知的財産ニュース 韓国知的財産処、輸出向けの特許・商標審査、「1カ月」に短縮
2025年10月1日
出所: 韓国知的財産処
- 韓国知的財産処、海外進出を推進する企業に「超高速審査」を提供 -
-「K-先端技術の海外市場先行確保と、輸出の近道づくりに最善を尽くす」-
韓国知的財産処は、10月15日(水)から海外進出に関連する特許・実用新案、商標出願について、超高速審査を支援すると発表した。
超高速審査は、特許・実用新案の出願については1ヶ月以内、商標出願は30日以内に1次審査の結果を提供する制度であり、従来の優先審査と比べて審査期間が大幅に短縮された制度である。
<優先審査と超高速審査の比較>
* 特許・実用新案の一般審査の場合、1次審査16.1ヶ月、終結23.1ヶ月を要する(2024年基準)
** 商標の一般審査の場合、1次審査12.8ヶ月、終結17.2ヶ月(2024年基準)
申請対象は、既存の優先審査対象のうち、輸出に関連する出願である。
特許・実用新案の場合①輸出促進優先審査または②先端技術*でありながら、条約優先権**に基づく、基礎出願が超高速審査対象であり、今年はそれぞれ500件を試行実施し、来年はそれぞれ年間2,000件、合計4,000件を支援する予定だ。
* 半導体、人工知能、2次電池など、知的財産処長が対象を指定して公告する分野
** 1年以内に、韓国知的財産処に出願した内容と同一の出願を海外特許担当の政府機関に提出する場合、韓国に提出した日付をその国に出願した日と認める制度
商標の場合、①輸出中または予定の商標出願、②条約優先権に基づく基礎出願、または③マドリッド議定書に基づく、国際出願の基礎出願である場合に申請が可能であり、件数の制限はない。
特に今回の超高速審査は、韓国企業が単発的な輸出に留まらず、改良技術を通じて輸出を継続できるよう、直近3年以内の輸出実績がある製品を基に、改良を経た特許および実用新案出願の場合、直接的な輸出の実績がなくても超高速審査を申請できるようにした。
また、知識財産処の輸出・海外紛争関連の支援事業である「グローバルIPスター企業育成事業」、「輸出挑戦企業知的リスクへの対応能力強化事業」、 「特許紛争対応戦略支援事業」および「K-ブランドの紛争対応戦略支援事業」(商標の場合のみ該当)に、直近3年間選定された中小・中堅企業に関しても、特許と実用新案、商標の超高速審査申請資格を付与し、韓国企業の輸出戦略の策定から知的財産権確保までを包括する全方位支援体制を構築する見通しだ。
超高速審査を活用して、韓国で特許を早期に取得すれば、当該特許を始め、米国、中国、日本などの国で特許審査ハイウェイ*(PPH)プログラムを利用して迅速に現地の特許を取得できるため、海外に進出する韓国企業は、海外現地で中核技術を効果的に保護できるようになる。
* PPH(Patent Prosecution Highway):
各国間の合意に基づき、第1国で特許可能と判断された特許出願について、第2国で優先審査を行う制度。現在、韓国は39カ国とPPHプログラムを実施中
これとともに、韓国国内商標を迅速に登録すると▲マドリッド国際登録出願*をより効果的に進めることができ、▲米国出願時には、使用宣誓書(Statement of Use)**の提出が免除される可能性があり、▲一部の東南アジア諸国では、韓国での登録の有無が現地の審査過程で重要な判断基準になるなど、海外進出の手続きが一層容易になる。また、▲海外輸出契約、海外商標の先取り防止および紛争対応などの面で、韓国企業の海外進出戦略の策定に有利になる。
* 韓国国内出願(登録)をはじめ、複数国へ一括出願可能(多国間1出願システム)
** 出願商標が米国国内で、商品やサービスに実際に使用されていることを証明する手続き
この他、企業内部で起業支援のために設立された社内ベンチャーの出願と、食品医薬品安全処の革新医療機器指定を受けた企業の当該医療機器関連の出願も、特許と実用新案の優先審査対象に指定することにした。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
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