知的財産ニュース 「発明の日60周年」記念式が開催

2025年5月20日
出所: 韓国特許庁

今年の発明王はパワー半導体モジュールを開発したJMJコリア代表が受賞、特許で独立運動を支えた愛国志士には特別功労賞を授与

2025年今年の発明王には、両面放熱技術を採用して高性能のパワー半導体モジュールを開発したJMJコリア(株)チェ・ユンファ代表理事が選ばれた。発明の日の有功金塔産業勲章は6G、AIなど未来技術の研究開発をリードしてきたサムスン電子(株)チョン・ギョンフン社長が受賞した。

韓国特許庁が主催し、韓国発明振興会が主管する「第60回発明の日※」記念式が5月19日月曜日、COEX麻谷(マゴク)ルウェストホール(ソウル市江西(カンソ)区)にて開かれた。
※世界初測雨器(チュグギ、雨量計)を発明した日(1441年5月19日)を記念するために1957年に指定された国家記念日

今年で60回目を迎えて記念式は「発明60年、今日をつくる、明日を夢見る」というテーマで今日輝かしい発展を遂げてきた大韓民国における創意と革新の歩みを振り返り、発明家の誇りを高める一方、未来産業を率いる発明の価値を改めて認識する大変有意義な場になった。

同日、記念式では、アン・ドクグン産業通商資源部長官、イ・チョルギュ産業通商資源中小ベンチャー企業委員会委員長、キム・ワンギ特許庁長をはじめ、発明関係機関の長、発明有功褒賞者とその家族など約600名が参加した中、発明の日有功(80点)、今年の発明王(1点)、発明の日60周年記念の特別功労賞(4点)の賞が授与された。

主要受賞者:「今年の発明王」はJMJコリア(株)のチェ・ユンファ代表理事、「金塔産業勲章」はサムスン電子(株)のチョン・ギョンフン社長など

「第15回今年の発明王」にはJMJコリア(株)のチェ・ユンファ代表理事が選ばれた。チェ代表理事は両面放熱技術を採用した高性能のパワー半導体モジュールを開発し、EV、自動化ロボット、eモビリティなど次世代スマート産業に使われる主要部品の開発をリードしてきた。

発明の日有功金塔産業勲章にはサムスン電子(株)のチョン・ギョンフン社長が選ばれた。チョン社長はサムスン電子のデバイスエクスペリエンス(DX)部門の最高技術責任者(CTO)兼サムスンリサーチ長として次世代移動通信技術(6Gなど)、人工知能(AI)など未来技術の研究開発をリードして世界市場で韓国の技術力を高めることに大きく寄与したと評価される。

銀塔産業勲章はLG電子(株)のチョ・フィジェ副社長と現代(ヒョンデ)自動車(株)のソン・ナッソブ専務が受賞した。チョ副社長はLG電子の知財組織を取りまとめる強いリーダーシップを発揮し、LG電子が世界最高レベルの特許権を保有し体系的な知財戦略により革新的な製品の技術を保護することに貢献している。ソン専務は自動化、バッテリー、自動走行など未来の新産業分野への集中的な投資や独自の技術開発により世界最高レベルのEVコア技術の特許ポートフォリオを構築し、韓国の自動車産業の発展や未来型モビリティの技術競争力の強化に寄与している。

第60回発明の日記念の特別功労賞の受賞:(故)クォン・ドイン先生、(故)キム・ヨングァン先生、(故)チョン・インホ先生など

今年は第60回発明の日を記念して特別功労賞を授与し、発明の振興を図り発明文化の拡大に寄与した功労者に特許庁長表彰を授与した。韓国の独立と技術発展に寄与した(故)クォン・ドイン先生、(故)キム・ヨングァン先生、(故)チョン・インホ先生が受賞者に選ばれた。クォン先生は韓国人として初めて米国で特許出願した独立有功者であり、竹のカーテンなど発明を活用してハワイを中心に米国で家具事業に取り組み、そこから得た収益で独立運動を支援するなど国を守り、愛する心を実践してきた。ハワイ在住の先生の外孫Paul Stuart Arinaga氏が韓国に訪れ、共に先生に対する敬意を表した。

ほかにも、国立気象博物館のチェ・ジョンヒ研究員は「発明の日」の起源となった測雨器(チュグギ)の国宝への昇格や発明の歴史を広く発信した功労が認められ特別功労賞を受賞した。

テーマ別の特別展示:先祖の優秀な発明品から今年の発明王まで

今回の記念式では、先祖の優秀な発明品から今年の発明王が開発したパワー半導体の製品まで、発明の歴史と流れがわかるテーマ別の展示の場を設けた。その中でも、先祖の優秀な発明品を現在の特許性の観点から審査して特許査定となったものに名誉特許権を付与し、韓国固有の創意性や技術力を改めて認識することができた。独立運動をしながら発明に取り組んだ愛国志士の業績がわかる展示は、発明が技術発展を超えて時代を変える力になっていたことを考えさせる。

キム・ワンギ特許庁長は「発明の日60周年、光複80年を迎え、特許庁は発明が過去と現在をつなぎ、大韓民国の輝く未来を拓くエンジンになるよう、発明者の方々と一緒に前進していきたい」と述べた。

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