知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【代案】産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案(議案番号:2126217)

2024年01月08日

議案番号:2126217
提案日:2024年1月
提案者:産業通商資源中小ベンチャー企業委員長

1.代案の提案経緯

議案名 議案番号 代表発議者 発議日 審査経過
産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案 2113079 カン・フンシク議員 2021.11.2 -第397回国会(臨時会)第5次産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2022.5.19.)に上程後、提案説明、検討報告、大体討論を経て小委員会に回付
-第410回国会(常会)第2次産業通商資源特許小委員会(2023.11.29.)に上程、逐条審査及び議決(代案反映廃棄)
産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案 2121184 ハン・ムギョン議員 2023.4.6 -第408回国会(臨時会)第1次産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2023.7.12.)に上程後、提案説明、検討報告、大体討論を経て小委員会に回付
-第410回国会(常会)第2次産業通商資源特許小委員会(2023.11.29.)に上程、逐条審査及び議決(代案反映廃棄)
  1. 第410回国会(常会)第2次産業通商資源特許小委員会(2023.11.29.)で上記2件の法律案を審査した結果、各法律案を本会議に付議することなく、各法律案の内容を統合・調整して当委員会の代案として提案することにした。
  2. 第410回国会(常会)第13次産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2023.11.30.)で産業通商資源特許小委員会が審査報告したとおり、上記2件の法律案は各本会議に付議しない代わりに産業通商資源特許小委員会が作成した委員会の代案を提案することを議決する。
  3. 2.代案の提案理由

    世界で特許出願件数は毎年約3百万件に達し、それに関わって生成されたか収集されたデータは5億3,000万件(2022年時点の累計、特許庁発表)に達している。これを分析・加工して処理した産業財産情報は技術に関する具体的な内容のみならず、その技術を開発した人材や企業等が進出する国や市場現況等、産業・技術動向の分析に必要な様々な付加情報を含めている。
    したがって、産業財産情報を活用して世界の技術動向と韓国の技術競争力を客観的に把握することで、有望技術を発掘・保護することができ、企業は技術開発及び経営戦略を立てることができるため、産業財産情報の活用の価値は非常に高いと言える。
    また、最近世界的に技術覇権の争いが激化する中で韓国企業の技術流出・侵害の問題が相次いでいる現状を鑑みて、技術流出防止及び技術保護の上でも産業財産情報を活用するための立法的な措置が求められている。
    しかし、現行法では、産業財産情報と関連して「発明振興法」等に制限的に一部が規定されているのみならず、国家安全保障又は技術流出防止及び保護のために産業財産情報を活用できる法的根拠が不十分である。
    したがって、産業財産情報に特化した法律として「産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律」の改正により、産業財産情報を体系的に管理し、産業財産情報を分析・提供することで科学(R&D)・産業・経済・安全保障分野での国政運営を支援するのみならず、中小・ベンチャー企業等をはじめとする韓国企業の技術開発及び技術保護を支援することで産業財産情報の活用を促して産業競争力を強化し国民経済の発展に貢献する目的である。

