知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 下請取引公正化に関する法律施行令一部改正(案)の立法予告
2021年09月14日
秘密保持契約の記載事項を具体化し、代金の算定内訳書類を保存するようにする
公正取引委員会は、改正下請法の施行(2022年2月18日予定)のため、必要な事項と元事業者の保存書類の対象拡大などの内容を盛り込んだ「下請法施行令の改正案」を設け、2021年10月25日まで立法予告する。
改正の下請法に基づき元事業者の秘密保持契約の締結が義務化され、秘密保持契約書に必ず含めるべき事項を具体化にし、保存対象書類に秘密保持契約書を追加した。
また、代金の不当決定・減額などを予防するために、代金算定基準及び内訳と関連した書類を保存するようにした。
1.下請法施行令改正案の主な内容
- 保存書類対象の拡大(案第6条第1項第5の4号及び第8号の新設)
元事業者が保存しなければならない書類に秘密保持契約書、代金算定基準及び内訳と関連した書類を追加した。
改正の下請法によると、元事業者が需給事業者から技術資料の提供を受ける場合、必ず秘密保持契約を締結しなければならないため、保存対象書類に同秘密保持契約書を追加した。
また、代金算定基準及び内訳と関連した根拠書類を保存するようにして不当な代金決定を予防し、紛争が発生する場合に証拠資料として活用できるようにした。 - 秘密保持契約書記載事項の具体化(案第7条の4新設)
改正の下請法に基づいて、元事業者は技術資料の提供を受けた場合、秘密保持契約を締結しなければならないが、この契約に必ず含めるべき事項を施行令で規定した。
法律に規定した秘密保持契約義務の記載事項は、技術資料の名称及び範囲、資料を保有する役職員の名簿、秘密保持義務、目的外使用禁止、義務違反時の賠償に関する事項などがあり、このほかにも技術資料の使用期間、返還(廃棄)方法、返還(廃棄日)などを記載するようにした。
2.期待効果・計画
今回の施行令改正案が確定・施行されれば、技術資料の提供と関連するすべての秘密を保護することで、より強く下請事業者の技術を保護することができると期待される。
また、代金算定と関連する資料を保存することで、代金決定過程の公正性が高まると期待される。
公正取引委員会は立法予告期間の間、利害関係者、関係部署などの意見を纏めて法制処の審査、国務会議などを経て迅速に改正を完了する計画である。
※立法予告案に対する意見提出方法
本改正案に意見のある個人や団体は、2021年10月25日まで統合立法予告センターを通じて、オンラインで意見を提出するか、(1)予告事項に対する意見(賛成・反対・修正意見とその理由)、(2)氏名(団体の場合は団体名と代表者名)、住所、電話番号を記載した意見書を郵便またはファックスで提出してください。
- 郵便:世宗市ダソム3路95政府世宗庁舎2棟公正取引委員会企業取引政策課
- ファックス:044-200-4656
項目 | 現行 | 改正案 |
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内容 | 第6条(書類の保存)①法第3条第9項に基づいて保存すべき下請取引に関する書類は、法第3条第1項の書面と次の各号の書類または次の各号の事項が記載された書類とする。 1.~5の3.(省略) 新設 6・7(省略) 8.入札明細書、落札者決定書、見積書、現場説明書、設計説明書など下請代金の決定と関連した書類、ただし、現場説明書及び設計説明書は建設委託の場合のみ該当する。 ②(省略) 第7条の3(技術資料の要求時に書面記載事項)法第12条の3第2項で「要求目的、秘密保持に関する事項、権利帰属関係、代価など大統領令で定める事項」とは、次の各号の事項をいう。 1.(省略) 2.秘密保持方法など要求対象技術資料の秘密保持に関する事項 3.~6.(省略) 6の2.要求対象技術資料の使用期間 6の3.返還または廃棄方法 6の4.返還日または廃棄日 7.(省略) 新設 第7条の4・第7条の5(省略) |
第6条(書類の保存)①------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 1.~5の3.(現行と同じ) 5の4需給事業者が元事業者に技術資料を提供する場合には、第7条の4各号の事項が含まれた秘密保護契約の書面 6・7(現行と同じ) 8.下請代金の算定基準及び内訳と関連した書類、入札明細書-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ②(現行と同じ) 第7条の3(技術資料の要求時に書面記載事項)--------------------------------「要求目的----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 1.(現行と同じ) 削除 3~.6.(現行と同じ) 削除 削除 削除 7.(現行と同じ) 第7の4(秘密保持契約の記載事項) 法第12条の3第3項で「当該技術資料の範囲、技術資料の提供を受けて保有する役職員の名簿、秘密保持義務及び目的外の使用禁止、違反時の賠償など大統領で定める事項」とは、次の各号の事項をいう。 1.技術資料の名称及び範囲 2.技術資料の使用期間 3.技術資料を保有する役職員の名簿 4.技術資料の秘密保持義務 5.技術資料の目的外の使用禁止 6.秘密保持義務違反時の賠償 7.技術資料の返還または廃棄方法 8.技術資料の返還日または廃棄日 第7条の5・第7条の6(現行第7条4及び第7条の5と同じ) |
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