知的財産ニュース 韓国特許庁と韓国消費者院、キッチン用品における知財権虚偽表示をモニタリング
2025年8月25日
出所: 韓国特許庁
調理道具類の知財権虚偽表示が全体キッチン用品のうち約68%を占める
キッチン用品の中で調理道具における知財権の虚偽表示が301件(全体の摘発件数の約68%)と最も多いことがわかった。韓国特許庁は、物価の値上がりや外食費の負担などで自炊をする割合が高まっている中、6月2日月曜日から7月4日金曜日までオンラインで販売されているキッチン用品について知財権の虚偽表示の状況を調べた発表した。
今回の企画調査では、「調理道具」「調理容器」「キッチン雑貨」などキッチン用品に関するオンライン投稿1万件を対象に、知財権を虚偽表示する広告※をモニタリングし、計444件の虚偽表示を摘発した。
※「特許を受けた」「意匠登録」「登録商標」「実用新案出願中」など広告で表記されている知財権の表示が事実であるかどうかについて特許庁が発行する登録原簿と比べて調査
キッチン用品における知財権の虚偽表示、特許権・意匠権の虚偽表示が全体の97.3%
摘発された製品は、調理道具類(ひしゃく、フライ返しなど)301件、キッチン雑貨(エプロン、手袋など)127件、調理容器類(鍋、フライパンなど)、キッチン収納(棚など)5件と、「勝利道具類」製品において知財権の虚偽表示が最も多く見つかった。このうち、「特許権」と「意匠権」の虚偽表示がそれぞれ280件、152件と全体の大半(97.3%)を占めている。
虚偽表示の類型には、消滅した権利について消滅後にも有効だと表示(228件)、知財権の名称の誤記(108件)、登録査定の権利について知財権を表示(54件)、出願中ではない製品について出願済みと表示(37件)、別の類型の知財権を表示(17件)と、「消滅した権利を有効なものだと虚偽表示したケース」が51.4%と最も多くなっている。
消費者がモニタリングに参加して摘発件数が増加…従来314件→444件
今回の調査は、特許庁と韓国消費者院が2025年1月に締結した業務協約に基づき、これまでの方式である虚偽表示通報センターによる調査に加わり、韓国消費者院の国民参加制度「大学生広告監視団」が参加する形で行われた。監視団で活躍している大学生・若年層はECプロットフォーム上の購入が多い消費者であり、オンライン広告への反応が敏感な購買層であるため、虚偽表示のモニタリングに参加させたことで高い効果が得られた。その結果、今回の摘発件数は計444件と、昨年平均の314件※に比べて大きく増えた。
※2024年計4回企画調査(1次367件、2次291件、3次323件、4次276件)の平均
特許庁は、今回の調査結果を基に、虚偽表示だと判断した製品については改善するよう勧告し、不履行時に行う行政措置や法的手続きについて通知する方針だ。
特許庁の産業財産保護協力局長は「キッチン用品のように消費者の日常生活の中で頻繁に購入・使用される品目については消費者を保護することは非常に重要である」とし、「今後も知財権の虚偽表示についてモニタリングする範囲を拡大し、韓国消費者院などと協力して日常生活の中で消費者の権益保護を強化していく」と述べた。
※知財権の虚偽表示に関する通報、および、案内は韓国知識財産保護院の知財権虚偽表示通報センター、または、電話番号(1670-1279)にて相談できる。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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