知的財産ニュース 韓国特許庁、二酸化炭素回収に関わるグリーン技術分野特許の優先審査制度を採用
2024年5月23日
出所: 韓国特許庁
グリーン技術認証など付加条件の見直しで出願人の負担を解消…制度の利用拡大を期待
韓国特許庁は、5月24日金曜日から積極的な行政活動の一環として炭素低減に貢献するグリーン技術分野の特許出願について迅速な審査や権利化を支援するために、優先審査※の要件を緩和すると発表した。
※迅速に処理する必要のある出願ついて、ほかの出願より優先して処理する制度
優先審査制度を利用する場合、通常の特許審査(最初の通知が来るまで16月所要、2023年12月時点)に比べて14月以上早く審査結果が通知されるため、気候危機に対応するグリーン技術の迅速な権利化に効果があると期待される。
二酸化炭素回収に直接関わるグリーン技術の特許出願に対する優先審査の要件を緩和(5月24日~)
グリーン技術の特許出願に対する優先審査の要件緩和措置は、出願された発明が二酸化炭素回収に直接関わる技術である上、特許庁から新特許分類の付与を受けるだけで優先審査が申請できる内容で、追加の証明や条件は求めない。
具体的には、排出される二酸化炭素の回収および輸送のネットワークインフラの構築・運営に関する技術、回収した二酸化炭素の処理および永久隔離に関する技術、バイオ炭(Biochar)※の製造および散布に関する技術などが対象になる。優先審査の対象になる新特許分類は5月24日金曜日から特許庁ウェブサイト※※から確認できる。
※酸素のない環境で熱分解して作られた、炭素含有量が高い固形物で、土壌に投入すると炭素の濃度を低減するため、気候変動緩和技術の一つと呼ばれる
※※知的財産制度>主要制度>特許/実用新案制度>特許優先審査制度の紹介
グリーン技術の認証など付加条件を削除して出願人の負担を軽減し、利用の拡大へ
これまでは、グリーン技術関連の特許出願が優先審査を受けるためには、グリーン専門企業の認証を受けるか、国や地方自治団体から金融支援を受けた場合など、付加条件が求められたため、気候変動に対応する技術開発に取り組む研究者や発明者が優先審査制度を利用することが簡単ではなかった。
今回の制度改善により、グリーン技術の認証や金融支援を受ける負担が解消され、出願人の利用が増えると期待される。
特許庁の特許審査企画局長は「迅速な権利確保により、技術競争で優位に立つことで、技術革新を図ることができる」とし、「世界がカーボンニュートラルを目指す中で、関連技術を迅速に権利化し、国の環境問題の解決につながるよう支えていく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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