知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案(議案番号:2121184)

2023年04月06日

議案番号:2121187
提案日:2023年4月6日
提案者:ハン・ムギョン議員外9人

提案理由

世界中の特許出願は毎年約3百万件に上っており、この過程で生成されたか収集されたデータは5億3千万件(2022年基準累積、特許庁発表)に及んでいる。それを分析・加工して処理した産業財産情報は、技術の具体的な内容だけでなく、その技術を開発した人材と企業等が進出しようとしている国や市場現況等、産業・技術動向の分析に必要な多様な付加情報を含んでいる。
したがって、産業財産情報を通じて世界中の技術動向と韓国の技術競争力を客観的に把握することで有望技術を発掘・保護することができ、企業は技術開発及び経営戦略を策定できることから、産業財産情報の活用価値は非常に高いといえる。
また、最近グローバル技術覇権争いが激化しており、韓国企業の技術の流出・侵害問題が続いている状況であることを考慮したとき、技術の流出を防止し、技術を保護する上でも産業財産情報を活用するための立法的措置が求められる時点である。
しかし、現行の法律は、産業財産情報と関連し「発明振興法」等に制限的に一部のみ規定しているだけでなく、国の安全保障又は技術の流出防止及び保護に向けて産業財産情報を活用できる法的根拠としては不十分なのが実情である。
そのため、産業財産情報に特化した法律として「産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律」を制定することにより、産業財産情報を体系的に管理し、産業財産情報を分析・提供して科学(R&D)・産業・経済・安全保障分野で国政運営を支援するだけでなく、中小・ベンチャー企業等をはじめとする韓国企業の技術開発及び技術保護を支援することで、産業財産情報の活用を促進して産業競争力を強化し、国民経済の発展に貢献しようとするものである。

主要内容

  1. この法律は、産業財産情報の管理及び活用を促進する上で必要な事項を定めることで、産業競争力を強化し、国民経済の発展に貢献することを目的とする(案第1条)。
  2. 「発明振興法」第2条第4号に基づく産業財産権の発生・変更及び消滅の過程において収集されるか生成される知的財産を産業財産と定義し、産業財産の創出・保護及び活用段階において、特許庁長が収集・生成するか、それを調査・分析・加工・連携する等の方法で処理したすべての種類の知識又は資料を産業財産情報と定義する(案第2条)。
  3. 特許庁長は、産業財産情報の管理及び活用の促進に関する基本計画を関連中央行政機関の長と協議して5年ごとに策定する(案第5条)。
  4. 収集・生成された産業財産情報を体系的に管理するために、産業財産情報データベースを構築・管理し、産業財産情報の効率的な収集・検索・加工・分析及び提供のために、産業財産情報システムを構築・運営できるようにする(案第9条及び第10条)。
  5. 産業財産分類情報の利用を促進し、産業・経済等多様な部門への活用を普及させるために、産業財産分類情報や産業に関する標準分類等他分野の分類情報間連携表を作成・活用するようにする(案第11条)。
  6. 研究開発及び技術・産業関連戦略の策定・推進を効果的に支援するために、公開されている産業財産情報を収集・加工して利用するか、収集・加工された情報を提供できるようにする一方、個人情報が含まれている産業財産情報の利用・提供は、情報主体の利益を不当に侵害するおそれがないと認められる場合に限定する(案第14条)。
  7. 国の安全保障又は国民の経済活動に重大な影響を及ぼす技術等の流出防止及び保護のために、必要な場合、出願中の産業財産情報を利用するか、関連国家行政機関に提供できるようにする(案第15条)。
  8. 公共及び民間における研究開発の効率的な推進を支援するために、産業財産情報の動向及び戦略的調査・分析等を含む産業財産情報活用施策を策定するようにし、研究開発の推進過程において、産業財産情報の活用に向けて取り組むようにする(案第16条)。
  9. 産業財産情報関連専門人材の育成、教育・広報等の裾野拡大及び国際機関又は外国政府等との国際協力のために必要な政策を策定・推進できるようにする(案第19条から第21条まで)。
  10. 民間における産業財産情報サービスの開発・実用化を促進するための事業を推進するようにする(案第23条)。
  11. 文書電子化機関等の従業員又は従業員であった人に、職務上知り得た秘密を漏洩するか盗用できないように義務を付ける(案第27条)。