    3.代案の主要内容

    1. この法律は産業財産情報の管理及び活用を促進する上で必要な事項を定めることで産業競争力を強化し国民経済の発展に貢献することを目的とする(案第1条)。
    2. 「発明振興法」第2条第4号に基づく産業財産権の発生・変更及び消滅過程で収集されたか生成された知的財産を産業財産として位置付け、産業財産の創出・保護及び活用段階において特許庁長が収集・生成したか、それを調査・分析・加工・連携する等の方法で処理した全ての種類の知識又は資料を産業財産情報として位置付ける(案第2条)。
    3. 特許庁長は産業財産情報の管理及び活用の促進に関する基本計画を関係する中央行政機関の長と協議して5年ごとに立てる(案第5条)。
    4. 収集・生成された産業財産情報を体系的に管理するために産業財産情報のデータベースを構築し、産業財産情報の効率的な収集・検索・加工・分析及び提供のために産業財産情報システムを構築・運営できるようにする(案第9条及び第10条)。
    5. 産業財産の分類情報の利用を促し、産業・経済等様々な部門での活用を拡散するために産業財産の分類情報と産業に関する標準分類等、他の分野の分類情報間の連携表を作成・活用する(案第11条)。
    6. 研究開発及び技術・産業関連の戦略の樹立・推進を効果的に支援するために、開示された産業財産情報を樹立・加工して利用するか収集・加工された情報を提供することを認める一方で、個人情報が含まれる産業財産情報の利用・提供においては情報主体の利益を不当に侵害する恐れがないと認められる場合に限る(案第14条)。
    7. 国家の安全保障又は国家の重大な利益と関連する技術等の流出防止及び保護のために必要な場合は、出願中の産業財産情報を利用するか関係する国家行政機関に提供することを認める(案第15条)。
    8. 公共及び民間の研究開発の効率的な推進を支援するために産業財産情報の動向及び戦略的調査・分析等を含む産業財産情報の活用施策を立て、研究開発の推進過程において産業財産情報の活用に取り組む(案第16条)。
    9. 産業財産情報に関わる専門人材の育成、教育・広報等裾野の拡大及び国際機構又は海外政府等との国際協力のために必要な政策を樹立・推進できるようにする(案第19条から第21条まで)。
    10. 民間の産業財産情報サービスの開発・常用化を促すための事業を推進する(案第23条)。
    11. 文書電子化機関等の役職員又は役職員として在籍していた者に対して職務上知った秘密を漏洩するか盗用することを禁じる(案第27条)。
    12. 産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案

      第1章 総則

      第1条(目的)この法律は産業財産情報の管理及び活用を促進する上で必要な事項を定めることで産業競争力を強化し国民経済の発展に貢献することを目的とする。
      第2条(定義)この法律で使用する用語の定義は次のとおりである。
      1.「産業財産」とは「発明振興法」第2条第4号に基づく産業財産権の発生・変更及び消滅の過程で収集されたか生成される知的財産のことを指す。
      2.「産業財産情報」とは産業財産の創出・保護及び活用段階において特許庁長が収集・生成するか、これを調査・分析・加工・連携する等の方法で処理した全ての種類の知識又は資料のことを指す。
      3.「産業財産の情報化」とは公共及び民間の研究開発の効率性を高めるか技術・産業関連の戦略の樹立・推進及び評価等が効果的に行われるよう産業財産情報を体系的に生産・管理・提供及び活用することを指す。
      4.「産業財産情報のデータベース」とは産業財産情報を体系的にまとめてユーザーが検索・活用できるように加工した情報の集合体のことを指す。
      5.「産業財産情報システム」とは産業財産情報の収集・生成・加工・保存・管理・検索・送信・受信及びその活用に関わる機器とソフトウェアの組織化された仕組みのことを指す。
      6.「産業財産診断」とは産業財産及び産業財産情報を総合的に調査・分析して体系的な研究開発及び事業化の戦略を提示することを指す。ただし、「発明振興法」第28条に基づく評価は除外する。
      第3条(国家等の責務)①国家は産業財産情報を体系的に管理し効率的に活用するための施策を講じ進めるべきである。
      ②国家、地方自治団体及び「公共機関の運営に関する法律」に基づく公共機関(以下、「公共機関」とする)は第1項に基づく施策に基づき、各機関の特性を鑑みて技術・産業関連の政策の樹立・推進及び評価等に産業財産情報の活用が促進されるよう取り組むべきである。
      ③国家、地方自治団体及び公共機関は産業財産情報の管理及び活用の促進とその基盤づくりのための施策が効果的に進められるよう互いに協力すべきである。
      第4条(他の法律との関係)産業財産情報の管理及び活用に関して他の法律に特別な規定がある場合を除いてはこの法律で定める規定に従う。

