知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【代案】商標法の一部改正法律案(議案番号:2206923)
2024年12月24日
議案番号:2206923
提案日:2024年12月
提案者:産業通商資源中小ベンチャー企業委員長
1.代案の提案経緯
議案名 | 議案番号 | 代表発議者 | 発議日 | 審査経過 |
---|---|---|---|---|
商標法の一部改正法律案 | 2203213 | ク・ジャグン議員 | 2024.8.27. | ‐第418回国会(常会)第9次産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2024.11.20.)に上程後、提案説明、検討報告、大体討論を経て小委員会に回付 -第418回国会(常会)第2次産業通商資源特許小委員会(2024.11.26.)に上程、逐条審査及び議決(代案反映廃棄) |
同条 | 2204036 | キム・ドンア議員 | 2024.9.13. | 同条 |
- 第418回国会(常会)第2次産業通商資源特許小委員会(2024.11.26.)にて上記2件の法律案について審査した結果、各法律案を本会議に付議することなく、各法律案の内容を統合・調整して当委員会の代案を作成することにした。
- 第418回国会(常会)第10次産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2024.11.28.)にて産業通商資源特許小委員会が審査報告したとおり、上記2件の法律案について各本会議に付議する代わりに、産業通商資源特許小委員会が作成した代案を提案することを議決する。
- 商標登録出願に対する異議申立期間と商標登録出願の書類及び付属書類の閲覧期間を現行の2月から30日に短縮する(案第57条第3項及び第60条第1項)。
- 商標権又は専用使用権の侵害行為が故意的だと認められる場合に賦課する懲罰的損害賠償額の限度を損害額の3倍から5倍に引き上げる(案第110条第7項)。
2.代案の提案理由
現行法では、商標権又は専用使用権を侵害する行為を防止することにより健全な取引秩序を保ち、裁判所は侵害行為の故意性が認められる場合、損害として認められた金額の3倍を超えない範囲でその賠償額を決めるようにしている。しかし、商標権者に被害が発生しても商標権侵害による損害賠償の立証が難しく類似の商標を出願するか訴訟により商標権者が被害を受ける等紛争による社会的費用の増加と実質的な損害賠償が行われないとの指摘が提起されている。
一方、現行法は商標登録出願に係る出願公告制度を導入することで「出願公告日から2月内」に「商標登録出願書類等の一般人による閲覧」と「異議申立」を認めている。しかし、既に使用中の商標を出願するか商品の発売に合わせて商標を出願するといった商標出願の特性等を鑑みてこのような閲覧及び異議申立の期間を短縮すべきだとの意見がある。
従って、商標権侵害行為の故意性が認められる場合に賦課する懲罰的損害賠償額の限度を5倍に引き上げ、商標権侵害行為に対する先制的抑止及び被害救済の実効性を確保する一方、商標登録出願に対する異議申立期間等を30日に短縮することで、商標登録出願人の権利を適宜に保護し、商標を安定的に使用できるようにする目的である。
3.代案の主要内容
商標法の一部改正法律案
商標法の一部を次のように改正する。
第57条第3項の中「2月」を「30日」に改める。
第60条第1項各号外の部分の中「2月内」を「30日以内」に改める。
第110条第7項の中「3倍」を「5倍」に改める。附則
第1条(施行日)この法律は公布後6か月が経過した日から施行する。
第2条(損害賠償責任に関する適用例)第110条第7項に改正規定は同法の施行以降発生する違反行為から適用する。
第3条(商標登録出願に係る書類及び付属書類の閲覧期間に関する経過措置)同法の施行当時、既に出願公告された商標登録出願に係る書類及び付属書類の閲覧は第57条第3項の改正規定にも関わらず従前の規定に従う。
第4条(異議申立期間に関する経過措置)同法の施行当時、既に出願公告された商標登録出願に対する異議申立は第60条第1項の改正規定にも関わらず従前の規定に従う。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195