知的財産ニュース 韓国特許庁産業財産権紛争調停委員会が機能拡大へ…半導体配置設計権に関する紛争も調停する
2024年1月30日
出所: 韓国特許庁
半導体配置設計権に関する紛争調停・審議に対応する内容の「発明振興法」、「半導体配置設計法」が公布され(1月30日)
産業財産の代表的な紛争調停機関である「特許庁産業財産権紛争調停委員会」の機能と役割が拡大される。韓国特許庁は、産業財産権紛争調停委員会が「半導体配置設計権※」に関する紛争まで調停できるようにする「行政機関所属委員会の整備に向けた半導体集積回路の配置設計に関する法律等9つの法律の一部改正に関する法律案」が30日公布※※されたと発表した。
※半導体配置設計:半導体の集積回路を製造するための各種の素子や導線を平面的または立体的に配置した設計
※※施行時期:公布後6か月
「半導体配置設計権」に関する紛争も産業財産権紛争調停委員会を通じて迅速に解決
特許庁産業財産権紛争調停委員会は、現在、産業財産をめぐる紛争を最も多く解決している代表的な紛争調停機関である。2023年には前年比2倍多い159件の紛争事件が受付けられ※、平均66日で事件が処理されており、両当事者が調停に応じた場合はその事件の半数以上が調停成立される(調停成立率53%)など迅速かつ効率的な紛争調停機関として位置付けている。
※産業財産権紛争調停の申請件:(2022年)76→(2023年)159
今回の改正は「半導体配置設計権」に関する紛争件についても特許庁産業財産権紛争調停委員会が調停できるようにすることで※迅速かつ効率的に紛争を解決する目的である。
※産業財産権紛争調停委員会の所管業務:(従前)産業財産権、職務発明、営業秘密、不正競争行為→(法律の施行後)配置設計権を追加
半導体配置設計の専門家を紛争調停委員として最大5名委嘱
産業財産権紛争調停委員会は、特許分野28名、商標・意匠分野19名、営業秘密・不正競争行為など法律分野27名など、技術・法律に詳しい計80名の技術・法律の専門家で構成されている。
今回の改正により、産業財産権紛争調停委員会の機能と役割が拡大され、半導体配置設計の専門家を紛争調停委員として最大5名追加する計画だ。
特許庁の産業財産保護協力局長は「今回の改正により、半導体配置設計権に関する紛争調停についても産業財産紛争調停委員会を通じて迅速に解決できると期待される」とし、「特許庁所属委員会の効率的な運営と産業財産権紛争調停委員会が持つ専門性の活用というメリットがある」と述べた。
特許・商標・意匠・実用新案権および営業秘密の侵害や不正競争行為により困難を抱えている企業・個人は、韓国知識財産保護院の産業財産権紛争調停委員会事務局ウェブサイトから申請書をダウンロードできる。申請書の書き方についての質問は事務局(電話番号1670-9779)で受け付けている。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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