      第2章 産業財産情報の管理及び活用の促進政策の樹立

      第5条(基本計画の樹立)①特許庁長は5年ごとに産業財産情報の管理及び活用の促進に関する基本計画(以下、「基本計画」とする)を関係する中央行政機関の長と協議して樹立すべきである。
      ②基本計画には次の各号の事項が含まらなければならない。
      1.産業財産情報の管理及び活用の促進の基本方向・中長期の発展方向
      2.産業財産情報のデータベースの構築・管理
      3.産業財産情報システムの構築・運営及び連携
      4.産業財産情報の管理及び活用の促進に向けた関連法令・制度の見直し及び事業の推進
      5.民間の産業財産情報サービスの開発・常用化の促進
      6.産業財産情報に関わる国際協力
      7.その他産業財産情報の管理及び活用の促進のために必要な事項
      ③特許庁長は産業財産情報の管理及び活用のために必要な場合、関係する中央行政機関の長と協議して基本計画を変更できる。ただし、大統領令で定める軽微な事項を変更する場合には関係する中央行政機関の長と協議の手続きを行わなくても構わない。
      ④特許庁長は基本計画を樹立するか変更するために関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長及び公共機関の長に必要な資料の提出又は協調を求めることができる。この場合、関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長及び公共機関の長は特別な理由がなければこれに従わなければならない。
      ⑤基本計画の樹立及び変更に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第6条(施行計画の樹立)①特許庁長は基本計画に基づき毎年産業財産情報の管理及び活用の促進に関する施行計画(以下、「施行計画」とする)を樹立・施行しなければならない。
      ②施行計画の樹立・施行に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第7条(実態調査)①特許庁長は基本計画及び施行計画の樹立・施行及び評価のための基礎資料を確保するために毎年産業財産情報の需要及び活用等に関する実態調査を実施できる。
      ②特許庁長は第1項に基づく実態調査のために関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長、公共機関の長及び関連企業・法人又は団体等に対し必要な資料の提出又は協調を求めることができる。
      ③第1項に基づく実態調査の範囲及び方法等に関して必要な事項は大統領令で定める。

