知的財産ニュース 韓国特許庁、「2025年官民協力IP戦略支援事業(CIPOプログラム)」の民間運営会社7社を選定

2025年5月16日
出所: 韓国特許庁

AI・半導体からバイオ・量子まで官民が手を組み知財権でスタートアップを育てる

韓国特許庁は、人工知能(AI)・半導体、先端バイオ、サイバーセキュリティ・量子など先端技術分野のスタートアップの成長を支援する「2025年官民協力IP戦略支援事業(CIPO※プログラム)に参加する民間運営会社7社を選定したと発表した。
※CIPO(Chief Intellectual Property Officer、知的財産最高責任者):企業の知財権戦略の策定および管理(研究開発、知財ポートフォリオ、ライセンシング、権利保護、取引、訴訟、金融など)

とりわけ、今年はAI・半導体、先端バイオ、サイバーセキュリティ・量子分野の専門トラックを初めて導入し、それぞれの分野で技術専門性の高い会社からの参加を促した。計149件の入札の参加申し込みがあり、全分野の平均競争力は8:1、AI・半導体分野は12:1の高い競争率となった。

今回選ばれた民間運営会社は、(株)ヒューチャープレイ、(株)アイピオン、特許法人BLT、ジュンソン特許法律事務所、(株)SYP、ロハン国際特許法律事務所、特許法人RPMである。

<官民協力知財(IP)戦略支援事業の運営会社>

分野 主管運営会社 共同受給業者
1 AI・半導体 (株)ヒューチャープレイ ウィーフォーカス特許法律事務所
2 先端バイオ (株)アイピオン (株)デイリーパートナーズ、(株)ワイドアンドパートナーズ、KLP特許法律事務所
3 サイバーセキュリティ・量子 特許法人BLT スケールアップパートナーズ、(株)TechDNA
4 全分野 ジュンソン特許法律事務所 L&Sベンチャーキャピタル(株)、ウォニク投資パートナーズ(株)
5 全分野 (株)SYP マグナインベストメント(株)
6 全分野 ロハン国際特許法律事務所 GENAXIS(株)、漢陽大技術持株(株)
7 全分野 特許法人RPM Y&ARCHER(株)

官民協力IP戦略支援(CIPOプログラム)は、民間分野の投資機関と政府が選定したスタートアップを対象に知財基盤の成長戦略の策定から海外市場への進出にいたるまで全分野にわたって支援するスタートアップ成長プログラムである。

選定された企業には、知財戦略策定のコンサルティング、特許および意匠の出願、試作品の製作および検証、IR資料の作成およびフィッチング、アクセラレーティングの連携など企業ごとのニーズに応じたパッケージ支援(最高7,000万ウォン相当)が提供される。とりわけ、今年からは専門トラックの導入により、先端技術に特化した企業の成長性について綿密に分析し、分野ごとに特化した戦略を集中的に支援する仕組みを整えた。

2024年一年間、CIPOプログラムを介して誘致した民間分野の投資額は338億ウォンに達し、海外市場進出、特許出願、売上高増加など成果を上げたことがわかった。2025年には専門性を強化して参加企業の幅を広げることで、より活発な投資や事業化の成果が得られると思われる。

<官民協力知財(IP)戦略支援事業の推進(案)>

民間機関は有望IP創業企業の発掘、民間への投資(3,5億ウォン)とIP育成、CIPO(知財最高責任者)としてIP総括を担当。特許庁はIP製品の事業化パッケージ事業の下で、IP出願と採用などの権利化、IP製品化の戦略策定、試作品の製作や認証などIPの検証を担当し、民間機関1か所当たり3.5億ウォンを支援する。民間機関は各機関が企業5社を選び、1社当たり7,000万ウォンを支援。

※民間機関1社当たり知財スタートアップ5社を選定・民間投資金3.5億ウォン(最小)+特許庁3.5億ウォンをマッチング

特許庁の産業財産政策局長は「技術を有するスタートアップが生き残るために知財権を確保することは必須だと思う」とし、「民間と政府からの支援がシナジー効果を生み出し、優秀なスタートアップが知財を基に国内だけではなく海外でも競争力を高められるよう積極的に支援する」と述べた。

同事業の詳細については、韓国発明振興会知財事業化室(電話:02-3459-2937)に問い合わせできる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195