
関連リンク
- 関係省庁
-
計画財務省税関局(Myanmar Customs Department, Ministry of Planning and Finance)(英語)
*リンク先ページの左側に"Tariff and Tax"あり - 根拠法等
-
関税法1992(The Tariff Law 1992)(英語)
(62KB)
- その他参考情報
-
日本商工会議所(特定原産地証明書について)
-
日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定(外務省のウェブサイト)
2. その他の税
調査時点:2018年7月
- 商業税
調味料はいずれも商業税非課税です(Union Tax Law 2018、第14条a・b項) - 事前所得税
事前所得税が関税評価額の2%に課せられます。(計画財務省2018年通達第7号、第1条a)
3. その他
調査時点:2018年7月
その他の費用
- 輸入者登録費用
輸入者登録の登録および延長費用は期間により次のとおりになっています。期間 費用(チャット) 1年間 50,000 2年間 100,000 - 輸入ライセンス費用
輸入ライセンス申請費用は商業省1991年通達第4号および同省1992年通達第3号に従い次のとおりです。CIF価格(チャット) ライセンス申請費用(チャット) 10,000以下 250 10,001~25,000 625 25,001~50,000 1,250 50,001~100,000 2,500 100,001~200,000 5,000 200,001~400,000 10,000 400,001~1,000,000 20,000 1,000,001以上 50,000
その他
調査時点:2018年7月
なし