産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律案

第1章 総則

第1条(目的)この法律は、産業財産情報の管理及び活用を促進する上で必要な事項を定めることにより、産業競争力を強化し、国民経済の発展に貢献することを目的とする。
第2条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次のとおりである。
1.「産業財産」とは、「発明振興法」第2条第4号に基づく産業財産権の発生・変更及び消滅の過程において収集されるか生成される知的財産をいう。
2.「産業財産情報」とは、産業財産の創出・保護及び活用段階において、特許庁長が収集・生成するか、それを調査・分析・加工・連携する等の方法で処理したすべての種類の知識又は資料をいう。
3.「産業財産の情報化」とは、公共及び民間の研究開発の効率性を高めるか、技術・産業関連戦略の策定・推進及び評価等が効果的に行われるよう、産業財産情報を体系的に生産・管理・提供及び活用することをいう。
4.「産業財産情報データベース」とは、産業財産情報を体系的に整理することにより、使用者が検索し活用できるよう加工した情報の集合体をいう。
5.「産業財産情報システム」とは、産業財産情報の収集・生成・加工・保存・管理・検索・送信・受信及びその活用と関連する機器とソフトウェアの組織化した体系をいう。
6.「産業財産診断」とは、産業財産及び産業財産情報を総合的に調査・分析して体系的な研究開発及び事業化の戦略を提示することをいう。ただし、「発明振興法」第28条による評価は除く。
第3条(国等の責務)①国は、産業財産情報を体系的に管理し、効率的に活用するための施策を講じて推進しなければない。
②国、地方自治体及び「公共機関の運営に関する法律」による公共機関(以下「公共機関」という。)は、第1項による施策に基づき、各機関の特性を考慮して、技術・産業関連政策の策定・推進及び評価等に産業財産情報の活用が促進されるよう取り組まなければならない。
③国・地方自治体及び公共機関は、産業財産情報の管理及び活用の促進とその基盤づくりのための施策が効果的に推進されるよう、互いに協力しなければならない。
第4条(他法律との関係)産業財産情報の管理及び活用に関し、他法律に特別な規定がある場合を除き、この法律に定めることに従う。

第2章 産業財産情報の管理及び活用の促進の政策の策定

第5条(基本計画の策定)①特許庁長は、5年ごとに産業財産情報の管理及び活用の促進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を関連中央行政機関の長と協議して策定しなければならない。
②基本計画には、次の各号の事項が含まれなければならない。
1.産業財産情報の管理及び活用の促進の基本的方向性・中長期的な発展の方向性
2.産業財産情報データベースの構築・管理
3.産業財産情報システムの構築・運営及び連携
4.産業財産情報の管理及び活用の促進に向けた関連法令・制度の整備及び事業の推進
5.民間における産業財産情報サービスの開発・実用化の促進
6.産業財産情報関連国際協力
7.その他、産業財産情報の管理及び活用の促進に向けて必要な事項
③特許庁長は、産業財産情報の管理及び活用のために、必要な場合、関連中央行政機関の長と協議して基本計画を変更することができる。ただし、大統領令で定める軽微な事項を変更する場合は、関連中央行政機関の長との協議手続きを経ないことができる。
④特許庁長は、基本計画を策定するか変更するために、関連中央行政機関の長、地方自治体の長及び公共機関の長に必要な資料の提出又は協力を要請することができる。この場合、関連中央行政機関の長、地方自治体の長及び公共機関の長は、特別な理由がなければその要請に応じなければならない。
⑤基本計画の策定及び変更に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第6条(施行計画の策定)①特許庁長は、基本計画に基づき、毎年産業財産情報の管理及び活用の促進に関する施行計画(以下「施行計画」という。)を策定・施行しなければならない。
②施行計画の策定・施行に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第7条(実態調査)①特許庁長は、基本計画及び施行計画の策定・施行及び評価のための基礎資料を確保するために、毎年産業財産情報の需要及び活用等に関する実態調査を実施することができる。
②特許庁長は、第1項による実態調査のために、関連中央行政機関の長、地方自治体の長、公共機関の長及び関連企業・法人又は団体等に必要な資料の提出又は協力を要請することができる。
③第1項による実態調査の範囲及び方法等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

