知的財産ニュース 国際知識財産研修院、「2025年外国人向け知的財産教育計画」を発表
2025年2月17日
出所: 韓国特許庁
2025年目標は外国人700名が参加する教育を実施…前年比参加人数が約5割増
韓国特許庁の国際知識財産研修院は、外国人向け知財教育の拡大※、実習・ディスカッション、現場学習など参加型教育の強化を柱とする「2025年外国人向け知的財産教育計画」を発表した。
※2024年472名→2025年700名に拡大
2025年計16のコース、外国人700名に教育する計画
韓国特許庁と開発途上国の間で知財分野における業務協約(MOU)が活発に締結※され、海外から教育の需要が増加している。今年は計16のコース(オンライン10・対面教育6のコース)を運営し、外国人700名を対象に教育を実施する計画だ。
※MOU締結の状況:(2023年)UAE・カタール・ベトナム・マレーシア・インドネシア、(2024年)カンボジア
インドネシアの知的財産庁は、知財ロードマップの策定のために、韓国特許庁の知財政策(知財の価値評価および事業化、人工知能(AI)を活用した特許審査システム(特許ネット)など)の教育、商標・意匠審査官向け教育などを依頼し、3月から4月にかけて実施する計画だ。
また、世界知的所有権機関(WIPO)、ユネスコ(UNESCO)、国際連合工業開発機関(UNIDO)※など国際機構と共同で、女性科学者、開発途上国産業省の公務員、開発途上国の特許庁審査官などを対象に知財教育を実施する考えだ。
※国際連合工業開発機関(UN Industrial Development Organization):開発途上国の産業化を図るために設立
2024年計13のコース、472名が修了する成果へ
国際知識財産研修院は、2006年に世界知的所有権機関(World Intellectual Property Office、WIPO)から公式な知財教育機関に指定されて以降、これまで外国人を対象に毎年、知財教育サマースクール(summer school)を開くなどさまざまな教育コースを運営している。また、ベトナム、フィリピン、サウジアラビアなど開発途上国の外国人公務員を対象に、その国の状況に合わせた知財教育を毎年実施することで、韓国の先進的な知財法制度・政策・審査実務を普及させることに力を入れている。
2024年には対面教育7回、オンライン教育6回など計13のコースを運営し、472名が修了した。また、韓国では初めて「ユネスコ-ロレアル女性科学者賞」の受賞者22名※を対象に、WIPOと共同で「女性科学者のための知財リーダーシップ教育」も開いた。インドネシア、マレーシア、タイなどアジア3か国の公務員(38名)から教育の依頼を受け、「3か国共同の意匠審査実務教育(オンライン)」を実施した。
※L'Oreal-UNESCO For Women in Science Awards:1998年から毎年、科学界で顕著な成果を収めた5つの地域を代表する優秀な女性科学者を選定・授賞
特許庁はより多くの教育機会を提供するために、海外特許庁および教育機関を対象に知財教育への需要調査を2回実施(2月、11月)する考えだ。また、積極的な行政活動の一環として受講生からのニーズが高い実習・ディスカッション、企業訪問など参加型教育を強化し、KIPOアカデミー※ウェブサイトに教育動画を掲載する予定だ。
※外国人(一般人・企業家・学生・公務員など)を対象に知財教育サービスを提供する国際知財教育プラットフォーム
特許庁の国際知識財産研修長は「韓国は知財5大強国(IP5)の一つとして知財教育分野においても『K-知財行政韓流』が普及されるよう努力している」とし、「今後もWIPOなど国際機構、外国庁などと積極的に協力して外国人向け教育を拡大し、品質の高い知財教育コンテンツの開発に取り組んでいく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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