知的財産ニュース 韓国特許庁、AI基盤特許審査業務支援サービスの開発に向けた事業着手の報告会を開催
2024年8月1日
出所: 韓国特許庁
審査情報Q&AのAIチャットボット、審・判決文の検索、意見書の要約サービスなど12月採用予定
【審査情報Q&A AIチャットボットの回答例】
(1段階)回答生成の要請
「出願人が既に公開されている発明を出願し、その出願書に公知例外主張の趣旨※を記載していないが、当該発明が審査の対象になるのか?」
(2段階)特許審査データの検索
(3段階)回答生成
「審査の対象になります。出願時に公知例外主張の記載に漏れがあった場合、2015年7月29日以降出願された特許・実用新案の出願については出願以降にも明細書の補正可能期間および特許査定後の設定登録前(最長3か月)までは補充することができます。(根拠:特許法第30条第3項)」
※公知(公開)された発明は、特許要件である新規性を喪失しているが、「公知例外適用」制度(日本の「新規性喪失の例外規定」に当たる)により、出願書に公知例外主張の趣旨を記載するなど要件を満たせば、新規性を喪失していないこととみなす
韓国特許庁は8月1日木曜日、株式会社ソルトラックス本社(ソウル市松坡区所在)にて超巨大人工知能(AI)基盤特許審査業務支援サービスの開発に向けた報告会を開くと発表した。
今回の報告会は、デジタルプラットフォーム政府委員会と科学技術情報通信部が主管し、韓国知能情報社会振興院(NIA)が主催する「2024年超巨大人工知能(AI)基盤サービスの開発支援事業」の一環として行われる。
特許庁は、公共部門における人工知能(AI)の日常化とデジタルプラットフォーム政府の実現を加速化するために行われる今回の事業に、株式会社ソルトラックス、GenIPとコンソーシアムを組んで事業応募に参加し、10倍以上の競争を勝ち抜いて選ばれた。
報告会には、イ・インス特許庁産業財産情報局長、株式会社ソルトラックスのキム・ミンジョン副社長、株式会社GenIPのチョン・ジョング代表などが参加する。報告会では、超巨大人工知能(AI)基盤特許審査業務支援サービスの開発に関する詳細な事業内容を発表し、コンソーシアムの各機関の協力策について話し合う考えだ。
特許庁、人工知能を活用する特許審査業務支援サービスの具現…正確性、効率性の向上に期待
特許審査業務支援サービスは、各法令と特許庁の審査基準、条文の開設、相談事例集、出願人の意見書などの特許データと株式会社ソルトラックスが開発した大規模言語モデルLuxiaを組み合わせて具現化する。
これにより、人工知能(AI)が審査官に対し特許審査に関する情報をその出典元も含めて素早く提供することで、審査の正確さと効率性を高めることができると期待される。
審査情報Q&AのAIチャットボット、審・判決文の検索、意見書の要約サービスなど12月採用予定
主な開発内容は、▲審査官からの審査に関わる質問に対し回答を提供する審査情報Q&Aサービス、▲審判官の判断を支援するためのAI審・判決文の検索サービス、▲特許検索式を推奨するAI特許検索サービス、▲審査手続き上で提出された出願人による意見書の要約サービスである。
特許庁は開発とテストを経て今年12月に超巨大人工知能(AI)基盤特許審査業務支援サービスを提供する計画だ。
特許庁の産業財産情報局長は「出願件数の増加、技術発展による審査業務の難易度上昇などにより、審査業務への負担が高まっている」とし、「今後も人工知能(AI)を活用して審査業務の環境を改善し、審査の効率性を図ることで、韓国企業が迅速に特許権を確保して競争力を高めていけるよう支援していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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