第3章 産業財産情報の管理及び活用の支援

第8条(産業財産の情報化事業の推進)①政府は、産業財産の情報化を促進し、関連技術の研究開発を活性化するために必要な事業を推進しなければならない。
②政府は、第1項による産業財産の情報化事業を推進する機関又は団体に行政的・技術的・財政的支援を行うことができる。
第9条(産業財産情報データベースの構築・管理)①特許庁長は、業務の遂行過程において収集・生成された産業財産情報を体系的に管理するために、産業財産情報データベースを構築することができる。
②特許庁長は、産業財産情報データベースの構築・管理等のために、関連中央行政機関の長、地方自治体の長、公共機関の長及び関連企業・法人又は団体等に必要な資料の提出又は協力を要請することができる。この場合、要請を受けた行政機関の長等は、特別な理由がなければそれに応じなければならない。
第10条(産業財産情報システムの構築・運営)①特許庁長は、産業財産情報の収集・検索・加工及び分析等の業務を効率的に遂行し、産業財産情報の利用者に産業財産情報を円滑に提供するために、産業財産情報システムを構築・運営することができる。
②特許庁長は、産業財産情報システムの構築・運営のために、必要な場合、関連中央行政機関の長、地方自治体の長及び公共機関の長に当該機関が運営する情報システムとの連携を要請することができる。この場合、要請を受けた行政機関の長等は、特別な理由がなければそれに応じなければならない。
第11条(分類情報の利用の促進)①特許庁長は、産業財産情報の体系的管理及び効果的活用のために、「特許法」第58条による特許分類、「商標法」第51条による商品分類等産業財産に関する分類情報の利用を促進しなければならない。
②政府は、産業財産情報の活用価値を高め、産業・経済等多様な部門への活用を普及させるために、第1項による分類情報や「統計法」第22条による産業に関する標準分類、「科学技術基本法」第27条による国家科学技術標準分類表等他分野の分類情報間連携表を作成・活用することができる。
③第2項による分類情報間連携表の作成手続き及び方法等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第12条(産業財産文書の電子化業務)①特許庁長は、「特許法」・「実用新案法」・「デザイン保護法」及び「商標法」に基づく特許・実用新案・デザイン及び商標に関する手続きを効率的に処理するために、産業財産の出願、審査、審判、再審及びその他の手続きにおいて提出又は生成された文書(以下「産業財産文書」という。)を電算情報処理組織とその組織の技術を活用して電子化する業務又はそれと類似の業務(以下「産業財産文書の電子化業務」という。)を行うことができる。
②特許庁長は、「特許法」第28条の3第1項、「実用新案法」第3条、「デザイン保護法」第30条第1項、「商標法」第30条第1項による電子文書で提出されていない願書やその他産業通商資源部令で定める産業財産文書を第1項に基づいて電子化し、特許庁又は特許審判院で使用する電算情報処理組織のファイルに収録することができる。
③第2項に基づいてファイルに収録された内容は、当該文書に書いてある内容と同様のものとみなす。
④第1項から第3項までの規定による産業財産文書の電子化業務の遂行方法等に関して必要な事項は、産業通商資源部令で定める。
⑤特許庁長は、産業財産文書の電子化業務を、産業通商資源部令で定める施設及び人材を備えた機関又は団体に委託して遂行させることができる。
⑥特許庁長は、第5項により産業財産文書の電子化業務を委託された者(以下「文書電子化機関」という。)が第5項による施設及び人材の基準を満たさない場合又は従業員が職務上知り得た出願中の産業財産(国際出願中の産業財産及び「デザイン保護法」第43条第1項に基づく秘密デザインを含む。以下同じ。)に関して秘密を漏洩するか盗用した場合、是正を求めることができ、文書電子化機関が是正要求に応じない場合、産業財産文書の電子化業務の委託を取り消すことができる。
第13条(統計・指標の調査・分析)①特許庁長は、公共及び民間の技術・産業関連戦略の策定・推進及び評価等に活用するために、産業財産及び産業財産情報と関連する統計と指標を調査・分析しなければならない。
②特許庁長は、第1項による統計と指標の改善に向けた施策を策定・推進しなければならない。
③特許庁長は、第1項による統計と指標を調査・分析するために、関連中央行政機関の長、地方自治体の長、公共機関の長及び関連企業・法人又は団体等に必要な資料の提出又は協力を要請することができる。この場合、要請を受けた者は、特別な理由がなければそれに応じなければならない。
