知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【法案提出】産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2210943)

2025年06月19日

議案番号:2210943
提案日:2025年6月19日
提案者:クォン・ヒャンヨプ議員(共に民主党)外10人

提案理由及び主要内容

現行法では、国家コア技術を保有する対象機関が海外買収・合併、合弁投資等外国人投資を進める場合には事前に産業通商資源部長官から承認を受けるよう定めている。
しかし、最近、国内法人だが外国籍の個人等が支配的な影響力を行使する法人により買収・合併を行う場合、それが外国人投資に該当するか否かについて賛否議論があり、技術覇権競争の深刻化や買収・合併の方式の多変化等を考慮して、そのような国内法人についても外国人とみなして外国人投資の承認を受けるようにすることで、国家・経済安保の強化を図る必要があるとの意見が提起されている。
従って、「外国籍の個人等が支配的な影響力を行使する国内法人」をも外国人に含め、施行令で定める外国人投資の範囲を法律上で広げて定めることで、外国資本による国家コア技術の侵奪を未然に防ぐ目的である(案第11条の2等)。

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
第11条の2第1項の中「大統領令で定める」を「次の各号のいずれかに該当する外国人による」に改め、同項に各号を次のように新設し、同条第2項の中「大統領令で定める外国人(以下、同条において「外国人」とする)に」を「外国人に」に改める。
1.大韓民国の国籍を有しない個人
2.外国の法律に基づいて設立された法人
3.大統領令で定める国際機構及び外国機関
4.第1号から第3号までのいずれかに該当する者が支配的な影響力を行使する法人として大統領令で定める国内法人
法律第20694号 産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律において第11条の4を次のように新設する。
第11条の4(海外買収・合併等の範囲)第11条の2第1項に基づく海外買収・合併等の範囲は次の各号の通りである。
1.外国人が単独で又は次の各目に該当する者の分と合算して国家コア技術を保有する対象機関の株又は持分(将来に株又は持分に転換するか、株又は持分を引き受ける権利を含む。以下、同条において「株等」とする)を100分の50以上保有しようとする場合(100分の50未満を保有しようとする場合であって株等の最多保有者となり、保有機関の役員の選定や経営に支配的な影響力を行使できるようになった場合を含む)
  1. 外国人の配偶者、8新等以内の血族、4新等以内の親族
  2. 外国人が単独で又は主要株主や主要持分権者との契約又は合意により組織変更又は新規事業への投資等、主な意思決定や業務執行に支配的な影響力を行使できる会社
  3. 外国人が単独で又は主要株主や主要持分権者との契約又は合意により代表者を任免するか、役員の100分の50以上を選任することができる会社
  4. 2.外国人が国家コア技術を保有する対象機関の営業の全部又は主要部分の譲受・賃借又は経営の受任方式で保有機関を経営しようとする場合
    3.外国人が国家コア技術を保有する対象機関に資金を貸与するか出捐することにより過半数以上の役員の選任に支配的な影響力を行使できるようになった場合

    附則

    第1条(施行日)この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
    第2条(国家コア技術を保有する対象機関の海外買収・合併等に関する適用例)第11条の2の改正規定は同法施行以降産業通商資源部長官に海外買収・合併等の承認申請又は申告をした場合に適用する。

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