知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 商標法の一部改正法律案(議案番号:2116859)
2022年08月16日
議案番号:21168559
提案日:2022年8月16日
提案者:イ・チョルギュ議員外9人
提案理由
登録商標が実際に使用している商標と書体が異なる場合、書体だけを変更して商標を出願しなければならない不便を解消するために「標準文字」の商標出願を導入し、「標準文字」で登録された商標を書体だけを変更して使用する場合に登録商標と同一性のある商標として認める一方、商標の使用による識別力認定の対象を拡大して商標管理の便宜を図り、権利保護を強化しようとする。
これとともに、原出願に優先権主張がある場合、それを変更出願の際に自動で認め、審査官が職権補正の要件に合わない事項に対して職権補正した場合、当該職権補正はなかったものとみなす一方、存続期間の更新申請後、新しい存続期間が始まる前に商標権が消滅又は放棄された場合、支払い済みの商標登録料を返還するように規定する等、運営上の不備を補完しようとする。
また、現在は、国内登録商標の指定商品が国際登録商標の指定商品に全て含まれている場合のみ国際登録による国内登録の代替を認めているが、それを指定商品の一部だけが含まれている場合にも代替できるようにし、国際商標登録出願及び国際商標基礎商標権の分割を認めて海外出願人及び権利者の便宜を図り、国際事務局と出願人に重複して通知している国際商標登録出願の登録可否決定書の通知方式を、国際事務局を通じて出願人に送達することに一元化して行政の効率性を高めようとする。
さらに、特許法及びデザイン保護法等の他の知的財産権法律とは違って、商標法は商標権者が相続人なくして死亡した場合の商標権の消滅に関する事項を規定しておらず、これに対する権利関係が不明なことから、これを明確にする必要があり、現行の法条文で商標登録要件の判断時期が明確でない部分等を改善して法的安定性を図り、国民が分かりやすい法令を作ろうとする。
主要内容
- 使用による識別力認定の対象に第33条第1項第7号に該当する商標(「その他識別力のない商標」)を含めるようにする(案第33条第2項)。
- 商標登録要件の判断時期に関する規定のうち解釈が不明な部分を明確にする(案第34条第2項及び第3項)。
- 特許庁長が指定した文字及び方式だけで構成されている商標を出願する場合、「標準文字」の商標として出願して登録を受けるようにし、標準文字登録商標の同一性の認定範囲を規定する(案第36条及び第225条)。
- 変更出願の基礎となった商標登録出願等に条約による優先権主張や出願時の特例趣旨及びその証明書類の提出がある場合は、変更出願に対してもその主張及び書類の提出があることとみなす(案第44条第5項から第7項まで新設等)。
- 審査官の職権補正が要旨変更に当たるか、明らかに間違っていない事項を職権補正した場合、当該職権補正はなかったものとみなす(案第59条)。
- 存続期間の更新の効力発生日前に商標権が消滅又は放棄された場合、支払い済みの登録料を返還するようにする(案第79条第1項)。
- 存続期間の更新申請に関する記載事項等の要件を商標権と関連する事項に整備する(案第84条)。
- 商標権の相続が開示された時に相続人がいない場合、当該商標権は消滅するようにする(案第106条第2項新設)。
- 国際商標登録出願の代替要件を国内登録商標の指定商品全てを含んでいるときのみ認めていたことを、指定商品の一部だけを含んでいる場合にも認める部分代替を導入する(案第183条)。
- 国際商標登録出願の分割出願及び国際登録基礎商標権の分割制度を導入する(案第187条及び第200条)。
- 国際商標登録出願に対する登録可否決定の通知を、国際事務局を通じて出願人に送付することに一元化する(案第193条の3及び第220条)。
商標法の一部改正法律案
商標法の一部を次のように改正する。
第33条第2項中「第6号まで」を「第7号まで」に改める。
第34条第2項各号以外の部分本文中「第1項及び商標登録出願人(以下『出願人』という。)が当該規定の他人に該当するかは、」を「第1項は、」とし、同項各号以外の部分ただし書中「して」を「して決定する一方、商標登録出願人(以下『出願人』という。)が当該規定の他人に該当するかは、商標登録可否決定をする時を基準として」とし、同条第3項各号以外の部分中「その該当するように」を「その請求日から次の各号のいずれかに該当するように」に、「日から3年が経った後に出願すれば」を「日以降3年が経つ前に出願すれば」に、「できる」を「できない」に改める。
第36条第1項に第3号の2を次のように新設する。
3の2.第3号の商標が、特許庁長が定めて告示した構成・表現方式及び文字(以下「標準文字」という。)だけで成されている商標の場合はその趣旨
第44条第3項ただし書を次のように改める。
ただし、第46条第3項及び第4項又は第47条第2項を適用するときは、この限りでない。
第44条第5項を第8項とし、同条に第5項から第7項までをそれぞれ次のように新設する。
⑤変更出願の基礎となった出願が第46条により優先権を主張した出願の場合は、第1項及び第2項により変更出願をしたときにその変更出願に優先権を主張したものとみなし、変更出願の基礎となった出願に対して第46条により提出された書類又は書面がある場合は、その変更出願に当該書類又は書面が提出されたものとみなす。
⑥第5項により、第46条による優先権を主張したものとみなす変更出願に対しては、変更出願をした日から30日以内にその優先権主張の全部又は一部を取り下げることができる。
⑦第47条による出願時の特例に関しては、第5項及び第6項を準用する。
第45条第2項ただし書を次のように改める。