④特許庁長は、産業財産の貿易統計に関する調査・分析のために、必要な場合、企画財政部長官に大統領令で定める資料の提出を要請することができる。この場合、企画財政部長官は、「外国為替取引法」第21条及び第22条にもかかわらず、要請された資料を提供することができる。
⑤第1項による調査・分析の対象と方法等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第14条(産業財産情報の利用及び提供)①特許庁長は、公共及び民間の研究開発の効率性を高め、技術・産業関連戦略の策定・推進及び評価等を効果的に支援するために、「特許法」・「実用新案法」・「商標法」・「デザイン保護法」に基づいて公開されている産業財産情報を収集・加工して利用するか、収集・加工された情報を提供することができる。この場合、個人情報が含まれている産業財産情報の利用・提供は、情報主体の利益を不当に侵害する可能性がないと認められる場合として、次の各号のいずれかに該当する場合に限る。
1.第5条及び第6条に基づく基本計画及び施行計画の策定・推進等、産業財産情報の管理及び活用の促進における政策の策定・推進のために利用する場合
2.出願・登録現況等の情報をまとめて提供する場合
3.その他、公共及び民間の研究開発の効率性を高め、技術・産業関連戦略の策定・推進及び評価等を効果的に支援するために必要な場合として、大統領令で定める場合
②特許庁長は、第1項に基づいて情報を提供してもらおうとする者から、実費の範囲内で、大統領令で定める手数料を受け取ることができる。
③その他、産業財産情報の利用及び提供に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第15条(国の安全保障等目的の情報提供)①特許庁長は、国の安全保障又は国民の経済活動に重大な影響を及ぼす技術等の流出防止及び保護のために、必要な場合、出願中の産業財産情報を利用するか、関連国家行政機関に提供することができる。
②第1項に基づいて利用・提供する産業財産情報の内容及び手続き等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第16条(公共及び民間の研究開発における情報の活用)①特許庁長は、産業財産情報を効果的に活用することで公共及び民間の研究開発の効率的な推進を支援するために、次の各号の施策を策定・推進しなければならない。
1.未来有望技術及び研究開発課題の発掘に向けた産業財産情報の動向調査
2.研究開発課題の効率的な推進に向けた研究開発期間全体にわたる産業財産情報の戦略的調査・分析
3.標準特許の創出に向けた産業財産情報の戦略的調査・分析
4.研究開発の成果の評価・移転・取引及び事業化等における産業財産情報の活用に向けた支援
5.次の各目のいずれかに該当する者に対する産業財産情報の調査・分析能力の強化に向けた支援
イ.科学・産業技術分野の研究者
ロ.「国家研究開発革新法」第2条第4号による専門機関
ハ.「知的財産基本法」第3条第4号による公共研究機関(以下「公共研究機関」という。)
ニ.「知的財産基本法」第3条第5号による事業者等(以下「事業者等」という。)
6.その他、公共及び民間の研究開発の効率的な推進に向けて産業財産情報の活用が必要な事項
②科学・産業技術分野の研究者、公共研究機関及び事業者等は、研究開発の効率性及び成果を高めるために、研究開発の推進過程において、産業財産情報を活用するよう取り組まなければならない。
第17条(産業財産診断機関の指定等)①特許庁長は、企業及び研究機関等の産業財産診断を効果的に実施するために、大統領令で定める施設及び人材を備えた国公立研究機関、政府出捐研究機関、民間研究機関又は産業財産診断を専門的に遂行する機関若しくは団体を産業財産診断機関(以下「診断機関」という。)に指定することができる。
②特許庁長は、診断機関が実施した産業財産診断に支出された費用の全部又は一部を、予算の範囲内で支援することができる。
③特許庁長は、診断機関が次の各号のいずれかに該当する場合、その指定を取り消すか、6か月以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。ただし、第1号に該当する場合、その指定を取り消さなければならない。
1.虚偽やその他の不正な方法により診断機関の指定を受けた場合
2.産業財産診断を遂行する能力を喪失した場合
3.第1項による指定基準を満たさなくなった場合
④診断機関でない者は、産業財産診断機関の名称を使用することができない。
⑤第1項による診断機関の指定手続き及び第3項による行政処分の細部基準等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