      第3章 産業財産情報の管理及び活用の支援

      第8条(産業財産の情報化事業の推進)①政府は産業財産の情報化を推進し、関連技術の研究開発の活性化を図るために必要な事業を進めるべきである。
      ②政府は第1項に基づく産業財産の情報化事業を進める機関又は団体に行政的・技術的・財政的な支援を行うことができる。
      第9条(産業財産情報のデータベースの構築・管理)①特許庁長は業務を行う過程で収集・生成された産業財産情報を体系的に管理するために産業財産情報のデータベースを構築できる。
      ②特許庁長は産業財産情報のデータベースの構築・管理等を目的に関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長、公共機関の長及び関連する企業・法人又は団体等に対し必要な資料の提出又は協調を求めることができる。この場合、要請を受けた行政機関の長等は特別な理由がなければこれに従わなければならない。
      第10条(産業財産情報システムの構築・運営)①特許庁長は産業財産情報の収集・検索・加工及び分析等の業務を効率的に行い、産業財産情報のユーザーに産業財産情報を円滑に提供するために産業財産情報システムを構築・運営できる。
      ②特許庁長は産業財産情報システムの構築・運営のために必要な場合、関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長及び公共機関の長に対し当該の機関が運営する情報システムとの連携を求めることができる。この場合、要請を受けた行政機関の長等は特別な理由がなければこれに従わなければならない。
      第11条(分類情報の利用促進)①特許庁長は産業財産情報の体系的な管理及び効果的な活用をために「特許法」第58条に基づく特許分類、「商標法」第51条に基づく商品分類等、産業財産に関する分類情報の利用を促すべきである。
      ②政府は産業財産情報の活用価値を高めて産業・経済等様々な部門へ活用を拡散するために第1項に基づく分類情報と「統計法」第22条に基づく産業に関する標準分類、「化学技術基本法」第27条に基づく国家科学技術標準分類表等、他の分野の分類情報間の連携表を作成・活用できる。
      ③第2項に基づく分類情報間の連携表の作成手続き及び方法等に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第12条(産業財産文書の電子化業務)①特許庁長は「特許法」・「実用新案法」・「デザイン保護法」及び「商標法」に基づく特許・実用新案・意匠及び商標に関する手続きを効率的に処理するために産業財産の出願、審査、審判、再審及びその他の手続きで提出又は生成された文書(以下、「産業財産文書」とする)を電算情報処理組織課とその組織の技術を活用して電子化する業務又はこれと類似の業務(以下、「産業財産文書の電子化業務」とする)を行うことができる。
      ②特許庁長は「特許法」第28条の3第1項、「実用新案法」第3条、「デザイン保護法」第30条第1項、「商標法」第30条第1項に基づく電子文書として提出されていない出願書、その他産業通商資源部令で定める産業財産文書を第1項に基づき電子化し、特許庁又は特許審判院で使用する電算情報処理組織のファイルに収録できる。
      ③第2項に基づきファイルに収録された内容は当該の文書に記載されている内容と同一であるとみなす。
      ④第1項から第3項までに基づく産業財産文書の電子化業務の遂行方法等に関して必要な事項は産業通商資源部令で定める。
      ⑤特許庁長は産業財産文書の電子化業務を産業通商資源部令で定める施設及び人材を備えている機関又は団体に委託できる。
      ⑥特許庁長は第5項に基づき産業財産文書の電子化業務を委託された機関又は団体(以下、「文書電子化機関」とする)が第5項に基づく施設及び人材の基準に満たない場合又は役職員が職務上知った出願中の産業財産(国際出願中の産業財産及び「デザイン保護法」第43条第1項に基づく秘密意匠を含む。以下同一である)に関して秘密を漏洩したか盗用した場合、是正を求めることができ、文書電子化機関が是正の求めに従わない場合は、産業財産文書電子化の業務委託を取り消すことができる。
      第13条(統計・指標の調査・分析)①特許庁長は公共及び民間の技術・産業関連の戦略の樹立・推進及び評価等に活用する目的として産業財産及び産業財産情報と関連する統計や指標を調査・分析すべきである。
      ②特許庁長は第1項に基づく統計と指標の改善を図る施策を樹立・推進すべきである。
      ③特許庁長は第1項に基づく統計と指標を調査・分析するために関係する中央行政機関の長、地方自治団体の長、公共機関の長及び関連企業・法人又は団体等に対し必要な資料の提出又は協調を求めることができる。この場合、要請を受けた者は特別な理由がなければこれに従わなければならない。
