知的財産ニュース 韓国特許庁、カカオトーク・Eメール通知サービスを全面リニューアル

2025年7月25日
出所: 韓国特許庁

表示情報の追加や新しい通知形式の導入により通知サービスの利便性を強化

韓国特許庁はユーザーの利便性を高めるために、カカオトークやEメールで提供する知財行政通知サービスを全面リニューアルしたと発表した。

今回のリニューアルは、今年3月開かれたINNOBIZ企業懇談会において「登録料支払い期限通知時に企業名を表示してほしい」というユーザーからの意見を反映して、登録料通知を含め、全体の通知サービスにおいて表示形式や表示情報などを見直し、改善を進めた。

18種類の通知文の見直し…出願人・権利名称など表示情報の追加により利便性を向上

特許庁は今回のリニューアルにより、計18種類177件の形式(カカオトーク95件、Eメール82件)の通知文を見直した。

どのような内容の通知なのか一目でわかるように、通知文によって受信者、出願人・権利者(自然人・法人)、特許・商標・デザインの権利名称などの情報を表示させる。共同出願の場合は最大3名まで出願人または権利者の氏名を表示し、それ以上は「他n名」という形式で簡潔に表示される。

また、第三者への流出防止など個人情報保護を強化するために、本人が受信する内容の通知であっても氏名の一部を隠して表示するマスキング設定を導入した。

新しい通知形式の導入により、各ユーザーのニーズに応じた情報提供

今回のリニューアルでは、ユーザーからのニーズを反映して新しい通知形式を導入した。

特許出願に第四次産業革命に関する新特許分類※が付与されたか、優先審査の対象に該当するカーボンニュートラル・グリーン技術に関する特許分類※※が付与された場合は、優先審査の申請が可能であるという旨を通知する。
※人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、次世代通信、モノのインターネット(IoT)、スマートロボット、自動運転車、ドローン、拡張現実、スタートシティ、カスタマイズ型ヘルスヘア、革新的新薬、スマート半導体、先端素材、新再生可能エネルギー、3Dプリンティング、ブロックチェーン、スマート製造、次世代バイオ医薬品(特許・実用新案にかかる優先審査の申請に関する告示第4条第2号タ目関連)
※※二酸化炭素の回収、水素・アンモニア、次世代原子力、先端モビリティ、再生可能エネルギーなど、特許法ホームページで掲載する優先審査対象のカーボンニュートラル・グリーン技術にかかる特許分類(特許・実用新案にかかる優先審査の申請に関する告示第4条第2号ロ目関連)

また、特許審判結果の一部確定時や訴訟の一部手続きの終了時にも、各段階に合わせて通知を提供する。

ユーザーが重要な行政手続きを忘れることがないように、わかりやすく情報を発信することで通知サービスの活用度がさらに高まる効果が期待される。

ユーザーに情報のアップデートを誘導】

特許庁は出願手続き時に使用するウェブサイト「特許路」にてポップアップの表示を行い、ユーザーが電話番号やEメールアドレスなど連絡先の情報を定期的にアップデートするよう案内している。最新のユーザー情報を確保することは、通知サービスの正確な提供だけではなく、行政手続きの迅速な処理にも欠かせないことである。

特許庁の産業財産情報局長は「今回の通知サービスの改善は、ユーザーフレンドリーな行政活動の一環であり、今後もユーザーの声を反映してさらに便利で信頼できる知財行政を提供していく」と述べた。

韓国特許庁は、出願、審査、登録、審判など知財の権利状態に合わせてさまざまな行政通知サービスを提供している。2024年一年間、約30万5,000名の通知サービス申請者に計222万件の通知を提供した。通知サービスの申請は特許路外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから「My特許路>便宜サービス」メニューで設定できる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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