ただし、第46条第3項及び第4項又は第47条第2項を適用するときは、この限りでない。
第59条第1項に後段を次のように新設する。
この場合、職権補正は、第40条第2項による範囲内で行わなければならない。
第59条に第5項を次のように新設する。
⑤職権補正が第40条第2項による範囲を超えるか、明らかに間違っていない事項を職権補正した場合、その職権補正は初めからなかったものとみなす。
第79条第1項に第8号及び第9号をそれぞれ次のように新設する。
8.第84条第2項により存続期間が満了する前に存続期間の更新登録申請をしたが、存続期間更新登録の効力発生日前に商標権の全部又は一部が消滅若しくは放棄された場合:支払い済みの商標登録料からその消滅又は放棄された商標権を除いて算定した商標登録料を引いた金額
9.第72条第1項ただし書により商標登録料を分割納付した場合として、2回目の商標登録料を納付したが、商標権の設定登録日又は存続期間更新登録日から5年になる前に商標権の全部又は一部が消滅若しくは放棄された場合:支払い済みの2回目の商標登録料からその消滅又は放棄された商標権を除いて算定した2回目の商標登録料を引いた金額
第84条第1項各号以外の部分中「者は」を「商標権者(商標権が共有の場合、各共有者も商標権者とみなす。以下この条において同じ。)は」とし、同項第1号を次のように改め、同項第2号を第3号とし、同項に第2号及び第4号をそれぞれ次のように新設し、同条第2項ただし書中「者は」を「商標権者は」に改める。
1.商標権者の氏名及び住所(法人の場合は、その名称及び営業所の所在地をいう。)
2.代理人がいる場合は、その代理人の氏名及び住所や営業所の所在地(代理人が特許法人・特許法人(有限)の場合は、その名称、事務所の所在地及び指定されている弁理士の氏名をいう。)
4.指定商品及び商品類
第106条第2項を第3項とし、同条に第2項を次のように新設する。
②商標権の相続が開示された時に相続人がいない場合は、その商標権は消滅する。
第183条第1項第3号を削除する。
第186条中「第4項」を「第7項」に改める。
第187条中「第45条を」を「第45条第4項を」に改める。
法律第18817号商標法の一部改正法律に、第193条の3を次のように新設する。
第193条の3(商標登録可否決定の方式に関する特例)国際商標登録出願に対し第69条第2項を適用する場合、「出願人に」は「国際事務局を通じて出願人に」とみなす。
第200条を削除する。
第220条第1項ただし書中「審査官が第190条により国際事務局を通じて国際商標登録出願人に拒絶理由を通知する」を「次の各号の」とし、同項に各号を次のように新設し、同条第3項中「第2項」を「第1項第2号により商標登録可否決定の謄本を、国際事務局を通じて国際商標登録出願人に発送したか、第2項」に改める。
1.審査官が第190条により国際事務局を通じて国際商標登録出願人に拒絶理由を通知する場合
2.審査官が第193条の3により国際事務局を通じて国際商標登録出願人に商標登録可否決定の謄本を通知する場合
第225条第1項中「その登録商標と類似する商標として、色彩を登録商標と同一にすれば、登録商標と同じ商標だと認められる」を「次の各号の」とし、同項に各号を次のように新設する。
1.その登録商標と類似する商標として、色彩を登録商標と同一にすれば、登録商標と同じ商標だと認められる商標
2.標準文字で登録されているその登録商標と類似し、文字だけで構成されている商標として、書体だけを変更すれば、登録商標と同じ商標だと認められる商標
第225条第2項中「その登録商標と類似する商標として、色彩を登録商標と同一にすれば、登録商標と同じ商標だと認められる」を「次の各号の」に改め、同項に各号を次のように新設する。
1.その登録商標と類似する商標として、色彩を登録商標と同一にすれば、登録商標と同じ商標だと認められる商標
2.標準文字で登録されているその登録商標と類似し、文字だけで構成されている商標として、書体だけを変更すれば、登録商標と同じ商標だと認められる商標
第225条第3項中「その登録団体標章と類似する商標として、色彩を登録団体標章と同一にすれば、登録団体標章と同じ商標だと認められる」を「次の各号の」に改め、同項に各号を次のように新設する。
1.その登録団体標章と類似する商標として、色彩を登録団体標章と同一にすれば、登録団体標章と同じ商標
2.標準文字で登録されているその登録団体標章と類似し、文字だけで構成されている商標として、書体だけを変更すれば、登録団体標章と同じ商標だと認められる商標附則
第1条(施行日)この法律は、公布後6か月が経過した日から施行する。
第2条(商標登録出願に関する適用例)第36条第1項第3号の2の改正規定は、この法律の施行後に最初に出願した商標登録出願から適用する。
第3条(出願の変更に関する適用例)第45条第5項から第7項までの改正規定は、この法律の施行後に出願した変更出願から適用する。
第4条(職権補正に関する適用例)第59条第5項の改正規定は、この法律の施行後に出願公告された商標登録出願及び指定商品追加登録出願から適用する。
第5条(商標登録料の返還に関する適用例)第79条第1項第8号及び第9号の改正規定は、この法律の施行前に商標登録料を支払った場合として、この法律の施行後に商標権の全部又は一部が消滅した場合にも適用する。
第6条(商標登録可否決定の方式に関する特例等の適用例)第193条の3及び第220条の改正規定は、この法律の施行後に商標登録可否決定をする国際商標登録出願から適用する。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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