知的財産ニュース 韓国特許庁主催の「第59回発明の日」の記念式が開かれる

2024年5月21日
出所: 韓国特許庁

「今年の発明王」は韓国自動車研究院のキム・ヨンウン責任研究員が受賞

韓国特許庁が主催し、韓国発明振興会が主管する「第59回発明の日※」の記念式が5月21日火曜日、ソウル大韓商工会議所の国際会議場(ソウル市中区所在)にて開かれる。
※世界で初めて測雨器が発明された日(1441年5月19日)を記念するために1957年に指定された韓国祝日

発明の日の記念式は、褒賞を授与することで発明家や発明有功者の士気を高め、多くの国民に発明の大切さを伝えるために開かれる法定記念日のイベントである。

「国民が幸せな国、発明でひらきます」という今年のスローガンは、発明による技術革新の恩恵者は国民であり、発明の本来の目的は国民の幸せだという意味を込めている。

当日、記念式には、ハン・ドクス国務総理、キム・シヒョン特許庁長職務代理をはじめ、発明関係機関の長、発明有功褒賞者やその家族など、約300名が参加して受賞者を祝う時間を設ける。

主な受賞者:「金塔産業勲章」は株式会社LG電子のキム・ビョンフン副社長、「今年の発明王」は韓国自動車研究院のキム・ヨンウン責任研究員など

最高賞である金塔産業勲章は、株式会社LG電子の最高技術責任者(CTO)であるキム・ビョンフン副社長が受賞する。キム副社長は、30年以上、次世代標準技術の開発に取り組み、同社が通信標準技術など標準必須特許を確保し、世界市場で特許ライセンス料による収益を生み出すことに大きく貢献した。また、さまざまな通信標準技術を自ら発明し、国内外で3,000件を超える特許を出願した発明家であり、CTOとして研究開発を総括することで韓国の情報通信分野で技術革新をリードしてきた。

銀塔産業勲章は、株式会社東友ファインケムのラ・インホ副会長と株式会社SLのキム・ジョンウン技術委員が受賞する。ラ副会長は、5G対応の透明アンテナ技術など独自の戦略技術を育成してデジタル革新の加速化に貢献し、積極的な投資誘致により、研究開発の成果を最大化し、新規投資により新しい成長エンジンを確保するなど、国の産業発展にも貢献している。 キム技術委員は、最小型マイクロレンズのヘッドランプの開発やビジネス化により、韓国の自動車産業の発展や未来の競争力確保に貢献している。

紅条勤政勲章は、漢陽(ハニャン)大学のオ・ヒョンオク教授が受賞する。オ教授は、ブロックチェーンの仕組みでデータが効果されない投票システムなど暗号学に基づいた映像情報のプライバシー侵害防止技術を開発してサイバーセキュリティ技術の競争力強化に貢献した。ほかにも、さまざまな功績で国の産業発展に大きく貢献した発明家に勲・褒章、大統領・国務総理表彰などを授与する。

「第14回今年の発明王」には、韓国自動車研究院のキム・ヨンウン責任研究員が選ばれた。キム責任研究員は、自動車の走行中、意図せぬ加速が生じた場合、スイッチを活用した車向け非常停止機能を採用した緊急停止方法などを考案して自動車走行の安全性や国民の安全保障に貢献した。知的財産権を有償・無償で公共分野に移転するなどして企業の技術支援にも寄与している。

優秀な発明品の展示:世界初4K・120Hzの無線伝送技術を採用した無線OLEDTVなど

イベントでは受賞企業の優れた技術を紹介する展示も開かれる。世界初4K・120Hzの無線伝送技術を採用した無線OLEDTV(株式会社LG電子)、独自のガラス基板パターニング技術を採用した透明LEDディスプレイのG-TLD(株式会社東友ファインケム)、現代自動車のジェネシスモデルに採用される最小型マイクロレンズのヘッドランプ(株式会社SL)、ブロックチェーン技術と「ゼロ知識証明※」による暗号化技術を基にした投票システム(漢陽大学のオ・ヒョンオク教授)、未来型自動車技術(韓国自動車研究院)などが紹介される。
※ゼロ知識証明:証明者が検証者に秘密情報を直接明かすことなく、秘密情報を知っているとの事実を検証者に証明すること

特許庁長職務代理は「世界的な技術覇権争いの中で、韓国の産業発展のために大きく貢献している発明家の方々に感謝する」とし、「世界的な経済危機を科学技術で克服できるよう、これからも発明家の方々のリーダーシップに期待し、特許庁も発明家の皆様と共に大韓民国のさらなる発展に向け取り組んでいく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195