知的財産ニュース 韓国特許庁、「知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)戦略支援事業」の諮問委員会を発足

2024年5月13日
出所: 韓国特許庁

中小企業向け知財基盤のビジネス戦略の策定を支える

韓国特許庁は5月13日月曜日、韓国知識財産センター(ソウル市江南区所在)にて「知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)戦略支援事業」の諮問委員会(以下、「委員会」)を発足すると発表した。

知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)戦略支援事業は、企業の内外の知的財産(IP)を結合(Connect)して革新的な製品開発(Development)戦略を支援する中小企業向けIP事業化支援事業である。同事業に参加する企業は、知的財産を基盤にした新製品の企画から製品の高度化、投資と販路に至るまで個別企業向けの統合ソリューションを受けることができる。


【事例】洗濯機の特許でスマート哺乳瓶の課題を解決

乳幼児向けデジタルヘルシーソリューション会社であるL社は、スマート哺乳瓶を開発する初期段階に、授乳量を記録する際に使われる重さ測定の技術の確保が難しかった。このような中、特許庁が行う知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)戦略支援事業に参加して、異種分野である洗濯機の特許分析からアイデアを導き、課題を解決することができた。同社はこの製品の開発に成功して2022CESで革新賞を受賞し、技術の優秀さを認められた。
授乳のタイミング、授乳量を自動で記録するスマート哺乳瓶の開発が必要→重さ測定の技術確保が難しく開発に難航→洗濯機の特許から重さ測定に関するアイデアを発見(10-1979596)→重さ測定の仕組みを採用した授乳量測定型の哺乳瓶の開発に成功 →2022CES革新賞を受賞

委員会は、産業界と学界の開放型革新に詳しい専門家7名で構成され、中小企業の知的財産基盤の事業化戦略モデルと革新方策を策定し、知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)戦略支援事業の発展方向について模索する考えだ。

初回会議では、事業内容を共有し、セッション別のテーマ選定および事業の方向性について話し合う。その後、9月まで4回にわたるセッション会議でセッション別のテーマ発表を行い、製品開発の改善策を模索し、マニュアル作成や商標戦略を検討する。10月には最終会議を行い、事業の改善策をまとめ、11月には「知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)カンファレンス」を開き、これまでの成果について発表する考えだ。

特許庁の産業財産政策局長は「経営資源が乏しい中小企業を対象に技術革新の成果物でもある特許を活用した事業モデルを提供することは非常に大事だ」とし、「開放型革新の専門家からなる諮問委員会を立ち上げることで、知的財産基盤革新製品開発(IP-C&D)事業を充実させ、中小企業向け知財基盤支援を強化していくことを期待する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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