知的財産ニュース 韓国特許庁、AI学習に活用する知財データ7種を「KIPRIS PLUS」にて無料公開
2025年4月29日
出所: 韓国特許庁
民間分野におけるAI学習への支援や知財情報サービス産業の革新を図る
韓国特許庁は、4月29日火曜日から情報サービス産業の活性化に向け人工知能(AI)学習に活用する知財データ7種を特許情報活用サービス(KIPRIS PLUS)にて無料で公開すると発表した。
特許情報活用サービス(KIPRIS PLUS)は、大衆向け知財分野の公共データプラットフォームであり、特許庁が運用している。韓国国内の情報はもちろん、米国、欧州、日本など計13か国で公開している知財権公報や行政情報など計133種の知財データについて企業や研究機関、大学などさまざまなユーザーが自由に活用できるよう提供している。
今回公開するデータは、特許庁の「2023年AI基盤特許行政革新事業」の一環として収集したもので、韓国の特許・実用新案の公開公報、米国の特許公報、意見提出・拒絶理由通知書、特許ファミリー情報の韓英機械翻訳、国際特許分類(CPC)、特許相談の機会読解、ユーザーの相談事例集などが含まれている。
最近、多くの企業がAI性能を高めるためにさまざまなデータを学習させる過程で特許データへのニーズが高まりつつある。ところが、特許分野は複雑な構造や専門用語の難しさという点からAI学習に適合したデータを分析・構築するには莫大な時間とコストがかかり、企業が質の良い学習データを確保することは難しい現状である。
このような背景から特許庁は、民間分野が学習データを構築する負担を軽減させ、AIを活用した情報サービスの開発をサポートするために、知財データを加工した高品質の学習データを公開することにした。
今回公開する学習データ7種は、特許庁の行政業務や顧客相談の中で収集した知財情報をAI学習に適合した形で加工したもので、企業や研究機関はこれらの情報を特許文献の分析サービスやAIチャットボットなどさまざまなAI技術開発に活用できると期待される。
特許庁の産業財産情報局長代行は「今回のデータ公開は、知財情報サービス産業の高度化を図る土台になると思う」とし、「今後もさまざまな形の特許データを引き続き構築・公開することで、知財情報エコシステムをより活性化していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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