知的財産ニュース 韓国特許庁、「商標・デザインの開かれた審査」懇談会を開催

2025年8月5日
出所: 韓国特許庁

告示・審査基準など行政規則を即時見直すことでユーザーの利便性を迅速に解決する!

韓国特許庁は、「商標・デザインの開かれた審査」懇談会(2025年7月から実施)などを開き、商標・デザイン制度を運用する上でユーザーから苦情や改善点について意見を取り集めており、法律を改正することなく即時対応が可能な事項については告示、審査基準など行政規則の改正により迅速な改善していく方針だと発表した。

特許庁は今年7月から各産業から意見を取り集め、それを制度改善に反映する目的で「商標・デザインの開かれた審査に向けた懇談会」を定期的に行っている。この懇談会は、計9つの産業分野の分科別に企業の実務者や審査官が参加してひと月おきに行われ、年末まで商標・デザイン審査において理不尽な基準や改善が必要な事項を把握し、法改正なしでも告示や審査基準など行政規則を見直すことで迅速に改善することを目標にしている。

<商標・デザインの開かれた審査の概要>

目的 ▪産業別の専門性やトレンドの変化に応じるために、業界からの意見取集体系を構築
運用期間/回数 ▪2025年7月~2025年12月/計9つの分科でひと月おきに1回実施(計30回)
参加者構成 ▪各科から多出願企業の知財実務担当者(5~10名)+審査官(10名)+局長
運用方式 ▪参加企業が「開かれた審査委員」を委嘱、ひと月おきに1回懇談会実施
主要事項 ▪識別力の判断、商品の類似判断など審査事項
▪商標・デザインのトレンド、業界動向、制度改善事項、その他相談など

第1・2次懇談会で提出された改善案の中、一部※は法改正なしでも即時対応が可能な事項だと判断され、関連規定の見直しを迅速に進める予定だ。
※1. 異議決定予定時期の事前通知手続きの新設、2. 商標優先審査申請時に提出可能な立証資料に事業者登録証の提出を追加、3. 取引実情に応じた審査のための類似商品の審査基準改正など

特許庁の商標デザイン審査局長は「これまでは産業現場から苦情が寄せられても法律改正を中心に改善していたため、ユーザー側の不便が解決できないケースがあった」とし、「今後はユーザーから寄せられた制度改善への要求や苦情について告示や審査基準など行政規則を積極的に活用することで、柔軟かつ迅速な制度改善を行い、ユーザーの利便性を高めていく」と述べた。

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