知的財産ニュース 韓国特許庁、光複節80周年・発明の日60周年を記念して特許・商標の最多登録者を発表

2025年5月8日
出所: 韓国特許庁

特許登録1位はサムスン電子、商標登録1位はアモーレパシフィック

韓国で最も多くの権利を取得している特許権者はサムスン電子、商標権者は(株)アモーレパシフィックであることがわかった。

韓国特許庁は光複節80周年、発明の日60周年を迎え、大韓民国の産業発展や技術革新を率いる特許・商標の権利者の統計を調べた結果、最も多くの特許を登録している権利者はサムスン電子(134,802件)、商標は(株)アモーレパシフィック(16,514件)であることがわかった。
※1946年特許法、1949年商標法の制定以降から2024年12月までの累積登録件数を権利者名ごとに算出

特許権の登録件数トップはサムスン電子、2位LG電子

韓国人による第一号特許は、独立有功者チョン・インホ先生が1909年に登録した馬の尾の毛で作った帽子にかかる特許であり、チョン先生はこの特許件で設けた収益などで独立運動を支援したという。独立以降は1948年中央工業研究所(現在、国家技術標準院)が出願した「硫化染料製造法(1948)」が第一号特許として登録され、その後、昨年末まで計2,705,171件の特許が登録された。2027年には特許登録300万号を突破するとみられる。

これまで登録された特許をみると、登録件数1位は全体特許の5.0%である134,802件を登録したサムスン電子である。1969年電子分野の事業を始めたサムスン電子は、これまで半導体や移動通信(モバイル)デバイスなど先端技術分野で韓国を代表する世界的な企業に成長し、革新的な技術力を誇る。同社が昨年一年間登録した特許権は5,255件である。

2位はLG電子で登録件数全体の2.9%を占める77,802件を登録した。1959年に初めて韓国産ラジオを開発した同社は、デジタル家庭電化製品分野などで技術開発をリードしている。昨年は2,424件の特許を登録した。

3位の現代自動車はこれまで計54,305件の特許を登録し、これは全体件数の2.0%を占める。1967年設立以降着実に技術開発に取り組み、今は韓国を代表する世界的な自動車メーカーに成長した。 4位は最近、人工知能(AI)技術の基盤となる広帯域メモリー(HBM:High Bandwidth Memory)の技術力で注目を受けているSKハイニックスで、これまで計39,071件の特許を登録し、5位はOLEDや量子ドット有機EL(QD)ディスプレイ技術の世界市場をリードしているLGディスプレイが計28,544件を登録した。

商標権の登録件数トップは(株)アモーレパシフィック、2位LG生活健康

韓国で商標権は、1949年天一(チョニル)産業の商標名「天」が第一号商標として登録された以降、昨年末まで計2,741,047件の商標が登録された。2029年ごろに商標登録300万号を達成できるとみられる。

商標登録件数1位は1945年太平洋化学工業社という社名で事業を始めた(株)アモーレパシフィックであり、これまで計16,514件の商標を登録した。雪花秀(ソルファス、Sulwhasoo)、ヘラ(HERA)などさまざまな化粧品分野の商標権を保有している。

2位も化粧品メーカーのLG生活健康で、これまで計15,969件の商標を登録した。同社はTHE WHOOなど化粧品関連商標やペリオ(PERIOE)という名称の歯磨き粉など生活用品関連の商標権を保有している。

3位は9,357件の商標を登録した株式会社アモーレパシフィックグループ(化粧品など)であり、4位は食品やエンターテインメント産業で強いブランド力を持っているCJ株式会社で、これまで計9,317件の商標権を登録した。5位は9,272件の商標を登録したロッテ持ち株株式会社である。

知財分野で韓国の多くの企業や個人が活躍し、革新的な技術の発展や創意的なアイデアの保護を図ってきた結果、今日の大韓民国は「特許出願件数世界4位」、「国内総生産(GDP)比特許出願件数世界トップ」となり、欧州、日本、中国、米国の特許庁と肩を並べる知財先進5か国へと跳躍した。
※韓国の世界知財権ランキング(2023年):国内総生産比特許出願1位、特許出願4位243,310件、意匠出願5位59,454件、商標出願11位314,284件(出所:WIPO2024年世界知的財産指標)

特許庁長は「今回の統計は数値ではなく、これまで大韓民国が成し遂げた産業発展や経済成長の歴史を振り返るものだと思う」とし、「昨今の不確実性が高い国際情勢の中でも韓国企業を知財を基に危機を乗り越え、技術革新をリードするよう全力で支える」と述べた。

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