第4章 産業財産情報の管理及び活用の促進に向けた基盤づくり

第18条(産業財産の情報化における研究開発の支援)①政府は、産業財産情報の管理及び活用と関連する技術、サービス及びソフトウェアに対する研究開発を促進できるよう取り組まなければならない。
②政府は、第1項による研究開発を効率的に推進するために、必要な場合、関連機関又は団体に研究開発を遂行させることができる。この場合、政府は、研究開発を遂行する上で必要な費用の全部又は一部を支援することができる。
③政府は、第1項及び第2項に基づいて遂行された研究開発の成果(研究開発の結果物及び研究開発を遂行する過程で投入されたか生成された研究資機材・材料・物品等を含む)が民間部門に円滑に移転されるよう取り組まなければならない。
第19条(専門人材の育成)政府は、産業財産情報関連専門人材(以下「専門人材」という。)の育成のために、次の各号の政策を策定・推進することができる。
1.専門人材に対する需要の実態把握及び中長期的需給計画
2.専門人材の育成教育・訓練プログラムの開発及び活用
3.専門人材雇用創出の支援
4.その他、産業財産情報関連専門人材の育成に向けて必要な事項
第20条(意識向上及び裾野拡大)政府は、産業財産情報の重要性に対する国民の社会的意識を高め、その活用基盤を拡大するために、次の各号の事業を推進することができる。
1.科学・産業技術・デザイン分野の研究者等に対する産業財産情報の活用教育
2.産業財産情報の活用に関する優秀事例の発掘及び褒賞
3.産業財産情報の活用を促進するための広報及び刊行物等の資料の発刊
4.その他、産業財産情報の活用に対する意識向上等に向けて必要な事項
第21条(国際協力)政府は、産業財産情報関連国際協力を活性化するために、国際機関・外国の政府・企業又は団体等と次の各号の政策を策定・推進することができる。
1.国際機関又は外国政府との産業財産情報の相互交換
2.産業財産情報関連国際共同調査・研究への支援
3.産業財産情報関連技術・人材の交流への支援
4.産業財産情報関連国際標準化活動への支援
5.産業財産情報関連技術・システムの輸出又は導入
6.その他、産業財産情報関連国際協力の活性化に向けて必要な事項
第22条(セキュリティ及び品質管理)①特許庁長は、産業財産情報データベース及び産業財産情報システムに対する不当なアクセスと利用又は産業財産情報の偽造・変造・毀損若しくは流出を防止するために必要なセキュリティ対策を策定・施行しなければならない。
②特許庁長は、産業財産情報の正確性と信頼性を確保するために、品質の診断・評価及び改善支援等、産業財産情報の品質管理に必要な措置をしなければならない。
③第2項による品質管理の対象、基準及び手続き等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第23条(民間における産業財産情報サービスの開発・実用化の推進)政府は、民間における産業財産情報サービスの開発・実用化を促進するために、次の各号の事業を推進することができる。
1.民間における産業財産の情報化に関する研究開発への支援
