知的財産ニュース 特許審判院、「名品特許」を目指して無効審判制度を改善

2025年4月21日
出所: 韓国特許庁

特許権者の訂正請求の機会を拡大する「無効審決予告制」を導入

韓国特許庁の特許審判院は4月21日月曜日、特許権の信頼性と安定性を高めるために、無効審判制度や審理手続きを改善すると発表した。

昨今、世界で韓国企業の技術競争力の強化に向けて高品質の特許の重要性が浮上していることを受けて、特許庁は「名品特許※」の創出・活用に対応する政策を示した。それに合わせて特許審判院は、特許権の信頼性と安定性を高める審判制度を運営する趣旨で今回、無効審判制度を改善する。
※経済的価値の高い革新的な技術について独占権を広く確保し、第三者にとって有効かつ明確であって権利の安定性の高い、儲けになる特許をいう

第一に、無効審判手続きにおいて特許権者と無効審判の請求人の間で攻撃・防御の機会が十分与えられるよう「無効審決予告制」を導入する。審判請求に無効理由があると認める場合、特許権を無効にする前に無効の審決がある旨を予め知らせ、特許権者が訂正の請求により有効な権利を維持できる機会を提供するものである。

<(審決予告の手続きが追加される場合)無効審判手続きにおける訂正請求のタイミング>

制度改善により、無効審判において審決予告手続きが追加され、無効理由があるとの審決が予告されると請求人が答弁書を提出する期間内に権利者は訂正請求が可能になる。

第二に、無効審判における審理手続きを改善する。

無効を主張する請求人が無効事由についてより具体的で明確な証拠を提示する方向で審理を行い、証拠などの提出期限を必ず厳守(適時提出主義)し、事前に争点を整理することによって当事者の具体的な主張や立証が十分に行われるよう、口頭審理を効率化する方向で制度を見直す考えだ。

また、無効審判請求時に請求項の解釈について意見を記載するよう勧告し、請求項の解釈に意見があるか明瞭でないところがある場合には当事者に追加の意見や立証の機会を与えるなど、請求項の解釈における手続きを見直す考えだ。

特許審判院長は「特許権の安定性と信頼性を高めるためには予測可能な審判制度を運営することが何より大事であると思う」とし、「今後も特許審判院は『名品特許』の実現を目指して審判制度や運営について引き続き改善を行っていく」と述べた。

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