知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【法案提出】下請取引の公正化に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2122452)
2023年06月01日
議案番号:2122452
提案日:2023年6月1日
提案者:キム・ギョンマン(共に民主党)議員外10人
提案理由及び主要内容
技術奪取の被害を受けた企業が損害賠償訴訟で被害に相応する金額を賠償してもらうには、損害の証明と損害額の算定に必要な資料だけでなく、違反行為の存在を証明できる資料が必要であるが、委託元が技術資料を流用したか否かや技術奪取による被害の範囲等に関する証拠を下請事業者が確保することは、事実上、不可能に近いほど難しい作業である。
このような問題を解決するために、現行法第35条の2は、損害賠償請求訴訟で裁判所が相手方の当事者に資料提出を命じられるよう規定しているものの、資料の確保が実効性に欠けており、現行法第35条第4項は、損害賠償請求訴訟で裁判所が公正取引委員会に資料の送付を要求できると規定しているものの、裁判所の送付要求は公正取引委員会に資料提出を義務付けていない。
そのため、深みのある調査を通じて既に多様な証拠資料を確保している公正取引委員会から裁判所が資料を提出してもらえる法的根拠を設けることにより、被害企業が損害賠償請求訴訟で迅速かつ効率的に被害を回復できる案を立てようとするものである(案第35条の2等)。
下請取引の公正化に関する法律の一部改正法律案
下請取引の公正化に関する法律の一部を次のように改正する。
第35条第4項中「第110条及び第115条を」を「第115条を」に改める。
第35条の2第1項本文中「当事者に」を「当事者又は公正取引委員長に」に、「損害の」を「違反事実の証明、損害の」に改め、同条第2項前段中「者が」を「相手方の当事者又は公正取引委員長が」とし、同条第3項前段中「提出対象となる」を「提出命令を受けた相手方の当事者の」に、「損害の」を「当該違反事実の証明、損害の」に改め、同条第4項前段中「者が」を「相手方の当事者が」とし、同条に第5項を次のように新設する。
⑤第1項による提出命令を受けた公正取引委員長が正当な理由なしにその命令に従わないときは、「民事訴訟法」第351条の規定を準用する。附則
この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
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