知的財産ニュース 韓国特許庁、グローバスサウス7か国特許庁とバイ会合を実施
2025年7月11日
出所: 韓国特許庁
サウジアラビア知財庁に人材派遣など知財分野において緊密な協力を進める
韓国特許庁は、スイス・ジュネーブにて開かれた第66回世界知的所有権機関(WIPO※)総会を機に7月8日から9日までの二日間にかけて、中東アジア、アフリカ、インドなどグローバルサウス(Global South)の7か国特許庁※※とそれぞれバイ会合を開いた。
※WIPO:World Intellectual Property Organization
※※湾岸協力会議特許庁(GCCPO)、サウジアラビア、アフリカ広域知的財産機関(ARIPO)、チュニジア、エジプト、インド、ブラジル
また、アフリカ22か国(英語圏)が加盟するアフリカ広域知的財産機関(ARIPO:African Regional Intellectual Property)のBemanya Twebaze長官とは2010年以降15年ぶりにバイ会合を開き、包括協力に関する了解覚書(MOU)の改正に合意し、アフリカ地域において協力を拡大する土台をつくった。
インド特許庁のUnnat P. Pandit長官とはPCT国際調査機関として相互の庁を指定する内容のMOU締結に合意した。今後、韓国企業がインド特許庁をPCT国際調査機関に指定した場合、インドでより迅速に特許権を確保することで、これまで審査期間の長期化により生じたビジネス戦略の難しさが解消され、インド市場に進出する上で有効活用できると期待される。
一方、7月9日開かれたWIPOのDaren Tang事務局長との会談では、Tang局長の韓国訪問(10月1日~2日予定)、両機関における人材交換プログラムの運営、東ティモール特許庁の設立支援など、WIPO韓国信託基金※を活用した開発途上国向け知財競争力強化事業などについて話し合い、持続可能で包摂的なグローバル知財エコシステムづくりに向け韓国特許庁とWIPO間で共同の取り組みを続けていくことに合意した。
※WIPO韓国信託基金:2004年設立以降、約190億ウォンを供与、若年層・女性・中小企業などを対象に知財競争力強化事業、および、開発途上国向け知財政策コンサルティングなどを支援
並びに、欧州4か国(スペイン、フランス、イギリス、デンマーク)ともバイ会合を開き、スペインのElisa Rodriguez Ortiz長官とはAIなど知財環境の変化を反映した新しい包括協力に関するMOUを締結し、フランスのPascal Faure長官とは韓国企業の特許権の早期確保に向けたPPH※施行の内容を盛り込んだMOUを締結した。
※Patent Prosecution Highway:第一庁で特許可能と判断された出願について締結を結んだ海外庁において早期審査が受けられる両国間枠組み
韓国のキム・ワンギ特許庁長は「グローバルサウス地域は早い経済成長や人口増加などの背景から韓国企業が進出して経済的利益を生み出せる重要な市場だと思う」とし、「今後、特許庁は成長潜在力の高いグローバルサウス地域の国々と協力を拡大して韓国企業に友好な知財環境づくりに積極的に取り組んでいく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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