知的財産ニュース 韓国特許庁、地域経済の活性化に向け蔚山(ウルサン)の中小企業・個人事業者を訪問
2024年12月13日
出所: 韓国特許庁
地域経済の活性化に向け現場訪問を実施
韓国のキム・ワンギ特許庁長は12月13日金曜日、個人事業者や中小企業から直接意見を聞き、それに応じた支援策を講じるために蔚山(ウルサン)太和(テファ)伝統市場などを訪問した。今回の現場訪問は、特許庁が行う「伝統市場向け共同商標の開発支援事業※」の優秀な事例であるテファ伝統市場(蔚山(ウルサン)市中区)と特許庁の地域知識財産センターから事業の支援を受けた蔚山(ウルサン)地域所在の中小企業を対象に行われた。
※伝統市場・路地商圏の特性を表した共同商標やキャラクターなどを開発して商標、意匠登録出願を支援する事業
「伝統市場向け共同商標の開発支援」の優秀な事例、「テファ伝統市場」を訪問し意見交換を実施
キム庁長は、テファ伝統市場を訪問し事業者と懇談会を開き、伝統市場向け共同商標の開発支援事業の成果を共有した。テファ伝統市場は、2022年特許庁が行った伝統市場向け共同商標の開発支援事業により、竹、クジラ、太和(テファ)江(川の波)、太陽をイメージした共同商標と、太和(テファ)江国家庭園をイメージする竹、カラス、シラサギのキャラクターを制作し、それらの商標権と意匠権を取得した。登録した商標と意匠はMZ世代(韓国の若者世代)向けマーケティングに活用して若い顧客層を増やす効果を得た。
懇談会には、クォン・ヨンオ商人会長、蔚山商工会議所のソ・ジョンウク常勤副会長をはじめ約10名が参加した。クォン商人会長は「最近景気が冷え込み、売上高が下がっている。このような中で特許庁長の訪問は大変役に立つ」とし、「今後も政府からの支援により市場が活発になることを期待する」と述べた。
【蔚山(ウルサン)地域所在「中小企業向けIP即時支援」事業の支援成果について共有】
キム庁長は、韓国東西発展(蔚山市中区)にて同地域所在の中小企業の代表約50名と懇談会を開いた。懇談会には、キム庁長をはじめ、蔚山商工会議所のイ・ユンチョル会長、韓国発明振興会のキム・シヒョン常勤副会長が参加して中小企業から知財をめぐる悩みや相談を聞き解決策について話し合った。
懇談会で特許庁は、今年行った同地域所在の中小企業向け「知的財産(IP)即時支援事業」の支援成果を共有した。蔚山知識財産センターでは、知財に関する困難を抱えている中小企業25社の知財状況を診断し、特許・意匠のマップ、デザイン・ブランドの開発、海外出願などを支援した結果、企業の売上高が支援前より33.5%増え、46件の雇用が生まれるなどの成果※を上げた。
※2024年度蔚山「中小企業向けIP即時支援」の参加企業の売上高総額:2023年723億ウォン→2024年965億ウォン
雇用創出:2023年245名→2024年291名
懇談会で同地域所在の中小企業関係者は、企業の安定的な成長を図るためには知財が必要だという点に共感し、中小企業向け支援の拡大を求めた。
キム庁長は「地域経済で中心となるのは中小企業と個人事業者があり、知財は市場で競争力を高め持続可能な成長を図るカギとなる」とし、「特許庁長は中小企業と個人事業者の成功や成長を図るために知財権確保に向けた手厚い支援に取り組む」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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