知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の一部改正法律(法律第17727号)

2020年12月22日

国会で成立した不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の一部改正法律を公布する。

大統領 ムン・ジェイン

2020年12月22日

法律第17727号

不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の一部改正法律

不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の一部を次のように改正する。
第14条の2第1項各号以外の部分の前段のうち、「不正競争行為、第3条の2第1項や第2項に違反する行為又は営業秘密の侵害行為をさせた物を譲渡した際には、第1号の数量に第2号の単位数量当たりの利益額を乗じた金額を営業上の利益を侵害された損害額にすることができる」を「その不正競争行為、第3条の2第1項や第2項に違反する行為又は営業秘密の侵害行為(以下、この項では「不正競争行為等侵害行為」という。)をさせた物を譲渡した際には、次の各号に該当する金額の合計額を損害額にすることができる」にし、同項の各号以外の部分の後段及び但し書きをそれぞれ削除し、同項の各号を次のようにする。
  1. その物の譲渡数量(営業上の利益を侵害された者がその不正競争行為等侵害行為以外の事由で販売できなかった事情がある場合には、その不正競争行為等侵害行為以外の事由で販売できなかった数量を差し引いた数量)のうち、営業上の利益を侵害された者が生産できた物の数量から実際に販売した物の数量を差し引いた数量を超えない数量に、営業上の利益を侵害された者がその不正競争行為等侵害行為がなかったならば販売できた物の単位数量当たりの利益額を乗じた金額
  2. その物の譲渡数量のうち、営業上の利益を侵害された者が生産できた物の数量から実際に販売した物の数量を差し引いた数量を超える数量又はその不正競争行為等侵害行為以外の事由で販売できなかった数量がある場合、これらの数量に対しては営業上の利益を侵害された者が、不正競争行為等侵害行為がなかったならば合理的に受けることができる金額
  3. 附      則

    第1条(施行日)この法律は、公布後6ヶ月が経過した日から施行する。
    第2条(損害額の推定に関する適用例)第14条の2第1項の改正規定は、この法律の施行後、最初に損害賠償が請求された場合から適用する。

    改正理由及び主要内容

    この法律は国内で広く知られている他人の商標・商号等を不正に使用する等の不正競争行為と他人の営業秘密を侵害する行為を防止し、健全な取引秩序の維持することを目的とする。
    これと法的性格の類似性を持つ既存の「特許法」によると、特許権者が侵害に対する損害賠償を請求する場合、特許権者の生産能力の限度のみを損害賠償として認めていた。
    したがって、侵害者の譲渡数量が特許権者の生産能力を超過する場合、侵害者がその超過数量の利益を不当に取ることになり、かえって、特許の侵害が利益になる状況が発生しかねない。
    このような問題点を解決するために、「特許法」は損害額の推定方式を2020年6月に改正しており、知的財産関連法律が法的安定性と同一性を備えるように、関連規定を整備しようとするものである。
    【法制処提供】

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