      ④特許庁長は産業財産の貿易統計に関する調査・分析をために必要な場合、企画財政部長官に大統領令で定める資料の提出を求めることができる。この場合、企画財政部長官は「外国為替取引法」第21条及び第22条にかかわらず、求められた資料を提供できる。
      ⑤第1項に基づく調査・分析の対象と方法等に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第14条(産業財産情報の利用及び提供)①特許庁長は公共及び民間の研究開発の効率性を高めて技術・産業関連の連略の樹立・推進及び評価等を効果的に支援するために「特許法」・「実用新案法」・「商標法」・「デザイン保護法」に基づき開示された産業財産情報を収集・加工して利用するか、収集・加工された情報を提供できる。この場合、個人情報が含まれる産業財産情報の利用及び提供は情報主体の利益を不当に侵害する可能性がないと認められる場合として次の各号のいずれかに該当する場合に限る。
      1.第5条及び第6条に基づく基本計画及び施行計画の樹立・推進等産業財産情報の管理及び活用促進の政策の樹立・推進のために利用する場合
      2.出願・登録現況等の情報をまとめて提供する場合
      3.その他に公共及び民間の研究開発の効率性を高めて技術・産業関連の戦略の樹立・推進及び評価等を効果的に支援するために必要な場合として大統領令で定める場合
      ②特許庁長は第1項に基づき情報の提供を求める者に対し実費の範囲で大統領令で定める手数料を受け取ることができる。
      ③その他に産業財産情報の利用及び提供に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第15条(国家安全保障等目的の情報提供)①特許庁長は国家の安全保障又は国家の重大に利益と関連する技術等の流出防止及び保護のために必要な場合、出願中の産業財産情報を利用するか関係する国家行政機関に提供できる。
      ②第1項に基づき利用・提供する産業財産情報の内容及び手続等に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第16条(公共及び民間の研究開発での情報活用)①特許庁長は産業財産情報を効果的に活用することで公共及び民間の研究開発の効率的な推進を支援するために次の各号の施策を樹立・推進すべきである。
      1.未来有望技術及び研究開発課題の発掘のための産業財産情報の動向調査
      2.研究開発課題の効率的な推進のために全体の研究開発期間の間の産業財産情報の戦略的調査・分析
      3.標準特許創出のための産業財産情報の戦略的調査・分析
      4.研究開発成果の評価・移転・取引及び事業化等における産業財産情報の活用に向けた支援
      5.次の各目のいずれかに該当する者に対する産業財産情報の調査・分析の力量強化に向けた支援
      イ.科学・産業技術分野の研究者
      ロ.「国家研究開発革新法」第2条第4号に基づく専門機関
      ハ.「知識財産基本法」第3条第4号に基づく公共研究機関(以下、「公共研究機関」とする)
      ニ.「知識財産基本法」第3条第5号に基づく事業者等(以下、「事業者等」とする)
      ホ.その他に公共及び民間の研究開発の効率的な推進のために産業財産情報の活用が必要な事項
      ②科学・産業技術分野の研究者、公共研究機関及び事業者等は研究開発の効率性及び成果を向上させるために研究開発を進める過程において産業財産情報の活用に取り組むべきである。
      第17条(産業財産診断機関の指定等)①特許庁長は企業及び研究機関等の産業財産診断を効果的に行うために大統領令で定める施設及び人材を備えている国公立の研究機関、政府出捐研究機関、民間研究機関又は産業財産診断を専門的に行う機関又は団体を産業財産診断機関(以下、「診断機関」とする)として指定できる。
      ②特許庁長は診断機関が実施した産業財産診断に使われた費用の全部又は一部を予算の範囲で支援できる。
      ③特許庁長は診断機関が次の各号のいずれかに該当する場合、その指定を取り消すか6か月以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。ただし、第1号に該当する場合、その指定を取り消さなければならない。
      1.嘘やその他の不正な方法で診断機関の指定を受けた場合
      2.産業財産診断を行う能力を失っている場合
      3.第1項に基づく指定基準に満たしていない場合
      ④この法律に基づく診断機関ではない者は産業財産診断機関又はこれと類似の名称を使用できない。
      ⑤第1項に基づく診断機関の指定手続き及び第3項に基づく行政処分の細部基準等に関して必要な事項は大統領令で定める。