2.民間における産業財産情報サービスに対する政府の購入及び海外市場向け進出への支援
3.民間における産業財産情報サービスを広報するための博覧会・展示会等のイベントの開催
4.優秀な産業財産情報サービス事業者及び創業事例に対する褒賞
5.その他、民間における産業財産情報サービスの開発・実用化を促進するために必要な事業
第24条(韓国特許情報院の設立等)①産業財産の情報化及び産業財産情報の活用基盤構築に関する事業を効率的に支援するために、韓国特許情報院(以下「情報院」という。)を設立する。
②情報院は、法人とする。
③情報院は、その主たる事務所の所在地で設立登記をすることで成立する。
④情報院は、次の各号の事業を行う。
1.産業財産情報データベースの構築・管理への支援
2.産業財産情報システムの構築・運営及び連携への支援
3.産業財産情報の加工及び普及への支援
4.産業財産の統計及び情報検索サービスの提供
5.産業財産の情報化に関する研究開発及び成果の民間移転への支援
6.民間における産業財産情報サービスの開発・実用化の促進への支援
7.産業財産情報関連国際協力への支援
8.産業財産の情報化等に関する顧客支援
9.その他、産業財産の情報化等と関連して特許庁長が委託する業務
⑤情報院は、第4項による事業の遂行に必要な財源を調達するために、大統領令で定める収益事業を行うことができる。
⑥政府は、予算の範囲内で、情報院に対し事業費と運営に必要な経費を支援することができる。
⑦情報院でない者は、韓国特許情報院の名称を使用することができない。
⑧情報院に関し、この法律又は「公共機関の運営に関する法律」に定めた事項以外は、「民法」上財団法人に関する規定を準用する。
⑨特許庁長は、情報院の業務を指導・監督する。
第25条(韓国特許戦略開発院の設立等)①中央行政機関、地方自治体及び公共研究機関等の産業財産戦略の策定及び研究開発の遂行に関する事業を効率的に支援するために、韓国特許戦略開発院(以下「戦略院」という。)を設立する。
②戦略院は、法人とする。
③戦略院は、その主たる事務所の所在地で設立登記をすることで成立する。
④戦略院は、次の各号の事業を行う。
1.産業財産情報の調査・分析への支援
2.研究企画段階における産業財産情報の動向調査への支援
3.研究開発過程における産業財産創出戦略への支援
4.標準特許の創出に向けた支援
5.国家研究開発産業財産の成果に対する調査・分析及び管理
6.産業財産連携研究開発戦略と関連する政策の研究・実態調査及び成果の分析
7.その他、産業財産戦略の策定及び効率的な研究開発の遂行と関連し、関連中央行政機関の長が委託する業務
⑤戦略院は、第4項による事業の遂行に必要な財源を調達するために、大統領令で定める収益事業を行うことができる。
⑥政府は、予算の範囲内で、戦略院に対し事業費と運営に必要な経費を支援することができる。
⑦戦略院でない者は、韓国特許戦略開発院の名称を使用することができない。
⑧戦略院に関し、この法律又は「公共機関の運営に関する法律」に定めた事項以外は、「民法」上財団法人に関する規定を準用する。
⑨特許庁長は、戦略院の業務を指導・監督する。

