知的財産ニュース 韓国特許法商標警察、BTSメンバーJ-HOPEのコンサート現場でKポップグッズの模倣品取締や知財尊重キャンペーンを実施
2025年6月12日
出所: 韓国特許庁
K-POPファンの参加を呼び掛ける「真正品購入」への認識を高めるイベントを実施
韓国特許庁の商標特別司法警察(以下、「商標警察」)は6月13日金曜日、高陽(コヤン)総合運動場(京畿道(キョンギド)高陽(コヤン)市)にて開かれるK-POPグループBTSのメンバーJ-HOPEのワールドツアーコンサートファイナル※の現場で、K-POPグッズの模倣品取締、および、知財尊重キャンペーンを実施すると発表した。
※j-hope Tour ‘HOPE ON THE STAGE’ FINAL
今回の取り組みは、K-POPアーティストの商標権を無断で使用した模倣品の流通を事前遮断し、コンサート場を訪れたファンに真正品を購入する重要性を伝えるために行われた。
K-POPブランドの保護に向け模倣品対策の企画取締を実施
商標警察は今回の実施に先立ち今年4月23日水曜日、ソウル市明洞(ミョンドン)周辺で企画取締りを行い、BTS関連模倣品(フォトカード、キーホルダー、マグカップなど)6,759点を含め、計29,111点のK-POPグッズの模倣品を押収し、被疑者2名を商標法違反の疑いで書類送検した。
また、5月26日から6月10日までをオンライン上K-POPグッズの集中取締り期間に指定し、「オンライン上模倣品の在宅モニタリング団※※」の協力を得てECサイト、SNS、ポーンルなど主なプラットフォームに掲載されている販売投稿6,710件について遮断措置を取った。
※韓国知識財産保護院では経歴断絶女性など就職脆弱階層をオンライン上模倣品モニタリング要員に採用(116名)し、国内外のECサイト(16)において模倣品販売投稿のモニタリングおよび販売中止の要請に関係する業務を行う(2019年4月~)
商標警察はモニタリングにより集めた情報を基に複数のルートで常習的に模倣品を販売する業者に対して捜査を行い、追跡・検挙する計画だ。
ファンとともに真正品購入文化の普及に向けたキャンペーンを展開
「偽物OUT、真正品OK!」というスローガンで展開するキャンペーンでは、真正品と模倣品を対照してみる展示やSNSイベントなど、さまざまな参加型プログラムを運営する計画だ。SNSやユーチューブのイベントには多くのファンが参加すると期待され、真正品を購入する認識の拡大につながると思われる。取締りが中心になる一方的な啓蒙活動ではなく、共感や参加を呼び掛ける「現場型政策広報」の良い事例になると期待される。
特許庁、HYBE、韓国知識財産保護院が共同で行った今回のキャンペーンは、官民が連携して模倣品流通に先進的に対応した模範事例であり、知財保護の認識の向上や消費者の被害予防に寄与すると期待される。
今後も特許庁は関係機関との協力を深め、模倣品流通の拠点となるプラットフォーム向け集中取締りを引き続き実施し、消費者が模倣品を購入する行為の違法性やリスクについても十分認識するよう、さまざまな啓蒙活動を展開していく。
HYBEは「アーティストの創作物やブランドは単なる商品ではなくファンの皆さまとの信頼に基づいて築かれた財産だと思う」とし、「真正品を購入することはアーティストを尊重し知財を保護する最も基本となる行為であり、今後も特許庁と協力して模倣品の根絶や認識向上に取り組む」と述べた。
特許庁次長は「K-POPといった韓流コンテンツは高付加価値の知財である」とし、「模倣品の流通は産業のエコシステムや消費者の安全を脅かす犯罪行為であり、今後も多くの来場客が集まる公演・祭り・イベントの現場で模倣品の取締りや知財尊重キャンペーンを連携して正しく真正品を購入する文化の拡大をリードする」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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