知的財産ニュース 韓国特許庁と大韓商工会議所、中小企業の技術主導に向けた成長方策について議論

2025年9月17日
出所: 韓国特許庁

中小企業の技術が先導する真の成長への方策について議論

韓国特許庁と大韓商工会議所は9月17日水曜日、大韓商工会議所の中会議室(ソウル中区)にて中小企業向け知財基盤の技術主導成長案について話し合う懇談会を開いたと発表した。

今回の懇談会は、さまざまな業種の中小企業CEOで構成された大韓商工会議所の中小企業委員会※の委員が参加し、知財をめぐる悩みの解消や競争力強化により、技術先導の真の成長を図るための積極的な行政活動の一環として行われた。
※中小企業政策懸案の建議、政府‐中小企業間の疎通チャンネルとして大韓商工会議所内に構築·運営(2002年~)

中小企業は全体企業の99.9%、雇用の80.4%、売上高の45%を占め※、主要産業において欠かせない供給網であり技術革新をリードする産業競争力強化の主役である。
※全体企業の99.9%(829.9万社)、雇用の80.4%(約1,911.8万人)、売上高の44.9%(3,301.3兆ウォン)(2023年時点、出典:中小企業基本統計、中小ベンチャー企業部)

しかし、中小企業を技術革新の側面からみると、研究開発(R&D)投資企業の割合は減り、主力研究開発技術の中で世界初の開発である新技術は減っている一方、国内外で普遍化された技術が増えている※のが現状である。
※ [R&D投資企業] (2019年) 36% → (2023年) 31.7%、 [主力R&D技術のうち世界初の技術](2019年) 2.1% → (2023年) 0.9%
[主力R&D技術のうち国内外で普遍化された技術] (2019年) 60.2% → (2023年) 76.9%(出典:中小企業技術実態調査、韓国銀行·特許庁)

とりわけ、中小企業が保有している産業財産権は増加しているが、産業財産権貿易収支の赤字幅が拡大※しており、質的な改善と技術競争力の向上が求められている。
※ [中企企業における平均保有産業財産権(件)] (2020年)8.3、 (2021年) 8.2、(2022年) 9.3、(2023年) 10.6
[中企企業における産業財産権収支(億$)] (2020年) -3.6、 (2021年) -4.0、(2022年)-3.6、(2023年) -4.8(暫定) 、(2024年)‐5.5(暫定)
(出所:中小企業技術実態調査、 韓国銀行·特許庁)

懇談会に参加した中小企業委員会委員は、AI·ロボットなど新産業分野における特許審査期間の短縮、特許審査向け高級人材の補充、優秀発明品の選定拡大、特許紛争への対応支援強化、産業界のニーズを反映した証拠調査制度·無効審決予告制度の導入などを建議した。

大韓商工会議所の中小企業委員長は「中小企業が知財を積極的に確保し、事業化およびグローバル進出に活用できるよう、政府にはより実質的でニーズに応じた支援を行ってほしい」と述べた。

特許庁長は「急変する貿易·通商環境の中で中小企業の生存と技術が先導する真の成長を実現するカギとなるのは知財だと思う」とし、「中小企業の革新技術が高付加価値の名品特許として確保され、海外市場でも強力に保護されるようAI·ビッグデータを活用したR&Dと知財戦略支援を強化する」と述べた。

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