      第4章 産業財産情報の管理及び活用の促進に向けた基盤構築

      第18条(産業財産情報化の研究開発への支援)①政府は産業財産情報の管理及び活用と関連する技術、サービス及びソフトウェアに関する研究開発を促進に取り組むべきである。
      ②政府は第1項に基づく研究開発を効率的に進めるために必要な場合、関連機関又は団体に研究開発の遂行を行わせることができる。この場合、政府は研究開発を行う上で必要な費用の全部又は一部を支援できる。
      ③政府は第1項及び第2項に基づき行われた研究開発の成果(研究開発の結果物及び研究開発を行う過程で投入されたか生成された研究に関わる資機材・材料・物品等を含む)が民間部門に円滑に移転されるよう努力すべきである。
      第19条(専門人材の育成)政府は産業財産情報に関連する専門人材(以下、「専門人材」とする)の育成に向けて次の各号の政策を樹立・推進できる。
      1.専門人材の需要の実態把握及び中長期の需給計画
      2.専門人材の育成教育・訓練プログラムの開発及び活用
      3.専門人材の雇用創出の支援
      4.その他に産業財産情報に関連する専門人材の育成のために必要な事項
      第20条(認識向上及び裾野拡大)政府は産業財産情報の重要性に対する国民の社会的な認識を高め、その活用基盤を拡大するために次の各号の事業を推進できる。
      1.科学・産業技術・意匠分野の研究者等向け産業財産情報の活用教育
      2.産業財産情報の活用の優秀事例の発掘及び褒賞
      3.産業財産情報の活用を促すための広報及び刊行物等資料の発刊
      4.その他に産業財産情報の活用に対する認識向上等のために必要な事項
      第21条(国際協力)政府は産業財産情報に関連する国際協力の活性化を図るために国際機構・海外政府・企業又は団体等と次の各号の政策を樹立・推進できる。
      1.国際機構又は海外政府との産業財産情報の相互交換
      2.産業財産情報に関連する国際共同調査・研究への支援
      3.産業財産情報に関連する技術・人材の交流への支援
      4.産業財産情報に関連する国際標準化活動への支援
      5.産業財産情報に関連する技術・システムの輸出又は導入
      6.その他に産業財産情報に関連する国際協力の活性化を図るために必要な事項
      第22条(セキュリティ及び品質管理)①特許庁長は産業財産情報のデータベース及び産業財産情報システムへの不正なアクセスや利用又は産業財産情報の偽造・変造・毀損又は流出を防止するために必要なセキュリティ対策を樹立・施行すべきである。
      ②特許庁長は産業財産情報の正確性と信頼性を確保するために品質の診断・評価及び改善支援等、産業財産情報の品質管理に必要な措置を取らなければならない。
      ③第2項に基づく品質管理の対象、基準及び手続き等に関して必要な事項は大統領令で定める。
      第23条(民間の産業財産情報サービスの開発・常用化の促進)政府は民間の産業財産情報サービスの開発・常用化を促進するために次の各号の事業を推進できる。
      1.民間の産業財産情報化の研究開発への支援
      2.民間の産業財産情報サービスに対する政府による購買及び海外市場進出への支援
      3.民間の産業財産情報サービスの広報を目的に博覧会・展示会等イベントの開催
      4.優秀な産業財産情報サービスの事業者及び創業事例に対する褒賞
      5.その他に民間の産業財産情報サービスの開発・常用化を促すために必要な事業
      第24条(韓国特許情報院の設立等)①産業財産情報化及び産業財産情報の活用の基盤構築に関する事業を効率的に支援する目的として韓国特許情報院(以下、「情報院」とする)を設立する。
      ②情報院は法人とする。
      ③情報院はその拠点となる事務所の所在地での設立登記により成立する。
      ④情報院は次の各号の事業を行う。
      1.産業財産情報のデータベースの構築・管理への支援
      2.産業財産情報システムの構築・運営及び連携への支援
      3.産業財産情報の加工及び普及への支援
      4.産業財産の統計及び情報検索サービスの提供
      5.産業財産情報化の研究開発及び成果の民間移転への支援
      6.民間の産業財産情報サービスの開発・常用化の促進への支援
      7.産業財産情報に関連する国際協力への支援
      8.産業財産情報化等に関する顧客支援
      9.その他に産業財産情報化等と関連して特許庁長が委託する業務
      ⑤情報院は第4項に基づく事業の遂行に必要な財源を調達するために大統領令で定める収益事業を行うことができる。
      ⑥政府は予算の範囲で情報院に対し事業費と運営に必要な経費を支援できる。
      ⑦この法律に基づく情報院ではない者は韓国特許情報院又はこれと類似の名称を使用できない。
      ⑧情報院に関してこの法律又は「公共機関の運営に関する法律」で定める事項以外には「民法」上、財団法人に関する規定を準用する。
      ⑨特許庁長は情報院の業務を指導・監督する。
      第25条(韓国特許戦略開発院の設立等)①中央行政機関、地方自治団体及び公共研究機関等の産業財産戦略の樹立及び研究開発の遂行に関する事業を効率的に支援するために韓国特許戦略開発院(以下、「戦略院」とする)を設立する。
      ②戦略院は法人とする。
      ③戦略院はその拠点となる事務所の所在地での設立登記により成立する。
      ④戦略院は次の各号の事業を行う。
      1.産業財産情報の調査・分析の支援
      2.研究企画段階における産業財産情報の動向調査の支援
      3.研究開発過程における産業財産の創出戦略の支援
      4.標準特許の創出の支援
      5.国家研究開発の産業財産成果の調査・分析及び管理
      6.産業財産連携の研究開発の戦略に関わる政策の研究・実態調査及び成果分析
      7.その他に産業財産戦略の樹立及び効率的な研究開発の遂行と関連して関係する中央行政機関の長が委託する業務
      ⑤戦略院は第4項に基づく事業の遂行に必要な財源を調達するために大統領令で定める収益事業を行うことができる。
      ⑥政府は予算の範囲で戦略院に対し事業費と運営に必要な経費を支援できる。
      ⑦この法律に基づく戦略院ではない者は韓国特許戦略開発院又はこれと類似の名称を使用できない。
      ⑧戦略院に関してこの法律又は「公共機関の運営に関する法律」で定める事項以外には「民法」上、財団法人に関する規定を準用する。
      ⑨特許庁長は戦略院の業務を指導・監督する。

