知的財産ニュース 知的財産出願活動を行った小規模事業者の80%、創業から5年以上生存

2025年10月28日
出所: 韓国知的財産処

- 韓国知的財産処、韓国国内初となる小規模事業者など877万社の知的財産出願活動統計を集計 -

- 創業後5年以上の生存率、知的財産出願を行った小規模事業者が未出願した小規模事業者より22%↑


知的財産(特許、商標)出願活動を行った小規模事業者10社のうち8社が創業5年以上、事業を継続していることが明らかになった。出願していない小規模事業者は、10社中5.8社しか生存しておらず、知的財産出願活動が小規模事業者の生存率に影響を与えると分析された。

韓国知的財産処は、韓国国内初となる小規模事業者の知的財産出願活動を分析した「個人発明家の小規模事業者の起業、そしてIP活動による生存率」報告書を発刊したという。

<知的財産出願活動を行った小規模事業者10社中8社が創業5年以上生存>


韓国知的財産庁は、知的財産(特許、商標)出願活動を行った小規模事業者など、877万社の知的財産出願経験と小規模事業者の生存率を分析した結果(2022年基準)を発表した。

知的財産出願活動(特許、商標)を行った小規模事業者の創業5年後の生存率*(2018~2022)は80%で、未出願の小規模事業者(58%)より22%高い数値となった。また、知的財産出願活動を行った小規模事業者の創業3年後の生存率*(2020~2022)も86.4%で、未出願の小規模事業者(69.3%)に比べ、17.1%高い数値だ。知的財産出願経験のある小規模事業者は、出願経験のない小規模事業者に比べ、創業5年後の生存率において、より大きな差を示した。これは知的財産出願活動が、小規模事業者事業体の長期生存率に大きな影響を与えることを意味すると分析された。[添付]
*小規模事業者の中で基準年度(2022年)まで廃業しなかった割合

知的財産出願活動を行った小規模事業者の中で、製造業分野は、非製造業分野よりも創業5年後の生存率が高いことが分かった。特許出願活動を行った小規模事業者の生存率は、製造業が87.4%で、非製造業の80.9%を上回った。商標出願活動を行った小規模事業者の生存率も製造業が82.9%で、非製造業の74.8%より高いという。[添付]

<韓国知的財産処、韓国国内初となる小規模事業者出願活動に関する統計データ構築>


韓国知的財産処が分析した、小規模事業者の出願活動統計は、韓国知的財産処の出願人データを国家データ処の企業統計登録簿*などと連携し、従来の個人、または中小企業に含まれていた小規模事業者**を別途抽出し、新たに構築した融合型データベースに基づくものだ。
* 企業別詳細情報(従業員数、売上高、産業分類等)および、その他情報(空間情報、商圏情報等)を収録
**「小規模事業者の保護および支援に関する法律」に基づき、小企業のうち常時雇用労働者数(鉱業・製造業・建設業・運輸業は10名未満、その他業種は5名未満)と売上高基準を満たす事業体

このように、小規模事業者の出願活動に関する具体的な統計が整備されたのは、韓国国内では今回が初めてであり、今後は他の指標との連携分析など、様々な方法で活用される予定だ。

韓国知識財産処のチョン・ジェファン知識財産情報局長は「韓国企業のほとんどを占める小規模事業者は、国民生活力の向上の中核」としつつ「小規模事業者を対象に知識財産出願を奨励するとともに、知識財産の長期的効果と必要性に関する認識の拡散のために、持続的に努力していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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