知的財産ニュース 韓国特許庁の商標警察、自動車部品の模倣品流通業者5名を摘発
2025年7月29日
出所: 韓国特許庁
ABSセンター、シートベルト未着用警告音の解除クリップなど27,781点を押収
韓国特許庁の商標特別司法警察(以下、「商標警察」)は29日、京畿道(キョンギド)周辺で自動車部品の模倣品とシートベルト未着用警告音の解除クリップ(以下、「シートベルトクリップ」)を流通した事業場3か所を取り締まり、自動車部品の模倣品7,786点(13t規模)、シートベルトクリップ19,995点を押収し、A氏(男性、72歳)など5名を商標法違反の疑いで書類送検したと発表した。
商標警察は昨年初旬から交通事故を起こすなど搭乗者の命や安全を脅かすような自動車部品の模倣品や安全ベルトクリップが流通されていることを把握し、企画捜査に取り掛かった。約9か月にわたる集中捜査により、証拠物を確保した後、被疑者A氏などが運営する事業場を家宅捜索して模倣品を販売していた事実を確認した。
廃棄処分された不良品処理・未承認の部品の流通が事故発生につながる懸念
商標警察によると、A氏、B氏(男性、65歳)、C氏(男性、60歳)は2019年から2024年9月まで京畿道周辺で自動車部品の模倣品を海外に流出していたことがわかった。A氏は2023年にも自動車部品の模倣品を流出して商標警察から摘発されたことがあるという。「商標法」違反罪だけで4件の犯罪行為をしたことがわかった。
被疑者らから押収した自動車部品の模倣品はABSセンサー、ダンパプーリ、ブレーキホースなど約38種類の計7,786点(正規品価格約7億ウォン相当)だという。このような自動車部品の模倣品は、生産過程で不良処理された部品や部品製造業者から不正入手した未承認の部品が多く、正式なルートで安全性検査を受けていない製品であるため流通されてしまうと、交通事故につながる恐れがある。
海外からシートベルトクリップを輸入して全国に流通…安全運転を脅かす
商標警察は2023年から2024年9月までの間、海外からシートベルトクリップを輸入して国内に流通したD氏(男性、31歳)とE氏(女性、57歳)の事業場を取り締まった。彼らから押収したシートベルトクリップは計19,995点に至る。また、彼らから押収した販売帳簿から2年間計15,527点(約2億8,000万ウォン)を販売していたことが明らかになった。彼らは輸入の際に3回も税関で摘発されて通関不可処分を受け、商標権者に「商標侵害禁止確約書」を提出していたにもかかわらず、犯罪行為を続けていたという。
自動車用のシートベルトクリップは2017年韓国消費者院が販売中止を勧告した製品であり、シートベルトの未着用率を高める「安全性能除害用品」に該当する。このような問題が相次ぎ、2021年5月国家においても「安全運航に必要な構造及び装置等の性能を除害する『安全性能除害用品』を製造・流通又は販売する行為を禁止」する「自動車管理法の一部改正法律案」が発議(ソン・オクジュ議員による代表発議)したことがある。
特許庁の産業財産保護協力局長は「自動車部品の模倣品を使うと低い品質により車両に異常が発生するか事故につながり、搭乗者の安全を脅かす事態を招く恐れがある」とし、「商標警察は国民の健康と安全を脅かすような日常生活用品について捜査力を一層強化していく方針だ」と述べた。
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