      第5章 補則

      第26条(業務の委託)①特許庁長はこの法律に基づく業務の一部を大統領令で定める規定に基づき文書電子化機関、診断機関、情報院、戦略院又はその他の関連機関・法人又は団体に委託できる。
      ②特許庁長は第1項に基づき業務を委託する場合、必要な経費の全部又は一部を支援できる。
      第27条(守秘義務)次の各号のいずれかに該当する機関・法人・団体の役職員又は役職員として在籍していた者は職務上知った秘密を漏洩するか盗用してはいけない。
      1.文書電子化機関
      2.第15条に基づき情報を提供された関係する国家行政機関
      3.情報院
      4.戦略院
      5.第26条に基づき業務の一部を委託された機関・法人又は団体
      第28条(聴聞)特許庁長は次の各号のいずれかに該当する処分をする際には聴聞を行うべきである。
      1.第12条第6項に基づく文書電子化機関の産業財産文書の電子化業務の委託の取消
      2.第17条第3項に基づく診断機関の指定取消又は業務の停止
      第29条(罰則の適用における公務員擬制)文書電子化機関の役職員又は第26条に基づき特許庁長が委託した業務に従事する機関・法人又は団体の役職員は「刑法」第129条から第132条までの規定を適用する際には公務員とみなす。

      第6章 罰則

      第30条(罰則)①第27条を違反して職務上知った出願中の産業財産に関する秘密を漏洩したか盗用した者は5年以下の懲役又は5,000万ウォン以下の罰金を科す。
      ②第27条を違反して職務上知った秘密(第1項で定める出願中の産業財産に関する秘密は除外する)を漏洩したか盗用した者は3年以下の懲役又は3,00 0万ウォン以下の罰金を科す。
      第31条(罰金)①次の各号のいずれかに該当する者に対し1,000万ウォン以下の罰金を科す。
      1.第17条第4項を違反して産業財産診断機関又はこれと類似の名称を使用した者
      2.第24条第7項を違反して韓国特許情報院又はこれと類似の名称を使用した者
      3.第25条第7項を違反して韓国特許戦略開発院又はこれと類似の名称を使用した者
      ②第1項に基づく罰金は大統領令で定める規定に基づき特許庁長が賦課・徴収する。

      附則

      第1条(施行日)この法律は公布後6か月が経過した日から施行する。
      第2条(産業財産診断機関の指定に関する経過措置)この法律の施行当時、従前の「発明振興法」第36条に基づき産業財産権診断機関として指定された者はこの法律の第17条に基づき診断機関として指定されたものとみなす。
      第3条(韓国特許情報院の設立に基づく経過措置)この法律の施行当時、従前の「発明振興法」第20条の3に基づき設立された韓国特許情報院はこの法律の第24条に基づき設立された情報院とみなす。
      第4条(韓国特許戦略開発院に関する経過措置)この法律の施行当時、従前の「発明振興法」第55条の5に基づき設立された韓国特許戦略開発院はこの法律の第25条に基づき設立された戦略院とみなす。
      第5条(他の法律の改正)①デザイン保護法の一部を次のように改正する。
      第207条第1項第2号中「第208条第2項に基づく意匠文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項に基づく産業財産文書」にする。
      第208条を削除する。
      第226条中「専門機関又は第208条に基づく意匠文書の電子化機関」を「専門機関」にする。
      ②商標法の一部を次のように改正する。
      第216条第1項第2号中「第217条第2項に基づく商標文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項に基づく産業財産文書」にする。
      第217条を削除する。
      ③特許法の一部を次のように改正する。
      第217条第1項第2号中「第217条の2第1項に基づく特許文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項に基づく産業財産文書」にする。
      第217条の2を削除する。
      第226条の2第1項中「専門機関、第58条第3項に基づく専担機関又は特許文書の電子化機関」を「専門機関又は第58条第3項に基づく専担機関」にする。
      ④実用新案法の一部を次のように改正する。
      第43条中「専門機関又は第44条に基づき準用する「特許法」第217条の2第3項に基づく特許文書の電子化機関」を「専門機関」にする。
      第44条中「第217条、第217条の2」を「第217条」にする。
      第6条(他の法令との関係)この法律の施行当時、他の法令で従前の「特許法」、「実用新案法」、「デザイン保護法」、「商標法」、「発明振興法」の規定を引用した場合、この法律の中でそれに該当する規定があれば、従前の規定に代わってこの法律の該当する規定を引用するものとみなす。

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