知的財産ニュース 「創意と革新がつなげる未来」をテーマに発明の日60周年発明・知財カンファレンスが開催
2025年5月20日
出所: 韓国特許庁
革新的な知財活用の事例や未来戦略を共有
韓国特許庁は5月20日火曜日、COEX麻谷(マゴク)(ソウル市江西(カンソ)区)にて「創意と革新がつなげる未来」をテーマに発明・知財カンファレンス(以下、カンファレンス)を開いた。
カンファレンスは、発明の日60周年を記念※して発明の価値を改めて認識し、知財を活用した革新的な事例や未来の戦略を共有する趣旨で開かれた。特許庁長、韓国発明振興会常勤副会長、韓国特許戦略開発院長をはじめ、弁理士、研究者、知財権担当の実務者、学生など約600名が参加して知財への高い関心がうかがえた。
※5月19日月曜日、発明の日60周年記念式を開催
(セッション1)発明するだけで終わらない、アイデア
第一のセッションでは、知財(IP)重点大学の学生、発明特性化高校の生徒、予備起業者を対象に創意的な考え方と挑戦する精神を育むためのさまざまな発表が行われた。
オンライン旅行代理店YANOLJAクラウドのキム・ジョンユンCEOは「Vertical AIと完全自動化(Full-Automation)技術により超個人化を図るトラベルの未来」をテーマに人工知能がもたらす観光産業のイノベーションについて紹介し、科学コンテンツプラットフォームGeekbleのパク・チャヌ代表は「挑戦と失敗、そして成功から得られる科学的経験」をテーマに失敗を恐れず挑戦する心構えについて語った。ユーチューバーの科学クッキー氏は「発明の天才たちはどうやって発見してきたのか」という興味深い問いを投げかけて発明的思考を生み出す方法について発表した。(セッション2)激動する産業の中での先端技術と特許の未来
第二のセッションでは、6G、AIなど先端技術の方向性や最近の話題について紹介し、特許戦略による権利・事業化や特許ビッグデータの分析事例など踏み込んだ内容が紹介された。
キム・クァンスン延世(ヨンセ)大学教授、パク・ギホ世宗(セジョン)大学教授は、技術覇権争いが激しい6G、AI分野について「6G標準化の動向とグローバル競争力の確保に向けた戦略」、「AI技術とAI半導体の方向性」をテーマにそれぞれ講演した。
続いて、(株)CUePEAKバイオのファン・ジュンソン代表と(株)TWINNYのハン・スンワンチーム長はそれぞれ「全サイクルに応じて支援事業と連携した研究開発における権利・事業化事例」、「自動走行ロボット分野における特許戦略の重要性」について発表した。
最後に、クラリベイトのイ・ドンウク首席、韓国特許戦略開発院のチョン・サンギュCPOはそれぞれ「AIと知財の融合による知財保護戦略」、「AI分野における特許ビッグデータの分析」をテーマに新しい観点での方法論や分析事例について解説した。
今回のカンファレンスは、発明が産業のイノベーションを起こし、知財が企業の競争力につながる具体的な事例やインサイトを共有するコミュニケーションの場になったと思われる。
特許庁長は「発明の日60周年を迎え、今回のカンファレンスが大韓民国の創意と革新が発明によりどのような形で実現されているかを振り返ると共に、今後の60年をデザインし、一緒に悩む場になってほしい」とし、「今後も特許庁は創意性と技術が融合する知財基盤のエコシステムづくりに向け取り組んでいく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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