知的財産ニュース 韓国特許庁、バイオ系中小企業と輸出保護に向けた懇談会を実施
2025年9月4日
出所: 韓国特許庁
ドル高・高関税など貿易環境の急変により中小企業が抱える悩みを知財で解消する
韓国特許庁は9月4日木曜日、バイオ分野中小企業であるプレステージバイオロジクス(株)(忠清北道(チュンチョンブクド)清州(チョンジュ)市)を訪問し、懇談会を開いたと発表した。今回の企業訪問は、2026年予算を増額編成した「グローバル知財(IP)スター企業育成事業」のこれまでの成果を見返り、今後の改善方向を模索するために行われた。
※グローバルIPスター企業育成事業の予算:(2025年)120億ウォン→(2026年予算案)155億ウォン(+35億ウォン)
今回の予算増額編成により、最近の米中貿易紛争と世界的な保護貿易主義の強化の影響で高まっている不確実性や進入障壁に直面した韓国の中小企業を対象に海外で知財戦略を策定して安定的な輸出基盤づくりを積極的に支援する方針だ。
グローバルIPスター企業育成事業は、3年間企業の成長段階に合わせて海外での権利化、特許・ブランド戦略の策定など海外市場の状況に応じたIP総合サービスを提供する事業だ。昨年、同事業を通じて支援を受けた中小企業の輸出規模が平均4.3%増加し、新規海外市場を開拓するといった成果を上げるなど、海外市場への進出における橋渡しになっている。
プレステージバイオロジクス(株)は、人工知能(AI)とデジタルツイン※に基づいたスマートファクトリー技術を工程・品質・物流前段階に採用し、生産効率を高めた革新的な企業であり、グローバルIPスター企業育成事業に参加して特許権を確保したことで、2022年(支援前)に比べ2024年の売上額が約568%増加し、約90人の新規雇用を創出するなど大きく成長している。
※現実の物を仮想空間で同じく具現し、現実世界で起こり得る問題点を事前に予測・解決するシミュレーションシステム
特許庁長は「知財は中小企業にとって輸出の成功を左右するカギとなる」とし、「今後も特許庁は中小企業が世界舞台で成長できるよう予算を大幅に増やし、知財に基づいた海外進出支援を拡大していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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