知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 【法案提出】産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2121375)

2023年04月14日

議案番号:2121375
提案日:2023年4月14日
提案者:ク・ジャグン(国民の力)議員外11人

提案理由

現行法は、産業技術の流出と侵害行為を禁止する規定を設け、産業技術を外国で使用するか使用させる目的で流出及び侵害行為をした者は、15年以下の懲役又は15億ウォン以下の罰金に処するよう規定している。
ところが、産業技術として指定されている韓国の重要技術が海外に流出する場合、国の安全保障及び国民経済に否定的な影響を与え、韓国産業のグローバル競争力を弱める要因となりかねないことから、産業現場では、産業技術の流出と侵害行為がその厳重さに比べて立証要件が過度なため要件を緩和する必要があり、産業技術を海外に流出させた者に対して量刑を重くし、身元を公開する等の処罰を強化することを求める声が高まっている。
したがって、産業技術侵害行為の要件を緩和し、侵害行為に対する処罰を強化するとともに、産業技術を流出させたか侵害行為をした者に対しては、身元情報を公開させることで、国内の産業技術を保護し、国内産業の競争力を強化しようとするものである。

主要内容

  1. 産業技術に対する秘密保持義務がある者が、特殊媒体記録の返還や産業技術の削除を求められたにもかかわらず、対象機関に損害が発生することを知りながらそれを拒否又は忌避するか、その写しを保有する行為を侵害行為に含める(案第14条第6号の3)。
  2. 産業技術を外国で使用するか使用させる目的で当該行為をした者は、20年以下の懲役又は20億ウォン以下の罰金に処する(案第36条第2項)。
  3. 裁判所は、産業技術海外流出者の身元情報を、情報通信網を利用して公開させる命令を言い渡せるようにする(案第36条の3新設)。

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案

産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
第14条第6号の3中「対象機関に損害を与える目的で」を「対象機関に損害が発生することを知りながら」に改める。
第36条第2項中「15年」を「20年」に、「15億ウォン」を「20億ウォン」に改める。
第36条の3を次のように新設する。
第36条の3(産業技術海外流出者の身元情報の公開等)①裁判所は、第36条(同じ罪を犯す目的で準備や陰謀をした者及び未遂犯を含む。)の犯罪をした者に対し、判決で氏名、住民登録番号及び当該犯罪の要旨を最長10年の範囲内で情報通信網を利用して公開させる命令を当該事件の判決と同時に言い渡すことができる。
②第1項による情報の公開期間は、判決が確定した時から起算する。ただし、公開命令を受けた者が実刑を言い渡された場合は、その刑の全部又は一部の執行を終了するか、執行が免除された時から起算する。
③第1項による情報公開の方法及び手続き、公開命令の執行等に必要な事項は、大統領令で定める。

附則

第1条(施行日)この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
第2条(身元情報等の公開命令に関する適用例)第36条の3の改正規定は、この法律の施行後、第36条に対する犯罪に該当する行為により有罪判決を言い渡す場合から適用する。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195