第5章 補則

第26条(業務の委託)①特許庁長は、この法律による業務の一部を、大統領令で定めることに基づき、文書電子化機関、診断機関、情報院、戦略院又はその他の関連機関・法人若しくは団体に委託することができる。
②特許庁長は、第1項に基づいて業務を委託する場合、必要な経費の全部又は一部を支援することができる。
第27条(秘密保持の義務)次の各号のいずれかに該当する機関・法人・団体の従業員又は従業員であった人は、職務上知り得た秘密を漏洩するか盗用してはならない。
1.文書電子化機関
2.第15条により情報を提供された関連国家行政機関
3.情報院
4.戦略院
5.第26条により業務の一部を委託された機関・法人又は団体
第28条(聴聞)特許庁長は、次の各号のいずれかに該当する処分をするには、聴聞をしなければならない。
1.第12条第6項による文書電子化機関における産業財産文書の電子化業務に対する委託の取り消し
2.第17条だ3項による診断機関に対する指定の取り消し又は業務の停止
第29条(罰則の適用における公務員擬制)文書電子化機関の従業員及び第26条により特許庁長が委託した業務に従事する機関・法人又は団体の従業員は、「刑法」第129条から第132条までの規定を適用する際は、公務員とみなす。

第6章 罰則

第30条(罰則)①第27条に違反して職務上知り得た出願中の産業財産に関する秘密を漏洩するか盗用した者は、5年以下の懲役又は5千万ウォン以下の罰金に処する。
②第27条に違反して職務上知り得た秘密(第1項に規定している出願中の産業財産に関する秘密は除く。)を漏洩するか盗用した者は、3年以下の懲役又は3千万ウォン以下の罰金に処する。
第31条(過料)①次の各号のいずれかに該当する者には、1千万ウォン以下の過料を科す。
1.第17条第4項に違反して産業財産診断機関の名称を使用した者
2.第24条第7項に違反して韓国特許情報院の名称を使用した者
3.第25条第7項に違反して韓国特許戦略開発院の名称を使用した者
②第1項による過料は、大統領令で定めることに基づき、特許庁長が賦課・徴収する。

附則

第1条(施行日)この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
第2条(産業財産診断機関の指定に関する経過措置)この法律の施行当時に従前の「発明振興法」第36条により産業財産権診断機関に指定された者は、この法律の第17条により診断機関に指定されたものとみなす。
第3条(韓国特許情報院の設立に伴う経過措置)この法律の施行当時に従前の「発明振興法」第20条の3により設立された韓国特許情報院は、この法律の第24条により設立された情報院とみなす。
第4条(韓国特許戦略開発院に関する経過措置)この法律の施行当時に従前の「発明振興法」第55条の5により設立された韓国特許戦略開発院は、この法律の第25条により設立された戦略院とみなす。
第5条(他法律の改正)①デザイン保護法の一部を次のように改正する。
第207条第1項第2号中「第208条第2項によるデザイン文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項による産業財産文書」に改める。
第208条を削除する。
第226条中「専門機関又は第208条によるデザイン文書の電子化機関」を「専門機関」に改める。
②商標法の一部を次のように改正する。
第216条第1項第2号中「第217条第2項による商標文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項による産業財産文書」に改める。
第217条を削除する。
③特許法の一部を次のように改正する。
第217条第1項第2号中「第217条の2第1項による特許文書」を「『産業財産情報の管理及び活用の促進に関する法律』第12条第1項による産業財産文書」に改める。
第217条の2を削除する。
第226条の2第1項中「専門機関、第58条第3項による専担機関又は特許文書の電子化機関」を「専門機関又は第58条第3項による専担機関」に改める。
第6条(他法令との関係)この法律の施行当時に他法令において従前の「特許法」、「実用新案法」、「デザイン保護法」、「商標法」、「発明振興法」の規定を引用した場合、この法律の中でそれに該当する規定があれば、従前の規定に代えてこの法律の当該規定を引用したものとみなす。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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