知的財産ニュース 「2024年特許技術賞」でLG電子が世宗大王賞を受賞

2024年11月7日
出所: 韓国特許庁

臨場感あふれる道案内サービス「車両用のARディスプレイ」が一等を受賞

韓国特許庁は11月6日水曜日、中央日報社屋(ソウル市麻浦区所在)にて「2024年特許技術賞」の授賞式を開催した。LG電子の「車両用のARディスプレイ装置およびその動作方法」が一等の世宗(セジョン)大王賞を受賞した。

特許技術賞は、発明者のモチベーションや発明の重要性について社会的な認識を高めるために優秀な技術に対し賞賛するイベントで、特許審査官が受賞対象の選定に直接参加し、1992年から33年間特許庁と中央日報が共同で主催してきた。

一等世宗(セジョン)大王賞、LG電子「車両用のARディスプレイ装置および動作方法」

一等の世宗(セジョン)大王賞は「車両用のARディスプレイ装置およびその動作方法」を発明した(株)LG電子のチェ・ビョンジュン、チェ・ジソク、ソン・ジョンフン、キム・イルファン、パク・ジョンテ研究員が受賞した。

同社は、道案内の情報を仮想グラフィック化して現実の画像に自然に重ねて表示することでドライバーが直観的に経路を認識するなど、安全な走行環境を提供する技術を発明した。この技術を採用した自動車部品を開発して多くの世界的な完成車メーカーから技術力を認められ、製品の受注やソフトウェアソリューションの収益化に成功した。

二等忠武公(チュンムゴン)賞、(株)イオテクニックス「可変なパルス幅フラットトップレジャー装置および動作方法」

二等の忠武公(チュンムゴン)賞は、可変なパルス幅フラットトップレジャー装置およびその動作方法を発明したソン・ギュドン会長のほか3名((株)イオテクニックスによる出願)が受賞した。

この特許技術は、レジャーを利用してウェハーに照射するビームが到達する深さを調整することでほかの部分への熱による損傷を最小化して生産性を高めるものである。同社は、レジャーのアニーリング技術に係る韓国国内外の数十件の特許ポートフォリオを作り、世界で初めてDRAM用レジャーアニーリングの量産装備の開発に成功した。

池錫永(チソギョン)賞は光云(クァンウン)大学産学協力団など2チーム、洪大容(ヒョンデヨン)賞(株)MPコーポレーションなど4チーム

池錫永(チソギョン)賞は「MDCTベースのコーダーと異種のコーダーの返還に係るエンコーディング装置およびデコーディング装置」に関する特許でペク・スングォン研究院のほか7名(光云(クァンウン)大学産学協力団と韓国電子通信研究院による共同出願)と、「車両用ホイールベアリング」に関する特許で(株)イルジングローバルのパク・ジュンヤン研究院もほか3名がそれぞれ受賞した。

光云(クァンウン)大学産学協力団・韓国電子通信研究院は、音声や音楽の再生において高い品質や効率的な圧縮を提供するオーディオエンコーディング技術を開発し、この技術は国際標準技術に採択され、多くのグローバルストリーミングサービスやスマートフォンをはじめモバイル端末に採用されている。

(株)イルジングローバルは、オービタルフォーミング※の与圧方法を適用し、ゴムボートを内輪に直接連結できる4世代ホイールベアリングに係る技術を発明し、ホイールベアリングの寿命や剛性を高めるとともにほかの部品を加えることなく重量や製造原価を削減した。
※ハブの端部が径方向外方に拡大するよう塑性変形した構造

洪大容(ヒョンデヨン)賞は、(株)MPコーポレーションによる形状記憶スブリングのアクチュエータ装置、(株)イソルによる高性能のパターニング干渉装置、(株)コスマックスAB・(株)コスマックスによる発酵ナノ乳化剤の組成物、(株)ポジキューブによる画像判別手法に係る技術の発明者がそれぞれ受賞した。

特許技術賞の受賞者には最高1,500万ウォンの賞金と特許庁による発明奨励事業※への支援、発明の事業化・マーケティングに活用できる特許技術賞の受賞マークが提供される。
※優秀発明品の優秀購買推奨および特許路による製品革新支援の対象者選定時に優遇措置

特許庁長は「今回特許技術賞を受賞した8つの発明が今後、さまざまな産業に採用され世界市場に普及され、韓国の競争力を高めることに貢献すると期待している」とし、「特許庁は、大韓民国を技術大国へと導く土台となる優秀な研究者による創造的な研究活動を手厚く支援し、革新の賜物である特許の有効活用や保護に取り組む」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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