知的財産ニュース 韓国特許庁・知財高裁「第11回知的財産訴訟弁論コンテスト」の授賞式を開催

2024年8月16日
出所: 韓国特許庁

全国19のロースクールが参加し、知財権訴訟への高い関心や情熱を見せた

韓国特許庁は特許法院(日本の知財高裁に当たる)と共に8月14日水曜日、特許法院(大田市西区所在)にて「第11回知的財産訴訟弁論コンテスト※」の授賞式を開催すると発表した。
※「特許訴訟弁論コンテスト」から「知的財産訴訟弁論コンテスト」に名称を変更

今年で第11回目を迎える本大会は(2014年開始)、韓国国内所在の法学専門大学院の学生を対象に裁判所における知的財産訴訟の実務を体験できる機会を提供することで、法律の専門性と実務能力を備えた人材を育成することを目的とする。

決戦で最終弁論や裁判部からの質疑に対する応答など激しい攻防を繰り広げた結果、特許部門では、延世(ヨンセ)大学ロースクールチーム(シン・ドンソク、イム・ファニ、チョ・ウンソ)と忠南(チュンナム)大学ロースクールチーム(チョ・セヨン、カン・チェウン、キム・へウォン)がそれぞれ特許法院長賞(1等)と特許庁長賞(2等)を受賞した。

商標・意匠部門では、梨花(イファ)女子大学ロースクールチーム(ソ・イェヒ、オ・ジョンウン、カン・ミンソ)と延世(ヨンセ)大学ロースクールチーム(イ・スンヒョン、キム・ダへ、イ・シヨン)がそれぞれ特許法院長賞(1等)と特許庁長賞(2等)を受賞した。

本選・決戦に進出した残りの20チームには、韓国知識財産保護院長賞、韓国知的財産権弁護士協会長賞、韓国特許法学会長賞などが授与※された。
※韓国知識財産保護院長賞(2チーム)、韓国知的財産権弁護士協会長賞(2チーム)、韓国特許法学会長賞(1チーム)、奨励賞(5チーム)、入選(10チーム)

今回の大会は、全国19の法学専門大学院から54チーム(特許部門42チーム、商標・意匠部門12チーム)、162名が参加して訴訟の準備書面を提出した。韓国全国に法学専門大学院が25校ある中で19校が参加し、知的財産権をめぐる訴訟に対する在学生の高い関心や情熱が感じられた。

大会は、特許法院の裁判官および特許審判院の審判官が出題した特許および商標訴訟の事例問題に対し、参加者が準備書面を作成・提出し(予選)、本選と決戦で弁論対決を行い、その結果を基に受賞者を選ぶ形で行われた。

予選(書面審査)に合格して本選に進出した24チームは、特許法院の裁判者3名からなる審査委員の前で実際の訴訟のように口頭弁論を行い、審査委員は問題への理解度、弁論資料および弁論の適切性などを総合的に評価して決戦に参加する上位6チームを決めた。

本選・決戦の他にもイベントとしてロースクール出身の裁判官と学生との質疑応答、特許法院の裁判官の業務、卒業後の進路などについて話し合いながら知財権訴訟の実務に対する理解を深める時間も設けられた。

特許部門で特許法院長賞(1等)を受賞した延世(ヨンセ)大学ロースクールチームは「権利範囲確認審判では自由実施技術と権利範囲に属するかどうかを判断する中で必ず論理的矛盾が発生するが、法律に矛盾しない、かつ、事案の内容を十分に反映できる方法について深く考えた」とし、「準備書面について十分理解できるよう努力し、提示された技術への理解を深めるために多くの図面を参考したのが功を奏した」と述べた。

商標・意匠部門で特許法院長賞(1等)を受賞した梨花(イファ)女子大学ロースクールチームは「チームの皆で励まし合ったおかげで良い成果を上げることができた。今後も知的財産訴訟に高い関心を持ち、この分野で専門性を持つ人材になれるよう努力する」とし、「昨年の大会で優秀な成果を得た弁論や特許法院が作成した知的財産訴訟実務書を参考したのが大きく役に立ったと思う」と、受賞コメントやノウハウを伝えた。

特許庁長は「韓国の先端技術を知的財産権で迅速に確保し保護する専門人材を育成することは国レベルで非常に大事なことであり、これこそ国の競争力を高める中核的要素である」とし、「今後も優秀な人材が知的財産分野の専門家として成長していけるよう手厚く支援していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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