知的財産ニュース 韓国特許庁、第2次国政懸案関係長官会合にて「模倣品流通防止の総合対策」を発表
2025年7月30日
出所: 韓国特許庁
AIなど先端技術でオンライン上の模倣品流通を24時間モニタリング・遮断
国民の健康や安全を脅かし、企業の成長や革新を妨害し、海外輸出市場においてK-ブランドに悪影響を与える模倣品の流通に対する制裁が一層強化される。ECサイト、SNS、ライブ配信など巧妙かつ高度化している模倣品流通※を遮断するために、人工知能(AI)など先端技術が本格的に活用される。
韓国特許庁は7月30日水曜日、第2次国政懸案関係長官会合にて「模倣品流通防止の総合対策」を発表した。
※特許庁が行うモニタリングにより摘発・予防した模倣品の被害推定額は約10兆ウォン(2024年)
今回の対策は、有名なアパレルブランドの保護から国民の健康や安全・K-ブランドの全体への保護へ、事後取締りからAIなど先端技術を活用した事前遮断体系へ、政府主導の政策設計・運営からECプラットフォーム・商標権者・消費者など誰もが参加するシステムへの改善の内容を柱とする。
1. AIモニタリングによる模倣品遮断の範囲を500のブランドへと拡大
まず、AIを活用したモニタリング・遮断の範囲を現在の160のブランドから2027年まで500のブランドへと拡大する。AIなど先端技術を活用して画像、テキストなどを同時分析して変形された商標や画像の加工手法を検知する。関税庁と連携してAIで検知した海外からの模倣品を通関段階から遮断し、放送通信審議委員会と連携して販売サイトへのアクセス遮断や海外模倣品事業者の投稿の削除を実施するなど、部処横断型遮断体系を構築する。また、化粧品など模倣品被害の多い業種に適した模倣品流通防止技術の活用を高めるために関係企業とも連携の幅を拡大する。
2. SNS、ライブ配信など集中取締り
SNS、ライブ配信など模倣品流通が密かに行われる流通ルートを対象に証拠収集手法を高度化し、企画捜査と連携する。常習的な販売者のアカウントを遮断し、模倣品販売者の情報を共有する。また、商標権侵害に対する懲罰的賠償を最大5倍まで拡大する(2025年7月22日施行)。さらに、国のイメージにダメージを与えうる東大門(トンデムン)周辺黄色い天幕など大規模の模倣品販売業者が摘発されるエリアに対し、専担捜査チームの取締りや地方自治団体による露店販売許可の取消など、処罰水準を強化する。
3. ECサイト上の「責任分担」…海外プラットフォーム社に対し韓国国内代理人指定の義務化へ
ECプラットフォーム上の模倣品流通を根絶するための商標法改正を推進する。プラットフォーム社に商標権者が模倣品を申告すると当該商品の販売を遮断し、海外所在のECプラットフォーム社に対しても国内業者と同一水準の責任を課すよう改善するために、韓国国内代理人指定の義務化制度を導入する。申告・遮断措置を不履行したプラットフォーム社には過料が科され、違反内容は公開される。また、特許庁による書面実態調査やその結果を一般に知らせる手続きを導入することで、ECプラットフォーム社による対応を体系的に点検できる。
4. 取締り対象のK-ブランドの範囲を年30万件へと拡大
経済協力開発機構(OECD)によると、K-フード、K-化粧品など韓流人気に便乗して海外で流通される偽K-ブランドの市場規模は11.1兆ウォン(97億ドル、2021年)に達することがわかった。その対策として、海外で流通されるK-ブランドの模倣品のAIモニタリング・遮断の範囲を現在の19万件から2027年まで30万件へと拡大する。また、農林畜産食品部・海洋水産部と連携してK-グランドの模倣品流通が頻発する食料品などの分野を中心に模倣品の真贋判定手法について海外IPセンターやaTセンターなど現地の関係機関に知らせることで、海外現地での模倣品判別をサポートし、現地の関係機関には取締りのための模倣品情報を提供するなど、現地におけるK-ブランドの侵害対策を強化する。
今回の対策には、特許庁、産業通商資源部、中小ベンチャー企業部、農林畜産食品部、海洋水産部、外交部が協力するK-ブランド保護ガバナンスの構築計画の内容も盛り込まれる。特許庁は侵害が新発するブランドのリスト、被害事例や国別の対応マニュアルなどを提供し、関係部処は輸出支援、知財権の確保、海外公館との協力などを担当する。
特許庁長は「巧妙化する模倣品の製造・流通に素早く対応するためには、対策の中身がより科学的かつ精密なものでなければならない」とし、「先端技術を積極的に活用して模倣品の流通に対応する一方、市場の各主体側も責任感を持って主導的に参加する健全な市場秩序がつくれるよう、その基盤づくりを特許庁がリードしていく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195